モラハラ

モラハラ夫と離婚したいあなたへ

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モラハラ被害は妻にも夫にも起こりうる悲劇ですが、今回は、妻がモラハラ被害者になった場合の離婚への道筋についてお伝えしたいと思います。

モラハラとは

モラハラとはモラルハラスメントの略語ですが、直訳すると、「道徳上の嫌がらせ」ということになります。ただ、定義も様々ですし、その定義からイメージされることも人によって様々です。そこで、今回はモラハラ夫の特徴を具体的にお伝えしたいと思います。

モラハラ夫の10の具体例

無視や威圧的な態度

モラハラは、暴言のほかにも、無視をしたり、ため息をついたり、もしくは舌打ちをしたり、といった方法で現れることがあります。

積極的な暴言がなかったとしても、日々繰り返されるこうした行為は、じわじわと妻を精神的に追い詰めていきます。妻としては、夫がこれ見よがしにため息をついたり、舌打ちをするたびに、自分が責められているような気がしたり、怒鳴られるのではないかと委縮してしまうのです。

経済的優位性を保とうとする

世の中には、夫の給与口座は妻が管理していて、夫は小遣い制という家庭もありますが、モラハラ夫の場合、給与は自分自身で管理していることがほとんどです。

その上で、妻に毎月定額を生活費として渡し、「俺のおかげで生活ができている」ということを誇示しようとします。

また、毎月のお金のやりとりにしても、十分な金額をもらえなかったり、請求するたびに「なぜその費用が必要なのか」ということをしつこく説明させられたりもします。

嫉妬や束縛

モラハラ夫は、妻を所有物のように考えていたり、自分の思い通りに行動するものだと考えています。そのため、妻が自由に行動したり、楽しそうにしているのが気に入らないのです。また、家庭内での力関係を維持するためにも、妻が外の世界で知識を得たり、味方を得たりすることが不都合だったりもします。

そのため、妻が仕事をするのを嫌がる夫もいますし、友人との交流にいい顔をしない夫もいます。妻が外出をしようとすると、執拗に「誰に会うんだ、どこに行くんだ、何時に帰るんだ」と聞いてきたり、外出そのものを制限しようとしたりします。

妻の人間性を否定する

モラハラ夫は、社会での地位や稼ぎを重視しがちですので、専業主婦もしくは自分より稼ぎの少ない妻を下に見ています。そして、「稼ぎもないくせに偉そうなこと言うな」、「おまえは人間のクズだ」、「母親として失格だ」、「一人では何もできないくせに」、「お前、頭がおかしいんじゃないか。精神科を受診しろ」などと妻の人間性を否定してくるのです。

正論を振りかざす(揚げ足をとる)

モラハラ夫は、とにかく妻を批判するのが大好きです。そのため、妻の家事・育児を細かく観察し、少しでもできていないことがあれば、あれができていない、これができていないとダメだしをするのです。

本来、生活をしていく中で、完璧にはできないことや、理屈では説明できないことがたくさんあります。例えば、体調が悪かったり、気分がのらないときは、家事・育児がおろそかになったりします。そんな妻の様子を見て、「人間だもの、そういうときもあるよね」という見方をしてくれればいいのですが、モラハラ夫はそうはいきません。「君は専業主婦なんだから、家事・育児が仕事だ。それを怠るということは、家族の一員として失格だ」というように、少しのミスやなまけも許さないのです。

ちなみに、他人に厳しく自分には優しいのがモラハラ夫の特徴です。そのため、自分の体調が悪いときやミスをしたときは、あたり前のように妻にフォローや理解を求めます。

自分の意見を曲げない

モラハラ被害者である妻からよく聞かれるのは「夫は絶対に意見を曲げないんです。」、「夫は、私が『うん』というまで責め続けるんです。」という言葉です。

夫婦間で何か話し合わなければならなかったり、意見が相違する場合、通常は、お互いに譲歩したり、その都度、立場が変わったりするものです。

しかし、モラハラ夫の場合、妻に対する譲歩や妻に合わせるということはあり得ません。妻が夫の意見に同意するまで、1時間でも2時間でも、深夜になっても、一方的に話し続けるのです。妻としては、そんな夫の話に疲れてしまい、反抗する気力もなくなってしまうのです。

外面がいい、嘘をつく(話を歪曲する)

モラハラ夫は、外ではいい夫、いい父親を演じます。そのため、妻はとてもつらい思いをすることがあります。以下に、そんな例をご紹介します。

:あなた、子どもの喘息によくないからたばこやめてくれない?

:おいおい、おれのささやかな楽しみまで奪うつもりか?

:一切吸うなとは言ってないけど、換気扇の下で吸うとか、ベランダで吸うとかしてもらえないかと思って・・。

:仕事で疲れて帰ってきて、俺は家でゆっくりたばこも吸えないんだな!

(後日、友人夫婦何組かとの飲み会の場で)

:俺の嫁ってほんとこわいんだよね~。俺が疲れて帰ってきて一服楽しんでると、「たばこ吸うなら家に帰ってくるな!」だぜ。ささやかな楽しみを奪われて、俺ってかわいそう。

夫の友人:食後の一服とかたまんないからな。お前もかわいそうだな。

みんな:ハハハハハ。

:(下を向いて赤面)

こんな風に、モラハラ夫は、友達の前で妻を批判したり、そのために話を強調したり歪曲したりするのが得意です。また、妻の批判はしなかったとしても、とてもいい夫、いい父親を演じるため、周囲に夫のモラハラを相談しても信じてもらえないということもあります。

全てに否定的

モラハラ夫は、妻のあらゆる提案や意見を批判しがちです。子どもの教育方針や休日のお出かけ先の場所まで、何から何までです。そのため、妻にしてみれば、何を言っても否定される、何をしても文句を言われるということになり、自分から話しかける気さえ失せてきます。

また、時には、妻の言動に対してだけではなく、他人の言動やテレビのニュースにまで批判的なモラハラ夫もいます。そんな夫と生活をしていると、自然と意見をする気がなくなっていくのです。

子どもを味方につける

先ほど、モラハラ夫は外面が言いと書きましたが、子どもを味方につけるのも得意です。妻の悪口を子どもに吹き込んだり、妻が子どもを叱っているような場面で子どもをかばったりします。

子どもも大人になっていく過程で、両親の言動を冷静に判断できるようになっていきますが、まだ小さいときは、言われるがままに信じてしまったりします。

そうなると、妻にとっては地獄です。家の中で孤立し、何より大切な子どもも夫の味方をする、こんなに辛いことはありません。

また、真逆のパターンとしては、モラハラ夫は子どもに対してもモラハラ的な言動を行うことがあります。勉強を強要したり、「言うことを聞かないと、学費を出さないぞ」と脅したりもします。こういった「飴と鞭」の使い分けにより、モラハラ夫は子どももコントロールするのです。

話をすり替える、最後に謝るのは妻

妻が何か意見したいことややめてほしいことをモラハラ夫に伝えたとします。しかし、話し合っていると、いつの間にか話題がすり替わっていたり、最後は妻が謝らなければならない結果になっていることがあります。

モラハラ夫の多くは口がたちます。また、謝ったり、非を認めることをしません。そのため、何か自分が謝らなければならないことがあったとしても、話題をすり替え、妻の落ち度があるような結論にもっていくのです。

こんな経験が蓄積すると、妻としては、意見することすら無意味に感じ、不満やもやもやを貯めこむことになるのです。

モラハラ被害を受ける妻の特徴

周囲への配慮ができる

モラハラ被害者は、「夫がこう言うのには何かわけがあるのではないか」と相手の気持ちや状況を配慮できる、という特徴があります。

こういった配慮ができることは素晴らしいことなのですが、モラハラ行為を受け流したり、無視したりすることができず、真正面から受けてしまうことになります。

自己主張・もめごとが苦手

相手の意見に反論して言い争いになるくらいなら、自分の主張や考えは横に置いておいた方が気持ちが楽だという人がいます。このようなタイプの人が相手だと、モラハラ夫の言動はどんどんエスカレートしていきます。

モラハラ夫より立場が弱い

多くのモラハラ夫は、自分より偉い立場の人や権威に対しては従順に従ったりします。そのため、モラハラ行為の対象となる妻は、モラハラ夫より立場が弱いことが多いものです。例えば、学歴や収入などが、立場の優劣を決める判断材料になり得ます。

また、真逆のことですが、自分より学歴や収入が高い妻に対し、優位性を保つためにモラハラ行為が行われることもあります。

誰でもモラハラ被害者になり得る

いくつかモラハラ被害者になりやすい方の特徴を挙げましたが、大切なのは、「誰でもモラハラ被害者になり得る」ということです。

これまで、多くのモラハラ被害者の方の相談を受けてきましたが、見るからにおとなしくて優しそうな方もいれば、会社で男性と対等に(もしくはそれ以上に)働き、高収入を得ているようなしっかりした方もいました。

モラハラの怖いところは、毎日執拗に繰り返されることです。

どんなに気が強くて、どんなに社会的立場が強い人でも、毎日のように人間性を否定するような暴言を浴びせられては、自分らしや自信を失ってしまうのです。

気が強かったり、社会的立場が強い方に限って、「まさか自分がモラハラ被害にあうとは」という気持ちがあるため、モラハラ被害を受けていることに気付くのが遅れたり、最後まで気付けなかったりということがあります。

妻がたどる気持ちの変化

以上のようなモラハラ夫の言動に対し、妻の気持ちはどのように変化していくのでしょうか。以下に例を見ていきたいと思います。

円満修復への努力の段階

夫の気持ちを理解しようとする

交際当時から高圧的な男性もいますが、中には、結婚してからモラハラ行為に拍車がかかる人もいます。そのため、妻にしてみれば、昔の優しかった夫の姿が記憶に残っていたりするのです。

そのため、「夫が最近つらくあたるのは、仕事のストレスかもしれない」、「きっと前のように優しい人に戻ってくれるはず」と期待する気持ちが捨てきれません。もちろん、まだまだ愛情が残っている人もたくさんおられると思います。

夫の不満を解消しようとする

家事や育児について夫から文句を言われれば、それを直そうとし、夫から求められた約束は守ろうとするなど、まずは、夫の言う通りにして、夫の不満を解消しようとします。

そうすれば、夫のモラハラ行為は収束し、以前の優しい夫に戻ってくれるのではないか、という期待があるからです。また、いつも夫の顔色をうかがってびくびくしているような人にとっては、夫に従っているのが一番平穏で安全な選択肢だったりします。

接触を減らす

しかし、そのうち、いくら夫の要望に応えても、次から次に夫の不満が噴出し、「この人は、私が何をやっても気に入らないんだな。」ということに気付き始めます。

そうすると、次の段階としては、とにかくモラハラ夫との接触を減らすしかないと考えるようになります。夫が帰宅したら自室に戻る、夫婦だけの時間を作らないように子どもの寝かしつけと同時に自分も就寝する、といった具合です。

離婚への葛藤

自分があれこれと努力をしても、夫は変わってくれなかったという経験を経て、妻はようやく離婚を考えることになります。ただ、「離婚」の二文字が頭をよぎったからといって、簡単に離婚に進めるわけではありません。

以下では、妻が離婚を考える際、どのようなことがハードルになるのか、考えてみたいと思います。

経済的不安

モラハラ夫は、妻が社会に出ることをよしとしない傾向がありますので、専業主婦もしくはパート程度といった妻が少なくありません。そのような妻が離婚を考える際、一番心配になるのは離婚後の生活力のことです。

特に、子どもがいる場合、離婚後、自分の収入で子どもを育てていくことができるのか(本来、夫から養育費をもらうことができますが、モラハラ夫の妻は、養育費さえもらえないかもしれないという不安を抱いています。)、子どもに不自由させるのではないか、と不安になるのです。

親権を奪われるのではないかという不安

先ほど書きましたように、モラハラ夫は妻を家庭に拘束したがりますので、専業主婦やパート程度の妻が多いのが現状です。

そのため、法律的に考えれば、夫に親権を奪われる心配はないことが大半ですが、モラハラ夫は子どもを味方につけるのがうまいのが特徴です。また、日頃、モラハラ夫の言動に押さえつけられている妻にとってみれば、法律的には自分が有利であっても、夫の言うことが絶対なのではないかとの考えが根付いてしまっています。

そのため、夫に「出ていくならお前ひとりで出ていけ!子どもは絶対に渡さない!」と脅されると、その通りになってしまうのではと不安になるのです。

子どもへの罪悪感

モラハラ夫は、妻にはつらくあたりますが、子どもには優しいこともあります。また、子ども自身もパパに懐いていたり、パパが大好き、ということもあります。加えて、経済的にも離婚をしてしまうと、生活レベルが落ちることが目に見えています。

そのため、離婚によって父親を奪ってしまうことは、子どもに申し訳ないと思うのです。中には、「自分さえ我慢すれば、子どもを不幸にしなくて済む。」、「離婚を選択することは、自分の不幸を子どもに肩代わりさせるようなものだ」と思い詰めてしまう人もいます。

葛藤から離婚の決意へ

心身の不調を来す

そんな我慢を続けたとしても、そのうち、心身に影響が出始めます。毎日、夫に脅えて暮らすうちに、顔を見るだけで鼓動が激しくなってしまうとか、夫が帰ってくるドアの音を聞いただけで手が震える、といった症状が出てきます。

また、ふとした瞬間に涙が出てしまったり、不眠症になってしまう人もいます。

こうなると、さすがに限界です。このままでは、倒れてしまうのではないか、自分が倒れてしまえば、子どもはどうなってしまうのか、そういった気持ちから、離婚が少しずつ現実的になってきます。

子どもへの悪影響が見えたとき

最初は、子どもへの悪影響が心配で離婚できないのですが、ふとした瞬間に、「このままの生活では、余計に子どものためにならないのでは」と思う出来事が出てきます。

例えば、モラハラ行為が子どもにも拡大され、子どもが父親の言動に委縮しているような姿をみたときです。また、夫が子どもの目の前でモラハラ行為を行い、それを目の当たりにした子どもが辛い思いをしたり、泣き出したりすることもあります。

また、夫のモラハラ行為に耐え兼ね、笑顔をなくし、毎日憂鬱に過ごしている自分に気付き、こんな母親では子どものためにならない、と考えたりもします。

他人からの助言を得る

DVもそうですが、夫婦間のモラハラは、家庭の外には出にくいが故に、深刻化していくおそれがあります。

しかし、何かがきっかけとなり、行政の相談窓口や法律相談、カウンセリングや診療内科などに足を運ぶことができれば、第三者から「あなたのご主人はモラハラです」、「あなたは悪くありません。」、「離婚という選択肢もあります」といった色々なアドバイスを聞くことになります。

もちろん、もっと早い段階でこういった相談機関に繋がる人もいますが、多くは、一回の相談で決断できるものではありません。離婚が頭をよぎった初期段階で相談に行ったとしても、「でも子どものことがあるし・・。」、「でも、経済的な不安があるし・・。」と踏み切れないものです。

しかし、何度か相談をするたびに、客観的な意見を聞き、自分らしさを取り戻すことができたり、背中を押してもらうことができ、離婚を決意するに至るのです。

モラハラ夫との離婚の手順

では、以上のような経過をたどり、モラハラ夫との離婚を決意したとして、次はその手順についてご紹介したいと思います。  

ステップ1 夫に離婚の意思を伝える

まずは、夫に離婚の意思を伝え、夫の意向も確認しておきましょう。大抵の場合、夫は素直には離婚に応じません。もしくは、離婚には応じる素振りを見せたとしても、「親権は譲らない。お前ひとりで出ていけ」、「離婚はいいが、一人で子どもを育てていける証明をしろ」などと色々と難癖をつけます。

そのため、意思を伝えたとして、まともな話合いになることは期待できませんが、次のステップに進むためにも、一度はダメ元で離婚意思を伝え、相手の気持ちも聞く機会を持ちましょう。

ただ、相手に直接離婚意思を伝えることが、あまりにも心理的負担が大きかったり、身に危険が及ぶかもしれないという場合は無理をしないでください。そういう人は、ステップ1を飛ばし、次のステップ2に進んでいただければと思います。

伝えるシチュエーションのポイント

夫婦の話合いといえば、子どもが寝た後の深夜帯に自宅で、というイメージを持たれるかもしれませんが、それはあまり得策ではありません。自宅という密室では、何か危険なことが起こるかもしれませんし、それこそエンドレスになりかねません。

お勧めは、日中の時間帯のファミレスなど人目のある場所です。あらかじめ、「今週末の午後は空けておいてほしい、大切な話があるから」などと、アポイントを取っておくことで、話合いの枠組みがより明確になります。

ステップ2 別居の決意

前述のとおり、離婚を切り出したとして、離婚に応じてくれない可能性が高いですし、そもそも、まともに話合いができることはあまり期待できません。

なぜなら、モラハラ夫にしてみれば、これまで自分の思い通りだった妻が反旗を翻した形になり、許すことができないからです。いうなれば、飼い猫に噛まれたようなものです。

では、夫が離婚に応じてくれないとして、次に考えるべきことは別居です。以下で、別居がなぜ必要なのか、メリット・デメリットは何か、ということをお伝えしたいと思います。

別居が必要な理由

夫が離婚に応じてくれない場合、最終的には裁判離婚を選択するしかないのですが、その際、離婚を認めてもらうには、以下のような法定離婚事由が必要です。

法定離婚事由とは・・

一方が離婚に合意しない場合、協議離婚は成立せず、以下のような離婚理由を原因に離婚訴訟を提訴することになります。

  1. 配偶者に不貞な行為があったとき。
  2. 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
  3. 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
  4. 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
  5. その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。

モラハラの場合、5の「その他婚姻を継続し難い重大な自由があるとき」と言えるかとどうか、ということになります。

しかし、モラハラを主張するためには、夫のモラハラ的言動を日記に詳細に書き記したり、録音や録画をしたり、といったことが必要になり、モラハラはDVや不貞に比べて証明することが難しいと言われています。

それでは、法定離婚事由がなければ、いつまでも離婚できないかというと、そうではありません。そんなときにポイントになるのが別居期間で、ある程度の期間、別居が継続していれば、夫婦としては破綻していると認められ、離婚が成立するのです。

一緒に住んでいる間は、どんなに仲が悪くても、家庭内別居状態だったとしても、夫婦の不和による別居であることを認めてくれません。そのため、法定離婚事由がない場合、別居を始めないと、いつまでたっても離婚できない、ということになるのです。

そういった意味でも、離婚に応じてくれない夫に対してできることとして、別居を開始することは有効なのです。

別居のメリット

モラハラ被害者は、往々にして「自分らしさ」を失っている状態です。そんな状態で物事を考えても、考えがまとまらなかったり、本来の自分とは違う決断をしてしまうことがあります。

そんなときに役立つのが別居です。

心身ともにモラハラ夫から離れることで、本来の自分を取り戻すことができます。実際に、別居を実現した方々は口を揃えて、「こんなに楽なら、もっと早く別居すればよかった」と言います。

また、離婚の話合いに応じてくれる場合でも、同居のまま、モラハラ夫と離婚協議を進めるのは精神的な負担が大きかったりします。そのため、夫が離婚に応じてくれたとしても、別居の状態で離婚協議ができるメリットも大きいのです。

別居のデメリット

お子さんがいる方は特に、モラハラ夫が出ていく形で別居を実現するのがベストだと考えます。なぜなら、子どもの生活環境を変えずに済むからです。また、そもそも自分の自由になるお金がない場合、夫の同意なく別居をするのは難しいからです。

そのため、自分と子どもが出ていく形での別居は、子どもの生活面においても、金銭面においてもデメリットが多いということになります。

しかし、モラハラ夫が自分から家を出てくれることは期待してはいけません。夫と離婚したい、でも応じてくれないという場合、覚悟を決めて別居するしかないのです。

ステップ3 別居の具体的な手順

金銭面の算段(転居初期費用と婚姻費用)

妻に十分な収入があったり、実家から援助が期待できる場合は別ですが、専業主婦やパートの妻にとって、別居後の経済面も予想しておくことが重要です。

まず、転居のための初期費用ですが、転居となれば、引越し費用や敷金・礼金の支払、また、家具・家電の購入と多額の費用がかかります。地域や家賃にもよりますが、大抵の場合、50万円~100万円が必要となります。夫が出してくれることは期待できませんので、自分の独身時代の預貯金や両親に借りるなどして、工面の算段をしておきましょう。

次に、別居後の生活費としては、婚姻費用を考えておく必要があります。夫が離婚や別居に同意していない場合(もしくは、言い出せていない場合)、あらかじめ婚姻費用について話し合ったり、その上で合意することは困難です。

そんな場合は、夫の収入を把握した上で、算定表を参考にして、目安を知っておきましょう。その上で、自分自身の収入や蓄えなどを足して、収支の予測を立てておきましょう。

具体的な別居時期と別居先の決定

まずは何はともあれ別居先の住居を確保しましょう。具体的に動くことで、物事が前に進んでいく感覚を味わうことができますし、具体的な入居時期が決まれば、夫に伝えるにしても、覚悟が伝わります。

この際、パートや専業主婦の妻は信用力がありませんので、賃貸マンションやアパートを借りられないことがあります。そのような場合、両親に保証人になってもらったり、保証料を支払って保証会社に依頼することができます。

別居を夫に伝える

離婚を夫に伝えるのと同じことですが、まずは、夫に別居したい旨を伝え、話合いの場を持ちましょう。

ただ、離婚の場合と同様、「出ていくなら、子どもを置いてお前だけ出ていけ」、「お金はびた一文出さない」となることも多いので、解決するまで話し合うというよりは、別居の意思を伝えるのを主目的とし、理解や納得を得るのは諦めた方がいいかもしれません。

また、このときに大切なのは、「別居の時期」について伝えることと、別居後の生活費(婚姻費用)について話題にしておくことです。

ただ、繰り返しになりますが、婚姻費用について、離婚や別居に反対しているモラハラ夫がすんなり応じるとは考えられません。そうすると、金額面での合意に至るのは難しいので、次のステップ5に移ることになります。

ステップ5 婚姻費用や面会交流についての協議

別居が完了し、それをきっかけに夫が離婚に応じる気持ちになってくれればいいのですが、多くはそう簡単にはいきません。また、離婚協議を行うにしても、離婚が成立するまでの生活費が必要です。そのため、別居期間中の自分と子どもの生活費である婚姻費用と、夫が子どもに会うための面会交流について話し合う必要があります。

では、そういったことを話し合うとして、夫婦間での話合いが難しい場合の選択肢を以下に3つご紹介します。

家庭裁判所の調停

裁判所というと、とても手続きが難しかったり、弁護士への依頼が必須だと考える方もおられますが、そうでもありません。特に、婚姻費用を決めるための調停は、申立手続きもそんなに煩雑ではありませんし、まずは、弁護士に依頼せずに自分でやってみるという選択肢も十分にあります。

ただ、話合いに時間がかかる点や、裁判所に申し立てたというだけで夫との争いが激化しかねないというデメリットがあります。

弁護士に依頼する

弁護士に依頼するメリットは、何と言っても法的知識が豊富な専門家に全面的に味方になってもらえる点です。また、精神的なダメージが大きい人は、自分の代わりに夫と交渉してくれるという安心感も大きいと思います。

ただ、費用が100万円近くかかりますし、弁護士だからといって何でもかなえてくれるわけではありません(例えば、支払ってもらえる婚姻費用は、弁護士の有無にかかわらず、算定表をもとに算出されます。)。

ADR(民間調停)を利用する

ADRは、裁判外紛争解決手続きとよばれる民間の機関による調停手続きです。民間と言っても、法律に基づいて法務省に管轄されている点で安心感があります。

ADRを利用するメリットは、以下のようなものがあります。

・平日夜間や土日の利用が可
・オンライン調停が可
・弁護士の費用の10分の1程度
・法律の専門家による中立な立場での関与が得られる
(紛争性がそれほど高まらない)

一方、デメリットとしては、安価といえども、裁判所の調停に比べて費用がかかることが挙げられます。

ADRによる調停
ADR(調停)よくあるQ&A

ステップ6 離婚協議

別居が完了し、婚姻費用や面会交流について取り決められたら、次は離婚協議です。夫が離婚協議に応じてくれないことも十分に考えられ、その場合は当面別居を続けるしかないのですが、夫としては、離婚しているのと何ら生活状況が変わらないのに、通常養育費より高額になる婚姻費用を支払っているのがばかばかしくなってくるのです。

また、先ほど書きましたように、別居を継続していれば、そのうち裁判離婚が認められる時期がやってきますが、夫としても、高額な弁護士費用を支払い、裁判所で争いたくはないと考える人の方が多いのではないでしょうか。

そのため、すぐには無理でも、別居後、数カ月経過した時点で離婚協議が可能になる場合もあります。その場合の離婚協議の方法についても、別居時協議と同じく、裁判所・弁護士・ADRといった選択肢があります。

モラハラ夫との協議のポイント

第三者を挟む

モラハラ夫は、第三者を挟んでの離婚協議に断固として反対します。なぜなら、妻との二者関係においては、優位に立つことができるし、妻を自分の意見に従わせる自信がありますが、第三者を挟むことは、自分の優位性を損なわせることになるからです。

しかし、この二者関係から抜け出さない限り、対等な協議は期待できません。そのため、弁護士、裁判所、ADRなど、法的知識がある第三者を挟んでの協議を心がけましょう。

また、モラハラ夫は、家庭から一歩外に出れば、常識的な言動をすることが多いですし、社会的地位や権威のある人には素直に従う側面もあります。そういった意味でも、第三者を挟んだ話合いが功を奏すのです。

夫のプライドも大切に

離婚の際、いかにモラハラ夫がひどい夫であったのかを主張したくなりますが、モラハラ夫との離婚協議においては、夫のプライドを保つことも大切です。

モラハラ夫としては、第三者がいる場で、自分がいかにひどい夫であったかを主張され、妻子に捨てられるような経験になるのです。そうなると、「妻の言っていることは間違っている、自分はそんなつもりじゃなかった。」ということになり、離婚条件の話合いというより、同居当時の言動に関する話合いになってしまうのです。

そのため、そういった辛い経験に加えて、夫も頑張って仕事をしてくれていたことや子どもをかわいがってくれていたことを認め、感謝をした上で、それでも夫婦としてやっていく気持ちは一切ないことを明確に伝えましょう。

子どもの父親として認める

モラハラ夫と離婚が成立したら、今後は一切かかわりたくない、それが妻の本音だと思います。しかし、夫にしてみれば、離婚で子どもを奪われ、養育費だけ搾取される、という感覚になります(もちろん、妻にしてみれば、子どもを引き取って育てていくことの大変さ、それに比べて足りない養育費、という感覚になるのですが)。

また、子どもにとっても、離婚後も父親との関係が保たれる方が何かとプラスになります。そのため、面会交流をはじめ、夫が父親として子どもには必要な存在であることを伝えましょう。

モラハラに苦しむあなたへ

モラハラ妻の生活は、心身ともに疲弊し、その人の「自分らしさ」を奪っていきます。何らかの自衛策を見つけ、婚姻生活を続けるのも1つの選択肢ですし、自分らしさを取り戻すため、離婚を決意するのも1つの選択肢です。

どちらの選択をするのもあなた自身の決定ですが、是非、ご自身を大切にする決定をしていただければと思います。また、あなたは一人ではないということも覚えておいていただければと思います。精神的にどうしてもしんどいときは、我慢をせずに心療内科を受診していただきたいですし、法的なサポートが必要であれば、専門家を頼っていただければと思います。

問い合わせ

当センターでは、ご夫婦のお悩みに関するご相談やお話合いの仲裁をお受けしております。





制度をご説明させていただきますので、ご連絡先の電話番号及びご都合のよろしい時間帯をご記入ください。

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