妻が夫のうつ病に気づくきっかけ5選

うつ病は、時点有病率が4~5%、生涯有病率が16%と言われています。この数字の通り、今やうつ病は誰しもかかりうる心の病といえます。

「もしかしたら、うちの夫はうつ病かもしれない…」そんな思いがよぎっているあなたは、以下のコラムを読んでいただければと思います。

そして、あてはまる項目が多かった方は、ぜひ夫と一緒に病院に受診してみてください。あなたや夫のしんどさが少し解消されるかもしれません。

 

うつ病とは

症状

うつ病は、脳のエネルギーが足りない状態だと言われていますが、実に様々な症状があります。以下にいくつかのよくある症状を紹介します。

気分が落ち込む

うつ病は、とにかく気分が落ち込んでしまい、以下のような感覚に陥ってしまいます。

  • 何をしても楽しくない
  • 何をする意欲もわかない
  • 気分が重い(もやもやする)
  • 倦怠感がある
  • 突然涙が出る

食欲がない

先ほど、脳のエネルギーが足りていない状態と書きましたが、体の栄養も十分に取れないこともあります。大好物が目の前に出てきても食欲がわかない、空腹感がない、お腹はすくけれど食べたいものがない、といった症状があります。

睡眠障害(眠れない・起きられない)

うつ病の特徴的な症状のひとつが「眠れない」という症状です。原因としては、脳が強いストレスで疲弊していると睡眠のリズムが崩れてしまうからだとも言われています。ただ、逆に、常に眠たくて日中も起きていられない、という症状が出る人もいます。

自分は価値がないと感じる

「どうせ自分なんて」、「全部自分が悪い」といった考え方になってしまい、ときには希死念慮がわくこともあります。

集中できない、考えがまとまらない

考えなければいけないことや決めなければいけないことがあるのに、集中して考えることができず、結論が出せなくなってしまう人もいます。

重症度の違い

うつ病は、症状の重さによって、軽症、中等症、重症に分けられます。典型症状の多さによって中等症と重症の区別がなされますが、単に症状の多い少ないだけではなく、症状の程度も重要です。重症ともなれば、一日中寝たきりのような状態だったり、声掛けをしてもほとんど無反応で返事をしてくれないといった状態に陥ることもあります。

逆に、軽症のうつ病は、通常の社会生活を送れることも多いので、周囲から気付かれないこともあります。そのため、受診や服薬が遅れ、症状が悪化したり、回復が遅くなってしまうこともあります。また、軽度うつだからといって侮れないと警鐘を鳴らす医師もいます。軽症が故に気力や体力が残っているので、自死してしまう人もいるからです。

うつ病の原因

環境要因(ストレス過多等)

喪失体験

家族や友人といった大切な人を離別や死別で失う経験をしたり、大切なもの(仕事や財産、健康など)を失う喪失体験は、大きなショックとなり、人から活力を奪います。

対人関係トラブル

家庭内で配偶者と関係が悪かったり、職場で上司や部下とうまくいかないという対人関係のトラブルも大きなストレス要因となります。

ライフステージの変化

結婚や出産といったおめでたいエピソードであったとしても、生活上の大きな変化はストレス要因となって、うつ病の原因になることがあります。

性格

義務感が強い、まじめ、完璧主義、几帳面といった性格の人は、大雑把で楽観主義の人に比べて、うつ病になりやすいと言われています。

その他

他の心身の疾患と合併症のような形でうつ病を発症する人もいます。また、遺伝的にうつ病になりやすい人がいることも分かってきていて、うつ病は様々な要因が絡み合って発症すると言われています。

 

妻が夫のうつ病に気付くきっかけ

「会社に行きたくない」、「仕事が辛い」と言い出した

仕事上の失敗、会社での人間関係のトラブル、昇進や降格といった人事関係など、仕事にはうつ病の原因となる要素がたくさんあります。

そのため、夫が「会社にいきたくない」、「仕事を辞めたい」と言い、実際に会社を休みがちになったことが原因で夫のうつ病に気付き始めたという妻は少なくありません。

お酒の量が増えた

お酒を飲まないと眠れない夫の様子を見たり、晩酌の量が増えることによって変化に気付く妻もいます。

よく眠れていない。朝、起きられない

例えば、夜中に目が覚めてトイレに行こうと思ったら、先に寝たはずの夫がリビングで起きていたということもあるかもしれません。逆に、朝、なかなか起きてこず、会社に遅刻する日が増えることもあります。

このような睡眠障害の場合、日常生活に支障をきたすことも多く、妻が気付きやすいポイントです。

無口になった、暴言を吐くようになった

いつもなら食事の際や食後のリラックスタイムに妻や子どもと色々な話をしたり、テレビを見て笑ったりしていた夫が、ふと気付くと口数が少なくなったことに気付くことがあります。

時には、無口を通りすぎて、不機嫌になったり、イライラした様子を見せることもあります。また、そのイライラした気分からとげとげした言葉を発したり、時には爆発して暴言を吐くこともあります。

妻としては、人が変わってしまったような夫を見て、一体夫に何が起こったのかと不安になってしまいます。

体調不良から回復しない

最初は体の不調から始まることもあります。風邪などの日常的な体調不良ではなく、入院や手術を伴う大きな病気になると、心身にかかるストレスは相当なものです。また、会社に迷惑をかけるのではないか、仕事を続けることはできるだろうか、といった焦りもあります。

そのため、体の不調だけではなく、心にも不調を抱えることになり、怪我や病気が治った後も、ずっと心の不調を引きずってしまうことがあります。

妻としては、夫の怪我や病気が治ってほっとしたのも束の間、いつまでたっても顔色が悪い、仕事に行けない(外出したがらない)、食欲が戻らないといったエピソードから異変に気付くことがあります。

まずは受診を

夫のうつ病を疑ったら、まずは受診するよう促してみてください。

夫自身も何となく「しんどさ」を感じていたとしても、誰かに相談したり、弱みを見せるのが苦手な男性もいます。そっと受診を促したり、受診に付き添うことで、ひとりではないことを伝えることができます。

ただ、生活はきれいごとでは済まされません。うつ病は本人もつらいですが、周囲の親族もつらいものです。

もしあなたがうつ病の夫と離れること(別居や離婚)を考えているのであれば、ぜひ以下のコラムもご参照ください。

うつ病の夫と離婚した方がいい7つのパターン
うつ病を理由に夫と離婚できるか
うつ病の夫との協議離婚を目指す場合の工夫

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