離婚一般

子はかすがいではなく「災いの元」!?

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大胆なタイトルをつけてしまいました。今日は、新婚当時から夫婦の不仲が始まってしまったり、出産がきっかけで離婚に至るという話を書きたいと思います。

   1 夫婦仲はいつ悪くなるのか?

1-1 離婚までの婚姻期間

司法統計」といって、裁判所にはいろいろと興味深い統計がありますが、その中に離婚案件を申し立てた夫婦を婚姻期間別に集計した統計があります。
終局区分別婚姻期間

 

これを見ていただくと分かるように、何となく均等に分布していると思いませんか?みなさんは、どんなイメージをお持ちでしたでしょうか?「熟年離婚」という言葉がはやるくらいですから、ある一定の年齢になってからの離婚が多いというイメージをお持ちではなかったですか?また、「お互い好きで結婚したんだから、婚姻後すぐに離婚する夫婦は少ないのでは?」というイメージもあったのではないでしょうか?

しかし、現実には、この円グラフにあるように、新婚の方がむしろ離婚率が高いことが示されています。また、この統計は、裁判所に申立てがあった夫婦が前提ですので、そこに至るまでに既に「夫婦の不仲」は始まっているのです。

1-2 子どもが何歳のときに離婚?

また、子どものいる夫婦の離婚のうち、子どもの年齢別に統計を取ったものもあります。(厚生労働省 ひとり親世帯になった時の親及び末子の年齢)

これを見ていただくと分かるように、小学校に入るまでの小さいお子さんのいる夫婦の離婚が半数以上を占めており、もっと言うと、2歳までの乳幼児がいる夫婦の離婚率がもっとも高いともいえる結果が出ています。この統計は、未成年に限っての統計ですので、「子どもが成人してから離婚しました」という夫婦は入っていませんが、それでも、子どもの年齢が低い段階での離婚が多いことに驚くと思います。

   2 なぜ婚姻初期に不仲になるのか

2-1結婚してから分かること

今も昔も圧倒的に多い離婚原因は性格の不一致です。しかし、交際当時に既に性格が分かっているはずでは?という疑問を持ちたくなったりします。しかし、一緒に生活をしてこその発見や結婚をしてからでないと発生しない問題もあります。以下の例を見てみましょう。

夫 38歳 会社員
妻 38歳 パート

夫の主張:結婚して2年になります。お互い適齢期ということもあり、少し短めですが交際して約1年間で結婚を決めました。結婚前に「お試し」ということで、週末婚的にお互いの家で生活を共にしたりもしました。もう若くもないので、結婚生活に対する過度な憧れを抱くこともなく、ごく現実的な判断で結婚に至ったと思います。しかし、いざ結婚してみると、すぐにいさかいが起こるようになりました。

まずは、妻の家事の仕方についてです。妻は、9時~15時のパート勤務なので、時間的余裕があるはずです。しかし、平日はほとんど家事を行わず、週末にまとめて片付けてしまう主義なのです。なので、平日は、まともな夕食を作ってくれず、金曜に近付くにつれて、家の中が荒れていきました。

また、お互いの両親との関係でもギクシャクし始めました。妻の両親が、頻繁に自宅に顔を出しているようなのです。私としては、まだ子どももいないし、妻は仕事を持っているといってもパートだし、大人二人の生活に手助けはいらないと思っています。しかし、「梅干しを漬けたから」とか「観葉植物が部屋にあった方がいいと思って」などと言っては、何かを持って家に出入りするのです。一方、妻は私の両親とは極力接触を避けようとしているようで、私が両親の家に顔を出そうと誘っても拒否します。私の両親は、息子夫婦の生活に立ち入ってはいけないと思っているようで、自分たちからやってきたりはしません。そんな両親を見ていると不憫になり、妻に対する不満が募ってきました。

そろそろ年齢的にも子どもを作るかどうか判断するぎりぎりのところです。このまま流されるように子どもを作っていいものか、離婚が見えているのであれば、子どもを作らない方がいいのか迷ってしまいます。

このように、平日の生活態度やお互いの両親との関係というのは、結婚してから明らかになることが多いものです。また、「子どもを作るかどうか」という選択を迫られたときに、これまで放置していた夫婦不和について考えざるを得なくなることもあるのです。

2-2出産・育児は夫婦の危機

また、出産を機に不仲になる夫婦もとても多いものです。妻が仕事を持っている場合はなおさらですが、妻が専業主婦の場合にも、不仲になることがあるのです。

夫  32歳 会社員
妻  26歳 専業主婦
長女  0歳

妻の主張:私は子どもが大好きなので、妊娠が分かったときはとても嬉しかったです。夫もとても喜んでくれました。友達の中に出産経験者がいませんでしたが、「お祝い何がいい?」などと聞いてくれたり、祝福モードでいっぱいでした。私も、初めての出産・育児で失敗してはいけないと思い、育児情報雑誌などを買い、準備万端のはずでした。

しかし、いざ子どもが生まれてみると、私の生活は一変しました。夜は2,3時間おきに起こされ、まとめて寝ることは不可能です。育児の悩みを相談できるママ友もいないし、以前の友人も「子どもがいるから大変よね」と言ってランチなどに誘ってくれなくなりました。仕事で忙しい夫にも相談できませんし、そもそも、専業主婦である私が家事・育児を夫に手伝ってもらうのは主婦として怠慢だと思いっていました。心身ともに下り坂のときに、何をやっても子どもが泣き止まないときなどは、本当にこちらも泣きたくなります。何より辛かったのは、「子どもってかわいいわよね~。」「いつも子どもと一緒にいられて幸せね~」という周囲の雰囲気でした。何だか、子育てを楽しめない自分が悪いような気がしていました。

ついに耐えられなくなり、夫に相談しました。夫は理解を示してくれ、「僕もできることは協力する。」と言ってくれました。しかし、時々おむつを替えてくれたり、早く帰宅したときにお風呂に入れてくれるだけで根本的な解決には至りませんでした。「おまえは専業主婦なんだから」という考え方が根本にあることが言動から読み取れました。私はついに「産後うつ」と診断されるに至りました。そして、夫からは「少し実家に帰って休んできたら。」と言われました。つまり、お荷物になった私と子どもを実家に任せ、自分は何もしないということです。実家に帰ってからというもの、両親の助けもあり、体調も回復してきました。しかし、その間、夫は時折り電話をしてくるだけでした。離れていると情も育まれず、このまま離婚して実家で生活した方が楽なんじゃないかと思うようになってきました。

    3 結婚も出産もハッピーだけじゃない

結婚や出産は世の中的には「幸せ」なライフイベントとして捉えられ、マイナスの面が強調されることは少ないものです。しかし、実際には、結婚や出産といった大きな生活の変化そのものがストレスになりうるのです。

ここで、面白いデータをご紹介します。

順位 ライフイベント 順位 ライフイベント
配偶者の死 11 家族の健康上の変化
離婚 12 妊娠
夫婦別居生活 13 性的障害
拘留 14 新しい家族の増加
親族の死 15 仕事の再調整
個人のけがや病気 16 経済状態の大きな変化
結婚 17 友人の死
解雇・失業 18 転職
夫婦の和解・調停 19 配偶者との口論の変化
10 退職 20 200万円以上の借金

これは、ホームズという心理学者が作成した「社会的再適応評価尺度」というもので、大規模な調査によりストレスを点数化し、点数が高い(ストレスが高い)ライフイベントから順位を付けたものです。ストレスに関する勉強をしている人の間では比較的よく知られているストレス尺度です。この表から分かることは、結婚や出産というおめでたいイベントも、生活の変化の一因であり、それによるストレスを感じるということなのです。

まずは、結婚や出産は「幸せなもの」という認識から改める必要があると思っています。もちろん、幸せになれる可能性を多く秘めているわけですが、生活に大きな変化をもたらすイベントだということ、変化は「ストレスフル」なものだということについての認識が求めらるのです。

「結婚、出産。わぁっ、嬉しい」ということではなく、「大変だろうけど、きっと得るものも大きいはず。肩ひじ張らずにがんばろう。」という姿勢が大切です。

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