離婚一般

離婚で後悔したくない人に読んでほしい離婚にまつわる様々な後悔⑵

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先日、離婚にまつわる様々な後悔について、カウンセリングなどで聞かれる内容を事例にしてお伝えしました。2事例とも女性側の後悔事例だったため、男性がどんなことに後悔しているのかも知りたいというお声があり、今回は、男性事例をお届けしたいと思います。

   1 モラハラだった自分を後悔しているAさん

1-1 仕事をしていない妻をバカにしていたことに対する後悔

Aさんは中小企業の会社員です。社名を言っても誰も知らないような、社員が100名前後の会社です。収入は悪くありませんが、残業や休日出勤は当たり前、丸一日休めるのは月に2,3日程度です。妻は専業主婦で、5歳になる長女のお世話と家事がお仕事です。ただ、Aさん曰く、家事や育児を「仕事」と捉えたことは一度もなく、妻は仕事をせず、家で子どもと過ごしているだけ、という感覚でいたそうです。

そんなAさんですから、もちろん妻の育児や家事に対する感謝の気持ちはなく、逆に外でお金を稼いでこないことをバカにすらしていました。二言目には「おまえはバカだな。」とか「外で稼げないバカ主婦は」という言い方をしていました。そんなに悪気があったわけではありませんが、今ではひどい言葉だったと後悔しています。

1-2 自分のモラハラに気付きながらも気付かないふりをしたことに対する後悔

今から思うと、数々のモラハラ的言動がありました。例えば、妻が体調不良で朝起きてこなかったとします。そうすると、まず、仕事に行く夫の朝食も作らず、いつまでも寝ているのはどういうことか、朝寝坊ばかりだと子どもの教育にもよくない、外で稼いでいるわけでもないのに家でも何もしないのか、と責め立てます。つらそうな様子で起きてきた妻を心配する一言もなく、ひたすらイライラした様子を見せるつけるだけです。挙句の果ては、ママ友パパ友との集まりの際には、「うちの嫁は専業主婦のくせに朝食も作ってくれないんだよね~。」と笑い話にしたりしていました。今思うと、そのときの妻の顔は悔しさや恥ずかしさで歪んでいたように思います。

しかも、当時、既に「モラハラ」という言葉がはやっていて、自分でも薄々「俺のやってることっていわゆるモラハラなのかも」と気付いていました。しかし、自分が間違っいるとか、妻が正しいと思ったことは一度もなく、突き詰めて考えることはありませんでした。

1-3 別居を切り出されてもまだ自分よがりだったことを後悔

そんなとき、突然、妻から離婚を前提に別居をしたいと言われました。理由は、私の高圧的な言動に耐えられないとのことでした。かなり驚いたのは事実ですが、心のどこかでいつもの優越感が存在し、妻はちょっと反抗したいだけなのかもしれないと考えていました。いつも妻の言動をコントロールしてきましたから、今度もできると思っていました。妻がどう思っているかとか、妻がどうしたいかということではなく、自分がどうしたいかだけを考えていましたので、自分が離婚したくない以上、離婚に至るわけがないという根拠のない自信がありました。

妻の別居希望に対し、「外で働いてくる夫の世話を放棄して出ていくなら、妻としての役割を果たしていないことになる。そうであるならば、自分も夫としての役割を果たすつもりはないから、生活費は一切渡さない。」と答えました。こう言っておけば、引き留める形にはならず、自分も格好がつくし、妻が生活費なしの別居を選ぶとは思わなかったのです。

しかし、妻は、自分と子どもの身の回りのものだけを持って、妻の実家に帰っていきました。別居を切り出された翌日のことです。この時点で、妻の気持ちは既に決まっていたと今になって分かります。

1-4 謝罪の仕方に失敗した後悔

妻と長女が出て行ってからというもの、私の生活は一変しました。最初の一週間ほどは、自分の気持ちに気付かないようにしていました。部屋が広くなったとか、静かになってよかったと言い聞かせていました。でも、最初の週末がやってきたとき、虚無感のピークに襲われました。朝起きて、仕事に行く必要もなく、リビングのソファーに座りました。もちろん、朝食も出てきませんし、そばでうろうろ遊んでいる長女もいません。とりあえずテレビをつけてみましたが、いつも長女が見ていたアニメが放送されていて、よけいに辛くなりました。

部屋は荒れ、汚れた洗濯物も山のようでしたが、何一つやる気になりません。その日は、夜までどうやって時間を過ごしたか記憶にないくらいです。翌日は、さすがに家事をやりましたが、掃除も洗濯も上手にできませんでした。

その後、数週間かけて、どうすれば子どもと妻が帰ってきてくれるか考えました。その挙句、私が妻に宛てて書いた手紙がこれです。

君と〇〇がいなくなってから数週間がたちました。寂しさがじわじわと感じられ、君がやってくれていた家事の大変さも実感しています。何より、〇〇の元気な声が聞こえてこないのが寂しいです。

君は僕の「高圧的な言動に耐えかねた」ということでしたね。確かに、自分にも思い当たることがあります。実は、薄々モラハラではないかと気付いていました。しかし、自分は外で一生懸命働いているので許されるだろうという気持ちがありました。君に謝りたいと思います。

しかし、突然に離婚を前提に別居を切り出す君もどうかと思います。まずは、家に戻ってきて、生まれ変わった僕を見てほしいと思います。僕にチャンスをください。

このときは、帰ってきてほしい一心でこの手紙を書きました。しかし、妻からはメールで一言、「あなたの手紙を見て、あなたは変わらないと確信しました。いつまでも、自分のことばかりですね。」と返ってきただけでした。確かに、自分の気持ちばかりで、妻のしんどかった気持ちや、別居や離婚を切り出さざるを得なかった追い詰められた状況に思い至っていませんでした。手紙などではなく、妻の実家に赴き、妻に辛い思いをさせたことについて、誠心誠意謝るべきでした。

1-5 外で働く父は子どもと遊んでやれなくても当然だと思っていたことに対する後悔

妻の気持ちは変わらず、結局離婚に至りました。長女の親権は妻がとりましたが、定期的に会わせてもらう約束をしました。

私と長女は、けして悪い関係ではありませんでした。ただ、仕事が忙しく、頻繁に遊んでやることはできていませんでした。女の子ということもあり、塗り絵やおままごと、人形遊びといった遊びに付き合えなかったということもあります。心の中でずっと思っていたことは、「自分はあんまり遊んでやれなくて当たり前」ということです。子どもの世話をしたり、子どもと遊んでやるのは妻の役割だと思っていたからです。しかし、面会交流を始めてから、自分の考えが甘かったことに気付きました。まず、長女と単独で遊んだ経験が少なすぎて、どうやって遊んでやれば喜ぶかが分かりません。せっかくの面会交流なのに、時間がもたず、時計をちらちら見てしまうくらいです。

ここまでなら、専業主婦を妻に持つ夫としては、よくある話かもしれません。しかし、うちには「モラハラ問題」があります。当たり前のことですが、長女も私の妻に対するモラハラを見ています。長女は、どちらの言い分が正しいかは分かっていなかったと思いますが、何だかいつもパパがきついことを言って、ママが悲しそうな顔をしているという印象が残っていたようです。面会交流中の口数も少なく、あまり楽しそうな様子を見せません。妻が長女に私の悪口を言っているのかもしれませんが、そんなことを指摘したとしても仕方がありません。長女は妻の管理下にいるのですから。

今となっては、同居中、どうしてもっと長女と遊んでやらなかったのか、どうして長女の前で妻につらくあたってしまったのか、とても後悔しています。

   2 浮気を繰り返したことを後悔しているBさん

2-1 妻は許してくれるという甘え

Bさんは、歳の割には若く見える甘いマスクの40代前半の男性です。2歳年上の妻と15歳の長男、13歳の長女がいます。Bさんは美容師で、女性のお客さんからも人気があります。おかげで美容院の経営状態もよく、月に50万円以上は自由になるお金がありました。

そんなBさんの問題は「女癖の悪さ」です。結婚後も、女性と一夜限りの関係を楽しんだり、お客さんと男女の関係になったりと、何度も浮気を繰り返していました。妻は、そのことに気付いているようでしたが、「いい加減にしなさいよ。」と言ってくるくらいで、あまり深刻な話にはなりませんでした。Bさんも冗談めかして「女性と仲良くするのも営業だからね。」などと言っていました。Bさんにしてみれば、年上女房の妻は、とても物分かりがよく、Bさんの遊びを許してくれているのだと思っていました。

しかし、後になって、妻から「地獄のような日々だった。」と言われました。その時、初めて、妻がどんなに辛い気持ちでいたのかを知りました。

2-2 妻の変化に気付かなかった後悔

Bさんには、一夜限りや遊びの相手ではなく、実は「本気」の浮気相手もいました。妻と結婚する前からの関係で、時折会っては食事をしたり、ホテルに行ったりしていました。

ある時、そんな相手がいることを妻が知ることになりました。Bさんにとっては、同じ「浮気」でも、妻にとっては、一夜限りの遊びと長年続いている「本気」の違いは大きかったようで、妻の顔色が変わりました。いつものように「いい加減にしなさいよ。」とも言わず、数日間、口も聞いてくれませんでした。さすがのBさんも、自分の罪の重さに思い至り、妻に謝罪しました。妻は無言でしたが、Bさんとしては、許してくれたものと思っていました。

しかし、その後、だんだんと家庭の雰囲気が変わっていきました。何だか殺伐としているというか、家族間の会話も減っているように思いました。妻も子どもたちも元気がないようにも見えました。でも、Bさんは、もともと家にいる時間も短く、仕事に行っているか、外で友人らと遊んでいることが多かったのです。あまり深刻には考えていませんでした。

そんなある日、妻の両親が上京し、妻と子どもたちを実家に連れて帰ると言うのです。状況が把握できないBさんに対し、妻の両親は「〇〇(妻の名前)は、うつ病のため入院が必要だと診断された。ここで入院させても君は面倒を見てくれないだろう。〇〇も子どもたちも連れて帰るしかない。」と言うのです。Bさんはまったく言われていることが理解できませんでした。妻がうつ病だとは夢にも思わなかったのです。

後日、Bさんは、妻が受診していた病院に話を聞きに行きました。主治医曰く、妻は、ずっとBさんの女性問題に悩んでいたところ、結婚前から続いている相手がいると知り、ストレスがピークに達したとのことでした。主治医が妻から聞いたところによると、妻は、食事をしても砂の味しかせず、夜も眠れず、家事や育児もできないでいたということでした。確かに、家庭内の違和感には気付いていましたが、妻のことをよく見ていなかったBさんには、Bさんの異変に気付かなかったのです。主治医からは、妻のうつ病が入院治療が必要なほど悪化しているのに、それに気づかないのは夫と言えるのか、と言われました。

2-3 子どもはいつまでも子どもだと思っていたことに対する後悔

妻は、実家近くの病院に入院しました。お見舞いに行きたい気持ちもありましたが、妻の両親への気まずい気持ちもあり、なかなか足を運べずにいました。そんなとき、長男からLINEが来ました。「お母さんと別れてくれ」という内容でした。Bさんは驚き、すぐに長男に電話をしました。長男は電話には出ませんでしたが、次のようなLINEを送ってきました。「お父さんのやっていることには薄々気付いていた。お母さんが僕たちに相談することはなかったけど、どれだけ傷付いているか、そばで見ていたからよく分かっている。僕は、妻をうつ病で入院させるような男にはなりたくない。同じ男として恥ずかしい。」

Bさんはこの文章を読んで大変ショックを受けました。まさか、長男がこんなことを考えているとは思いもしなかったのです。子どもと接する時間が少なかったこともあり、Bさんにとって、長男はいつまでも子どものままのイメージしかありませんでした。そのため、まさか自分の女遊びに気付いているとか、それに批判的な意見を持っているとは思わなかったのです。子どもに「同じ男として恥ずかしい」と言われた衝撃は大きく、誰に何を言われるより落ち込みました。

でも、Bさんは、度々外泊をしたり、女性から送られた服を着ていたりと、15歳の子どもであっても分かるような怪しい行動を取っていたのです。Bさんは、このことを振り返り、長男がいつまでも子どもだと思い込んでいたことを後悔しました。

2-4 子どもに対して無責任だったことに対する後悔

Bさんと妻は、その後、離婚しました。離婚後、妻や子どもとは連絡を取っていませんでした。時折り、共通の友人を通じて、妻が入退院を繰り返していることなどを耳にする程度でした。

しかし、ある時、妻の両親から連絡があり、長男を引き取ってほしいと言われました。既に離婚から2年が経過し、長男は17歳になっていました。妻の両親によると、長男は学校で問題行動を繰り返し、妻やその両親の言うことを全く聞かないとのことでした。入退院を繰り返している妻や高齢の両親は既に限界であり、Bさんに男親として責任を取ってほしいと言うのです。

Bさんはとても複雑な気持ちになりました。長男に「同じ男として恥ずかしい」と言われてからというもの、長男に対する苦手意識が芽生えていました。それでなくても2年間連絡を取っておらず、今更一緒に住める気もしませんでした。しかし、一方で、長男が問題行動を繰り返す原因は自分にあるような気がしてならないのです。男同士で腹を割って話し合いたいという気持ちもありましたが、その方法が分かりませんでした。

結局、長男はBさんの家に来ることも拒否し、悪い仲間とふらふら外泊を繰り返すようになってしまいました。風の噂で、高校も中退し、友人の家に寝泊まりしながら夜の仕事を始めたと聞きました。Bさんは何とも言えない辛い気持ちになりました。

そして、もっとBさんを辛い気持ちにさせたのは、長女の噂です。長女が付き合っていた男子生徒の子どもを妊娠するという騒ぎを起こし、結局は中絶したけれど、高校も退学になったというのです。Bさんは、子どもたちの不幸の原因が自分の無責任さにあると感じ、後悔してもしきれない気持ちになりました。

   3 まとめ

以上、男性から聞かれる後悔について事例に入れ込んで書いてみました。男性からよく聞かれるのは、妻を軽視していたことや、子どもに関わってこなかったことに対する後悔です。ある意味、男性だけを責められるものではなく、日本の社会全体が抱える問題ともいえます。

日本の男性は、外で仕事をするのが大変すぎて、家庭には癒しや休息を求めがちです。しかし、夫や父の役割というのは、外で仕事をするだけではなく、家庭内で担うべき役割や仕事もたくさんあるのです。離婚した多くの男性は、離婚後、その大切さに気付くようです。

カウンセリングをしていて感じるのは、離婚を切り出した女性の翻意は難しい、ということです。中には、試し行動的に離婚を切り出す女性もいますが、多くは、すべてを決意した上で夫に告げているような印象があります。そのため、夫が自分の非に気付いたときには時すでに遅しで、反省したり謝罪したりしても夫婦関係の修復が難しいことが多いように思います。

時すでに遅し、とならないよう、少し立ち止まって妻や子どもに対する言動を真摯に見直すことも必要かもしれません。

同じく離婚した女性が語る後悔についてもまとめています。
離婚で後悔したくない人に読んでほしい離婚にまつわる様々な後悔⑴

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