モラハラ

モラハラ妻にないがしろにされてきた夫が離婚を考えるとき

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コロナ禍以降、DVからの逃げ場を失った妻たちの現状を伝えるニュースが増えましたが、同じことが夫の立場である男性にも起こっています。 

もちろん、これまでもモラハラ妻に苦しめられる夫は少なからずいたわけですが、コロナ禍で問題が顕在化したようにも思われます。 

今回は、そんなモラハラ妻とどう折り合いをつけるのか、離婚を決断したとして、その際の手順や注意点は何か、といったことをお伝えしたいと思います。

モラハラとは

 モラハラとはモラルハラスメントの略語ですが、直訳すると、「道徳上の嫌がらせ」ということになります。ただ、定義も様々ですし、その定義からイメージされることも人によって様々です。そこで、「うちの妻はモラハラ妻かもしれない」と思った方は、以下の項目にあてはまるかどうか、具体的に考えてみてください。

モラハラ妻の特徴 

きっかけは産後クライシス

交際当時から「きつい性格だと思っていた」という方もいますが、多くは、「子どもができてから変わってしまった」と話す方が少なくありません。

産後クライシスとは、出産後、ホルモンの変化や夫の育児・家事への不参加が原因となり、妻の夫に対する愛情が激減する現象を言います。

こういった産後クライシスがきっかけとなり、妻の夫に対する言動が冷たくなったという人が多いのではないでしょうか。

子ども至上主義

モラハラ妻の中には、育児や家事までも夫に押し付け、自分は何もしないという人もいますが、多くは、とても子どもを大切にします。幼い頃から、情操教育に熱心だったり、食育や衛生面に過度に神経質になる人もいます。それ自体は悪いことではないのですが、その価値観を夫に押し付けたり、同じように対応してくれない夫を非難したりするのが特徴です。

夫の家事・育児にダメ出し→手出しをさせない

モラハラ妻は、夫の育児や家事をとてもシビアに評価します。夫としては、少しでも手助けになればと思って手伝うわけですが、ダメ出しばかりでは嫌になってしまいます。そうなると、夫としても進んで手伝おうという気持ちにならなくなってしまいますし、妻が手出しをさせない、ということもあります。

夫の収入に不満がある

実際に夫の収入が社会的に多いか少ないかは別にして、モラハラ妻の多くは夫の収入に不満を持っています。そのため、夫から十分な生活費をもらっていたとしても、不満や不平ばかりで感謝の気持ちを口にする人は少ないでしょう。

妻自身は無職(もしくはパート程度)

モラハラ妻は、家庭内の役割として、「夫はお金を稼いでくる役割、妻は家事や育児をする役割」と考えている人が多いように思います。そのため、「お金を稼いでくることの大変さ」を実感している人が少なく、先ほどの夫の収入への不満につながるのです。

夫の世話(食事や洗濯等)を嫌がる

モラハラ妻は、既に夫への愛情が薄れています。更には、尊敬や「思いやり」といった感情も既になくなっています。そのため、夫を「邪魔な存在」として感じています。そんな夫に対して、帰宅時間に合わせて夕食を準備するのは億劫で仕方ありません。また、夫の洗濯物も汚らしく感じたり、寝室も自分や子どもと分けたくなってきます。

子どもに夫の悪口を言う

モラハラ妻は、夫への悪い感情を自分ひとりでとどめておくことができません。一番近い存在である子どもにも共有しようとします。その際、事実よりも自分の感情に基づいた評価をするわけですから、夫にしてみれば、たまったものではありません。例えば、お金についてです。夫の年収が1000万円あり、その大半を生活費として渡していたとしても、妻が「足りない」と思えば、子どもには「お父さんがお金をくれないから、○○できない」という風に伝わるのです。

人格否定のような強い言葉で非難してくる

モラハラ妻の言葉の暴力は強烈です。例えば、容姿を「気持ち悪い」、「生理的に受け付けない」と非難したり、「能無し」「役立たず」「人間としての価値がない」等と存在自体を否定したりします。また、あなたは発達障害だ、精神的におかしい、病院に行ってほしいなど、夫を精神疾患のように扱ったりもします。

長時間拘束してのお小言

モラハラ妻は、相手の翌日の予定に配慮したりしません。そのため、何か文句を言いたいことがあれば、夜通し話合いを求めてきます。夫がいかに疲れて仕事から帰ってきているのか、深夜の話合いは翌日の仕事に差し障るのではないか、そんな配慮はありません。話合いといっても、一方的に同じことや過去と現在を行ったり来たりしながらの不平不満が続くのですから、夫としてはとてもつらいものです。大抵の場合、反論すればそれだけ長くなるからと、じっと耐えていることになるのですが、夜中の2時、3時まで寝かせてもらえないという人も少なくありません。

経済観念がない

モラハラ妻はお金に敏感ですが、収支を把握し、適切に配分するという考え方ではありません。理想とする子どもの教育や生活に必要なものが大前提となり、収入に応じて支出するという感覚が少なかったりします。そのため、教育費が高額になり、夫の収入の割には預貯金が少なかったりします。夫にしてみれば、妻が適切に家計を守ってくれていると思っていたのに、ある日突然、預金額が少ないことを知って唖然とする、なんてこともあります。

無視をする

モラハラ妻の中には、積極的に何か嫌がらせをするわけではないけれど、とにかく「無視をする」という対応を取る人がいます。また、自分や子どもにとって必要なこと(大半はお金に関すること)は連絡をしてくるけれど、夫からの働きかけは知らんぷり、ということもあります。

子どもとのコミュニケーションを断とうとする(孤立させる)

先ほどの無視は、夫婦間のみではなく、子どもを巻き込んで行われることもあります。例えば、「子どもが興奮するから寝る前には帰宅しないで」と言われることがあります。この程度であれば、育児中にはよくあることかもしれませんが、モラハラ妻はここからエスカレートしていきます。「朝の登園準備をしている間は、子どもの気が散るからリビングに入らないでほしい。」、「夕食後は、子どもがリビングで勉強するから入ってこないで」とリビングからの締め出しが始まります。また、休日になると母子ででかけてしまい、夫には声もかけてくれない、ということもあります。

夫婦間のみならず、子どもも巻き込んだ形で家族内で孤立してしまうと、夫にとっては、まったく気の休まらない家庭ということになってしまいます。

夫の実家も気に入らない

モラハラ妻は、夫本人のみではなく、夫の両親や親せきにもいい感情を持っていないことが多いものです。例えば、夫側の親族行事に参加しなかったり、夫の親族の前であからさまに夫に対する不満を言動で表したり、といったことです。

夫にしてみれば、夫婦の仲がうまくいっていなことや、妻からないがしろにされていることを両親に知られることは辛いことです。両親には心配をかけたくない、そんな夫の気持ちを理解しつつ、それでも実行するのがモラハラ(嫌がらせ)たる所以です。

友人の前でも夫を立てない

モラハラ妻のモラハラは家庭内では収まりません。友人の前でも同様の言動があります。ママ友やパパ友の前でも、夫のことをバカにしたような言動があり、夫としては情けないやら悔しいやら、何とも辛い気持ちになるのです。

平気でうそをつく、間違いを認めない

モラハラ妻は、常に自分が正しいと考えがちです。そのため、何か間違いを指摘されても、それを認めず、逆ギレすることもありますし、その間違いを正当化するために嘘をついたりすることもあります。

妻の実家との関係が極端

モラハラ妻とその両親の関係は極端なことが多かったりします。例えば、実家とべったりで毎日のように連絡を取り合ったり、妻の両親が夫婦の問題に口を挟んできたり、といったことです。逆に、関係が悪く、出産の際も里帰りができなかったり、ひどい場合は絶縁状態になっているモラハラ妻もいます。ママ友や会社の同僚とは比較的円満な人間関係を築けるモラハラ妻ですが、夫や親など、親族や近しい存在の人との距離の取り方が下手だったりします。

モラハラ妻の言い分

以上のような特徴を持つモラハラ妻ですが、モラハラ妻にも言い分があったりします。離婚を選択するにしろ、夫婦関係の修復を目指すにしろ、双方の気持ちを理解した上で話し合えるにこしたことはありません。是非、参考にしてみてください。

モラハラ妻であることに気付いていない

そもそも、モラハラ妻は自分の言動がモラハラであることに気付いていません。モラハラ妻にしてみれば、一生懸命、家事と育児をこなしているだけなのです。多少、夫につらくあたっている自覚があったとしても、それは「多少」であり、必要だから伝えているだけ、といった認識です。

残念なことに、「君がしていることはモラハラだ」と伝えたところで、真摯な反省や変化は期待できず、大抵は逆ギレされるだけです。しかし、万が一にも妻が何かに気付き、言動が改善する可能性があるのであれば、やはり一度は伝えてみてはいかがでしょうか。 

実は、妻も夫を怖がっている

「無視」や「避ける」といった方法をとっているモラハラ妻の中には、実は、妻自身が夫をモラハラ夫だと感じていることがあります。そのため、怖い夫となるべく接点を持たないよう、無視をしたり、避けたりするのです。また、夫のモラハラに負けないよう、何とか言い返しているうちに言葉が過ぎてしまう人もいます。このように、モラハラ妻の中には、逆に被害感を持っている人も意外と多かったりします。 

妻自身の生い立ちと関係している

妻自身がモラハラ気質の親に育てられていたり、幼少期に大切にされなかったというトラウマがあった場合、温かい家庭や夫婦間の思いやりといったものをイメージできないことがあります。その結果、自分自身が結婚しても夫婦間の円満なコミュニケーションが築けず、知らず知らずのうちにモラハラ妻になってしまうのです。

最初からモラハラ妻だったわけではない

妻としても、結婚生活の中で辛い思いや、夫から理解されない経験をし、その結果として、夫を愛せなくなってしまうこともあります。例えば、出産後、女性として見てくれなくなった、家事・育児を手伝ってくれないといった経験です。また、夫自身が「男は外で仕事、女は家を守る」という価値観が強く、妻にその役割分担を押し付けてきたという経過があるかもしれません。妻としては、慣れない育児や家事を頑張っても、「妻の役割だから」と評価されず、感謝の気持ちも伝えてもらったことがない、となると、自分自身も夫への感謝の気持ちが持てなくなってしまうのです。

モラハラ妻の夫がたどる道

以上のように、モラハラ妻側にも事情や理由があるわけですが、そうだったとしてもモラハラを受ける側の辛さは変わりません。以下では、モラハラ妻の仕打ちを受けて、夫の気持ちがどんな風に変化していくのか、ひとつの例として見ていきたいと思います。

円満修復への努力の段階

妻の気持ちを理解しようとする

出産や子育てがきっかけでモラハラ化する妻も多いため、最初は「妻も大変なんだろうなぁ」と慮るような気持ちになったりします。

妻の不満を解消しようとする

そして、その妻の大変さを解消すべく、育児や家事を手伝ったり、妻からの要求になるべく答えようとします。ただ、いくら協力しても、要求に応えたとしても、妻から返ってくるのは感謝の言葉ではなく、エスカレートする要求や非難めいた言葉が多かったりしますので、徐々に疲れてしまいます。

接触を減らす

積極的にかかわったとしても、逆に妻の怒りをかうだけという経験をした後は、とにかく妻との接触を減らす努力をします。帰宅時間を遅らせたり、休日も出かけて家にいないようにしたり、といった努力です。その努力が功を奏す場合もありますが、逆に妻から「何もしてくれない」、「家族を顧みない」と非難される結果になることもあります。

病気や人格障害を疑う

自分があれこれと努力をしても、妻は変わってくれなかったという経験を経て、次に夫が考えるのは「何か他に要因があるのでは??」ということです。つまり、妻の性格が悪いからモラハラ的な言動があるのではなく、妻は発達障害や人格障害(双極性障害や境界性人格障害等)といった、何か性格とは異なる要因によって、モラハラ行為に及んでいるのでは、と考えるのです。

なぜそのように考えるのかというと、たとえ現状を変えられなかったとしても、妻が悪いのではなく、病気や障害が悪いと考えると、何となく気持ちが楽になるからです。そのため、夫は、ネットで色々と検索したり、実際に診療内科に足を運ぶなどして、妻のモラハラの原因を探ります。

しかし、残念ながらこの問に明確な答えはありません。なぜなら、妻自身が自分の問題に気付き、夫の求めに応じて通院することは期待できないからです。医師やカウンセラーは、夫からの間接情報だけでは診断ができず、「奥様は○○かもしれませんね」といった曖昧な返答しかできないのです。そして、夫は、その「○○かもしれない」という言葉を頼りに妻への対応策を考えることになるのです。

子どものために我慢

発達障害や人格障害に原因を求め、傾向と対策を練ったとしても、妻自身は変わりません。そのため、我慢や変化を強いられるのは夫のみで、夫は「原因が何であったとしても、辛い毎日の生活は変わらない」という絶望を味わいます。

しかし、だからといって、簡単に別居や離婚に踏み切れるわけではありません。親に心配をかけたくない、会社への体裁が悪い、そもそも別居する金銭的余裕がないなど、理由は様々です。その中でも一番大きなストッパーの役割をするのが「子どもの存在」です。

子どもと別々に暮らすことの寂しさ

モラハラ妻の多くは、子育ては熱心すぎるくらいにしっかりとやっています。また、パートや専業主婦の人も多いので、どう頑張っても、夫が親権を取れる可能性は少なくなってしまいます。その上、モラハラ妻の嫌がらせの一つとして「子どもに会わせてくれない」という仕打ちをされるのでは、という不安もあります。

子どもに自分の悪口を言われるのでは

モラハラ妻は子どもを味方につけるのが上手ですので、それでなくても夫は孤立しがちです。それなのに離婚によって妻の怒りを買うわけですから、夫の悪口を子どもに言うという行為がエスカレートすることが予想されます。

「パパはママと○○ちゃんを捨てて出て行ったのよ。」

「パパがちゃんとお金をくれないから、塾も習い事もやめないといけないの」

など、全て夫のせいにされてしまうことが予想され、なかなか離れる気持ちになれないのです。

子どもへの悪影響

先ほど書きましたように、多くのモラハラ妻は子育てに熱心です。ただ、方向性が偏っていたり、極端だったりすることがあります。そのため、子どもの個性や能力を無視して勉強を押し付けたり、できないと子どもを強く叱ったりすることがあります。また、衛生面や食育に過度にこだわった結果、外遊びや外食を制限したり、お友達との交流を妨げてしまったりすることもあります。そんな状況を目の当たりにすると、夫としては、自分が子どもから離れることで、妻とは違った価値観を子どもに伝えることができなくなるのではないか、子どもは妻の価値観を唯一の価値観として当たり前に育ってしまうのではないか、と不安になります。

症状化から離婚の検討へ

心身の不調を来す

そんなこんなで我慢を続けたとしても、そのうち、心身に影響が出始めます。いわゆる帰宅恐怖症のような症状が出て、なかなか家に帰ることができなかったり、妻からメールやラインがくると鼓動が激しくなったり、という症状が出ることもあります。

仕事にも大きく影響しますので、寝不足も相まって集中できない、失敗が増える、といったことが増えます。

また、夫だって人間ですから、腹も立つし、我慢ばかりしていられません。ときに、妻と激しく言い争ったり、妻を憎んだりもします。そして、そんな感情の起伏に疲れてもきます。

こうなると、さすがに限界です。このままでは、倒れてしまうのではないか、自分が倒れてしまえば、家族の生活は成り立たなくなり、元も子もなくなってしまうのではないか、という気持ちになります。

離婚の検討

限界がくると、「とにかく逃げ出したい」、「楽になりたい」という気持ちが高まってきます。そうなると、頭によぎるのは「離婚」の二文字です。まずは、妻と離れ、本来の自分を取り戻したい、そんな気持ちになるのです。

モラハラ妻との離婚の手順

では、以上のような経過をたどり、モラハラ妻との離婚を決意したとして、次はその手順についてご紹介したいと思います。  

ステップ1 妻に離婚の意思を伝える

まずは、妻に離婚の意思を伝え、妻の意向も確認しておきましょう。大抵の場合、夫婦関係は既に悪化していますし、けんかの度に妻の口から「離婚よ!」という言葉が聞かれる人もいるかもしれません。そのため、明確に離婚意思を伝えなくても、妻も分かっているだろう、と思う人もいますが、「夫婦仲が悪い」、「喧嘩の際に離婚という言葉が出た」ということと、真剣に離婚を検討するということの間には、かなりのギャップがあります。そのため、離婚を決意したのであれば、まずは妻に明確に伝えましょう。

ただ、伝えたとしても、妻から明確な答えが返ってこないことも多々ありますし、逆ギレされて終わることも多いでしょう。

しかし、夫婦間での協議をしないままに第三者を挟む次のステップに移ってしまうと、「まだ二人で話合いもできていないのに」ということで、妻に話合いのステージにも乗ってきてもらえないことがあります。

そのため、暴力や身に危険が及ばないのであれば、次に進むためのステップとして、まずは離婚を切り出し、夫婦で話し合うという機会を設けていただければと思います。

ステップ2 別居の決意

前述のとおり、離婚を切り出したとして、まともに話合いができることはあまり期待できません。なぜなら、妻に経済的な生活力がないことが多く、「離婚=生活レベルの急落」をイマージさせることが多いからです。

そのため、「ちょっと考えさせてほしい」と言いながら、一向に返事がないこともありますし、口では離婚に応じると言っておきながら、法外な養育費や財産分与を要求し、「離婚をしても私たち母子の生活を保障してくれるなら応じます」と主張したりもします。

どちらにしても、すぐに離婚に向き合う気持ちになってくれることは期待できません。

そうであるならば、次にできることは別居です。別居は、妻の同意がなかったとしても、夫の決断だけで実行できるからです。

また、離婚の話合いに応じてくれる場合でも、同居のまま、モラハラ妻と離婚協議を進めるのは精神的な負担が大きかったりします。そのため、妻が離婚に応じてくれたとしても、同居での協議が苦痛な人は、別居を選択することになります。

別居のメリット1

モラハラ妻と物理的に離れることで気持ちが楽になり、本来の自分を取り戻すことができます。ご相談に来られる方の中には、既に心療内科に通っておられたり、身体的な症状が出るなど、限界に達しておられる方もおられますし、また、「思考がまとまらない」、「ついつい、自分が悪いのでは、自分がおかしいのでは、と考えてしまう」という方が少なくありません。そんな場合、まずは離れることによって、本来の自分を取り戻すことができます。

別居のメリット2 

モラハラ妻にとっても、別居はプラスに働きます。最初は、「勝手に出て行った」と非難されることになりますが、離婚後の生活をイメージする手助けになったり、また、離婚を現実的に受け入れる準備になります。 

別居のメリット3 

妻が離婚に応じてくれない場合、最終的には裁判離婚を選択するしかないのですが、その際、離婚を認めてもらうには、以下のような法定離婚事由が必要です。

法定離婚事由とは・・

一方が離婚に合意しない場合、協議離婚は成立せず、以下のような離婚理由を原因に離婚訴訟を提訴することになります。

  1. 配偶者に不貞な行為があったとき。
  2. 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
  3. 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
  4. 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
  5. その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。

モラハラの場合、5の「その他婚姻を継続し難い重大な自由があるとき」と言えるかとどうか、ということになります。

しかし、モラハラを主張するためには、妻のモラハラ的言動を日記に詳細に書き記したり、録音や録画をしたり、といったことが必要になり、モラハラはDVや不貞に比べて証明することが難しいと言われています。

それでは、法定離婚事由がなければ、いつまでも離婚できないかというと、そうではありません。そんなときにポイントになるのが別居期間で、ある程度の期間、別居が継続していれば、夫婦としては破綻していると認められ、離婚が成立するのです。

一緒に住んでいる間は、どんなに仲が悪くても、家庭内別居状態だったとしても、夫婦の不和による別居であることを認めてくれません。そのため、法定離婚事由がない場合、別居を始めないと、いつまでたっても離婚できない、ということになるのです。

そういった意味でも、離婚に応じてくれない妻に対してできることとして、別居を開始することは有効なのです。

ステップ3 別居先と時期の決定

まずは何はともあれ別居先の住居を確保しましょう。具体的に動くことで、物事が前に進んでいく感覚を味わうことができますし、具体的な入居時期が決まれば、より詳細に妻に伝えることができます。

 ステップ4 別居を妻に伝える

離婚を妻に伝えるのと同じことですが、まずは、妻に別居したい旨を伝え、話合いの場を持ちましょう。

ただ、話合いにならないことも多々ありますので、解決するまで話合うというよりは、別居の意思を伝えるのを主目的とし、理解や納得を得るのは諦めた方がいいかもしれません。また、このときに大切なのは、「別居の時期」について伝えることと、別居後の生活費(婚姻費用)について話題にしておくことです。

ただ、婚姻費用についても、通常は算定表の金額では生活レベルが落ちてしまうことが多く、妻としては「現状の生活を維持する金額」を主張することが多かったりします。そうすると、金額面での合意に至るのは難しいので、次のステップ5に移ることになります。

ステップ5 婚姻費用や面会交流についての協議

別居が完了したとしても、それをきっかけに妻が離婚に応じる気持ちになってくれればいいのですが、多くはそう簡単にはいきません。また、離婚協議を行うにしても、離婚が成立するまでは、夫として妻子に対する扶養義務を果たさなければなりません。そのため、別居期間中の妻子の生活費である婚姻費用と、お子さんに会うための面会交流について話し合う必要があります。

では、そういったことを話し合うとして、夫婦間での話合いが難しい場合の選択肢を以下に3つご紹介します。

家庭裁判所の調停

裁判所というと、とても手続きが難しかったり、弁護士への依頼が必須だと考える方もおられますが、そうでもありません。婚姻費用や面会交流を決めるための調停は、申立手続きもそんなに煩雑ではありませんし、まずは、弁護士に依頼せずに自分でやってみるという選択肢も十分にあります。

ただ、話合いにとても時間がかかる点や、裁判所に申し立てたというだけで妻との争いが激化しかねないというデメリットがあります。

弁護士に依頼する

弁護士に依頼するメリットは、何と言っても法的知識が豊富な専門家に全面的に味方になってもらえる点です。また、精神的なダメージが大きい人は、自分の代わりに妻と交渉してくれるという安心感も大きいと思います。

ただ、費用が100万円近くかかりますし、弁護士だからといって何でもかなえてくれるわけではありません(例えば、支払わなければいけない婚姻費用は、弁護士の有無にかかわらず、算定表をもとに算出されます。)。

ADR(民間調停)を利用する

ADRは、裁判外紛争解決手続きとよばれる民間の機関による手続きです。民間と言っても、法律に基づいて法務省に管轄されている点で安心感があります。

ADRを利用するメリットは、以下のようなものがあります。

・平日夜間や土日の利用が可
・オンライン調停が可
・弁護士の費用の10分の1程度
・法律の専門家による中立な立場での関与が得られる
(紛争性がそれほど高まらない)

一方、デメリットとしては、安価といえども、裁判所の調停に比べて費用がかかることが挙げられます。

ADRによる調停
ADR(調停)よくあるQ&A

ステップ6 離婚協議

離婚条件の提示

別居が完了し、婚姻費用や面会交流について取り決められたら、次は離婚協議です。妻が離婚協議に応じてくれないことも十分に考えられ、その場合は当面別居を続けるしかないのですが、少なくとも離婚条件を提示し、現時点で離婚に応じてくれた場合の妻側のメリットも伝えるようにしましょう。

例えば、上述のとおり、法定離婚事由がなかったとしても、ある程度の別居期間を経過すれば、裁判離婚が可能になります。

しかし、妻としても、数年後に裁判離婚することは、以下のようなデメリットがあります。

弁護士費用がかかる

調停ならまだしも、裁判となれば弁護士に依頼せざるを得ません。

一般的な離婚条件で離婚するしかなくなる

裁判となれば、財産分与は2分の1、養育費は算定表のとおりといった具合に、法律通りの離婚条件になることがほとんどです(もちろん、相手が譲歩してくれればこの限りではありませんが、離婚裁判までもつれこむということは、すでに相手にその気持ちがなくなっていることが予想されます)。

将来の選択肢が狭まる

別居期間が長引き、離婚時期が遅れることは、妻の将来の選択肢を狭めることになります。新たに仕事を始めたり、転居して周囲と関係作りをしたり、もしくは再婚するにしても、早い方がよかったりします。

離婚協議の方法

離婚協議の方法についても、別居時協議と同じく、裁判所・弁護士・ADRといった選択肢があります。

モラハラ妻との協議のポイント

責めすぎずに肯定もする

妻が夫に優しくできない要因として、自分自身が優しくされている実感がなかったり、認めてもらえていないという劣等感を抱いていることがあります。

そのため、婚姻期間中の妻への不満や離婚したい理由をいくら並べたとしても、妻としては、「離婚理由が自分にあるようで納得できない」となるのです。

それよりも、妻が育児や家事を頑張ってくれていたことは認めた上で、もはや夫婦としての愛情や絆を感じられず、一緒にいることが苦痛であるため、離婚してほしい旨を伝えましょう。

離婚時期は臨機応変に

妻からの主張でよくあるのが「子どもが〇〇になるまでは離婚できない」といったような主張です。また、具体的な時期には触れなかったとしても、「今すぐ離婚する」という決断ができず、できるだけ先延ばししたいという気持ちもあります。

一方、夫としては、一刻も早く離婚を成立させ、名実ともに夫婦関係を解消して楽になりたい、という気持ちを持っていたりします。

離婚時期については、相手が主張している時期にもよりますが、別居によって少し気持ちが楽になっているのであれば、少し臨機応変に考えられた方が、妻が離婚を決断しやすいかもしれません。

離婚条件と婚姻費用の兼ね合い

離婚成立までに支払う別居期間中の妻子の生活費を婚姻費用といいますが、婚姻費用の金額は、算定表を参考にして決めることができます。ただ、多くの場合、算定表上の金額では、妻子の生活レベルが下がってしまう、もしくは生活がままならないという事態になってしまいます。そこで問題となるのが金額に関する取決めです。

取決めのスタンスとして考えられるのは、算定表の金額にはかかわらず、ある程度妻子の生活を保障するような形で進めるという考え方です。収入に余裕があるのであれば、こういった対応を取ることで、妻子の生活が激変することを防ぐことができますし、穏やかな問題解決への糸口になることもあります。

ただ、このような方法を取った場合の懸念としては、以下の2点が挙げられます。

懸念点1

いくら支払ったとしても、妻からは不平・不満しか出てこないことが予想されます。妻にしてみれば、突然の別居や生活費の圧縮自体が青天の霹靂であり、同居時と同じ金額をもらわなければ、いくら算定表より上乗せをしてもらっても納得できない、ということになってしまうのです。そうなれば、せっかく上乗せしても不満ばかりということになり、切ない結果になります。

懸念点2

離婚へのハードルが高くなることが懸念されます。というのは、婚姻費用は、妻分の扶養も含まれるため、離婚後の子の養育費より金額が高くなることがほとんどだからです。妻にしてみれば、現状の婚姻費用よりも離婚後の養育費の方が金額が下がるのであれば、早期に離婚に応じる必要がなくなってしまうのです。そのため、早期の離婚成立を望むのであれば、ある程度の離婚条件の上乗せが要求されるわけですが、別居時の婚姻費用を出しすぎていると、離婚後の養育費については、それ以上の金額を提示せざるをえなくなります。

モラハラに苦しむあなたへ

モラハラ妻との生活は、心身ともに疲弊し、その人の「自分らしさ」を奪っていきます。何らかの自衛策を見つけ、婚姻生活を続けるのも1つの選択肢ですし、自分らしさを取り戻すため、離婚を決意するのも1つの選択肢です。

どちらの選択をするのもあなた自身の決定ですが、是非、ご自身を大切にする決定をしていただければと思います。また、あなたは一人ではないということも覚えておいていただければと思います。精神的にどうしてもしんどいときは、我慢をせずに心療内科を受診していただきたいですし、法的なサポートが必要であれば、専門家を頼っていただければと思います。

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