DV

逆DVの辛さと実際

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逆DV

今日はDVシリーズ第三弾です。いわゆる「逆DV」について書きたいと思います。

   1 逆DVとは

逆DVとは妻から夫に対する暴力のことです。そもそもDVは単に夫婦間の暴力を指しますので、わざわざ「逆」をつけなくても、妻から夫への暴力も「DV」の中に含まれます。しかし、世間のイメージではDVと言えば断然「DV夫」でしょう。ですので、妻からの暴力であることを強調するために「逆」という言葉を付けているわけです。

さて、この「逆DV」、実態はどのようなものなのでしょうか。実際、昔に比べて確実に増えている印象で、ちょくちょく逆DVを訴える夫が増えているように思います。増えている原因としては、女性の社会進出や地位向上に伴い、家庭での役割逆転が起こっていることや、「女はこうあるべき、男はこうあるべき。」という観念が薄まり、被害者である男性が声を上げやすくなっていることがあるのかもしれません。

   2 逆DVの内容

2-1 逆DVの種類

①精神的虐待:「稼ぎの少ないダメ夫。せめて保険金のために死んでくれる?」、「あなたみたいなバカな人と結婚したから子どもがバカになった。外で子ども作ればよかったわ。」等々、暴言を言われる。

②身体的DV:包丁を突きつけられる、物を投げつけられる、ケンカになるとすぐにひっかいたり叩いたりする。力では男性にかなわないので、刃物等の物を使い、被害を大きくさせることがある。

③経済的DV:給料を全て巻き上げられ、わずかな小遣いしかもらえない。友人との付き合いはおろか、毎日の昼食代にも事欠く。必要な衣類も買ってもらえず穴のあいた下着や靴下をはいている。

④性的DV:仕事から疲れて帰ってきても毎日のように性交渉を求められる。断っても布団の中に入ってくるため、早く寝るために結局は応じる。

などです。

ただ、実際には、③④をDVとして主張されることはほとんどないように思います。③④が主張されることもあるのですが、それがDVであると認識されることが少ないため、妻との性格の不一致の一部や、妻の「悪行」として主張されることがほとんどです。一番多いのはやはり①の精神的DVでしょうか。

2-2 逆DVか、たんなる恐妻か

これを見て、「そんなんでDVになるなら、俺だってDV被害者だ!」と思った方もおられるかもしれません。もちろん、DVはいじめやハラスメントと同じで、両者の関係性や被害者の受け止め方によって成立したりそうでなかったりするので、行為だけを見て「これはDVだ。」、「これは単なる夫婦喧嘩だ。」ということはできません。

例えば、「稼ぎが悪いと言われる。」ということ一つとっても、 子どもの前で毎日のように、「お父さんの稼ぎが悪いから〇〇に何も買ってあげられないのよ。」、「〇〇はお父さんみたいな人と結婚しちゃだめよ。」と言われ、食事ものどを通らなくなった、という人と、大学受験を控えた娘がいて、妻から深刻に「今の収入では難しい。何か方法はあるか。」と相談された、という場合では大きく違います。

そのほかにも様々なパターンが考えられ、それがDVなのかそうでないかの判断は簡単ではありません。

②の身体的DVはそんなに多くない印象です。やはり、男女の体格や力の差を考えると、相当精神的に支配関係が明確でないと、女性から男性への深刻な暴力というのは成立しないのでしょう。ただ、凶器を使う場合は別です。また、抵抗しない夫に「ひっかく」「叩く」などの暴行を加える妻もいます。境界性人格障害(BPD)の妻などは、暴言・暴力が多かったりしますので、この②の加害者になりやすかったりします。

さらには、一昨年前の愛知県の事件のような例もあります。車中で上司の女性が部下の男性を蹴って死亡させたあの事件です。普通に考えれば、被害者の男性は、性別的にも年齢的にも加害者に負けるはずがありません。上司の息子も同乗していたなんて情報もあったりして真相は不明ですが、支配―被支配の関係が強烈だと逆DVでも深刻な被害を生みかねないと再認識しました。どちらにしろ、凶器を使ったり暴力を振るうなどして相手にけがをさせれば、それはたんなる恐妻ではなく、逆DVが成立すると言えるでしょう。

   3 諸外国の逆DV事情

これは余談ですが、中国では、逆DVがDV全体の25パーセントを占めるというデータがあります。上海のキャリアウーマン妻は恐妻であるというのは有名な話ですが、やはり中国全体でみても女性が強い国ということなのでしょうか。 また、アメリカでは、私立の男性シェルターがいくつもあるとのことで、やはり、日本より逆DVが多いことがうかがわれます。 逆に、イスラム諸国では、元々女性の地位が低く、社会的にある程度のDVが認められてしまう地域もあるようです。

このように、国や宗教によって様々な姿を見せるDVですが、本質は、「家族という大切にするべき相手への思いやりが欠けている。」ことです。 DVの中には、執拗にストーキングしたり、独占欲の塊とも思われる異常に強い愛情の結果、「他の男と話した。」等の理由で暴力を振るったりすることがあります。しかし、これも同じで、相手を思いやっての愛情ではなく、単なる自己愛や独占欲の結果の暴力なのです。「愛していたから」という理由は成立しません。

逆DVの辛いところは、なかなか周囲に相談しにくいことです。男性にしてみれば、女性に暴力を振るわれていたり、精神的に辛い目に遭っていることは恥ずかしいことだと感じるようです。また、勇気を出して相談したところで、あまり深刻には取り合ってもらえないという辛さもあるようです。

ほかにも暴力について書いています。参考までに是非お読みください。 

DVの3つの特徴と望ましい離婚の時期

虚偽DV・冤罪DVの実際

 

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