「親の離婚で子どもを傷付けないためにはどうしたらいいか知りたい」
「子どものためになる面会交流の方法を知りたい」
「子どもにどんな説明をすればいいか知りたい」
今日はそんな人にお勧めの動画を紹介します。
「離婚をめぐる争いから子どもを守るために」と「子どものための面会交流に向けて」というタイトルの動画です。
このビデオは裁判所が作ったものですが、 家裁を利用して離婚する人だけではなく、協議離婚する人も、もちろん見ることができます。是非、参考にしてみてください。
離婚をめぐる争いから子どもを守るために
このビデオは子どものいる夫婦が離婚や別居など、離れてくらす際に気を付けるべきことを説明したものです。以下で少し内容をご紹介します。
動画の内容
感情的・暴力的なけんかは子どもにみせない
離婚に至るまでの緊張状態は子どもに大きな影響を及ぼします。例えば、感情的になって声を荒げるような喧嘩や、暴力的なけんかを子どもに見せてしまうと、子どもの心に大きな傷を残すことになります。争っていると、ついつい冷静さを失いがちですので、注意が必要です。
子どもにきちんと離婚を説明しよう
子どもは、親から離婚について正しく説明を受けない場合、自分が悪いのではと考えがちです。また、これからどうなるのか、未来についても不安になります。多くの子どもは、きちんと説明してほしいと考えているということを忘れないようにしましょう。
子どもの父母として理性的な対応をしよう
離婚後も離れて暮らす親と良好な関係が保たれていると、子どもにとっては「双方から愛されている」という実感につながり、長い目でみて、より幸せな人生をおくることができます。
そのため、面会交流など、子どもが離れてくらす親と会えることや、夫婦が子どもの父母として冷静に協力体制を取れることが理想的です。
養育費は離れて暮らす親の関心や応援
養育費は、子どもの生活を安定させる大切なお金であると同時に、離れて暮らす親からの関心であり、応援の気持ちです。親の大切な責任として、冷静に話合いましょう。
親の離婚を経験する子どもの声
親の離婚に直面した子どもたちからは、様々な声が聞かれます。
「お父さんとお母さんは私が勉強しないことでいつもケンカしてたの。私のせいで離婚しちゃったのかな。」
「あの日、私が友達の家に泊まりにいっていなければ、お母さんも家出したりしなかったんじゃないかな。私が親の離婚を手助けしてしまったのかも。」
「突然お母さんから『引っ越すよ。』って言われて。学校のこととか友達のこととか心配なことがたくさんあったけど、お母さんも大変そうだったから聞けなかった。」
などなど、挙げればきりがありません。
また、言葉にはできなくても、同じような思いを抱えている子どももたくさんいることでしょう。親が思う以上に、子どもは親の離婚に悩み、傷付いています。
親の気持ち
一方、こういう子どもの親御さんにかぎって
「うちの子はしっかりしてるから、言わなくても分かってくれている」
「子どもの前でけんかしないようにしてたから大丈夫」
「あの子は鈍感なタイプだから、お父さんが単身赴任になったくらいに思っているのでは」
などと楽観的だったりします。
もちろん、家庭の状況やお子さんの性格は様々ですから、一概に「離婚=子どもが傷付く」というわけではありません。「両親がけんかする姿を見なくてすむからよかった。」と本当にほっとした表情で語る子もいます。
しかし、離婚が子どもに「変化」をもたらすのは事実です。そして、「変化」はストレス要因になります。
是非、お子さんの年齢や性格に応じた客観的な説明(「お父さんは、お母さんを捨てて家を出ていったのよ。」といった感情的な説明ではなく、「お父さんとお母さんは一緒にいるとけんかしちゃうから、別々に住むことにしたの。それで、〇〇ちゃんはお母さんと一緒にお引越しするけど、転校はしないから安心してね。」等といった客観的な説明です。)を丁寧にしてあげてください。
「分からないから不安だ」という気持ちがなくなるだけで、お子さんはずいぶん楽になるものです。
子どものケアのためには自分自身のケア
自分のことはさており、何はともあれ子どものことを第一に優先してしまうのが親です。ただ、離婚となれば、親自身も不安や怒りといった様々な負の感情にさいなまれ、精神的に不安定になることもあります。また、精神的な不調から体の不調につながることも少なくありません。
そのため、親族や友人などの身近な人でもいいですし、離婚カウンセラーなどの専門家でも結構ですので、まずは、自分の悩みを聞いてくれる相手を持ち、少しでもストレスを軽減する工夫をしてみてください。自分自身が健全でないと、子どもを幸せにはできないのです。
そのほかにも、親の離婚と子どもの心の関係についてはこちらをご参考ください。
子どものための面会交流に向けて
このビデオでは、面会交流の際に親御さんに注意してほしい点が説明されています。以下で内容をご紹介します。
動画の内容
子どもの予定を最優先で日程を考える
予め、面会交流の日時を決めていたとしても、子どもの体調や行事などによって、変更が必要な場合があります。
そんなときは、「決めた日時を守ること」にこだわりすぎず、子どもの予定や気持ちを優先しましょう。
相手の親の詮索をしたり、悪口を言わない
面会交流中に、「ちゃんとご飯は作ってくれているか」などと相手の養育を非難するような詮索をしたり、相手の悪口を言わないようにしましょう。子どもが純粋に面会交流を楽しめなくなってしまいます。
勝手に約束をしない
当初の約束事項にないことを決める場合、自分ひとりで判断せず、もう一方の親に確認をしてからにしましょう。例えば、子どもが「今度はお泊りしたい」と言った場合、すぐに「いいよ」と返事せず、「お泊りしてもいいかどうか、相談してみるね」といったような返事が理想的です。
行き過ぎたプレゼントをしない
高価なプレゼントやお小遣いを渡すことは、監護者や親権者の教育方針に反する場合があります。また、子どもにとってもよい影響とは言えません。
物やお金をあげるのではなく、子どもとの大切な時間をプレゼントしていただければと思います。
子どもに言付けをしない
「今月は養育費遅れるってママに言っておいて」とか、「養育費、まだなのってパパに聞いておいて」など、おとな同士でやり取りすべきことを子どもを伝達係にして伝えていないでしょうか。
そうすると、子どもは純粋に面会交流を楽しめなくなってしまいますし、親の狭間に立って、辛い思いをするかもしれません。
自分が相手に伝えにくいことは、子どもだって同じです。親が責任を持って連絡しあいましょう。
相手のことをしつこく聞かない
離婚したときの状況にもよりますが、相手のことが気になったり、子どもの養育環境が心配になったりして、ついつい子どもに聞いてしまうことがあります。
しかし、子どもは「これは話していいことなのか」と迷うこともありますし、「詮索されている」と感じて嫌な気持ちになることもあります。
面会交流時には、子どもが話したい話題を存分に話せるようにしてあげましょう。
笑顔で送り出すか、さりげなく送り出す
面会交流の送り出しの場面で、親が固い表情をしていたり、暗い顔をしていると、子どもは自分が面会交流に行くことを親はよく思っていないと感じます。
そのため、子どもが気持ちよくもしくは自然体で出掛けられるよう、例えば、お友達の家に遊びにいく際の送り出しのように、自然に振舞いましょう。
会いたくないと言うときはよく理由を聞く
子どもが「今日は行きたくない」とか、「もうパパ(ママ)には会いたくない」というときには、何か理由があります。
無理に行かせたり、逆に子どもの言うことをうのみにして面会交流を中止するのではなく、なぜ子どもが会いたくないと言っているのか、その理由を優しく聞いてみてください。
離婚後はビジネスライクに
相手が嫌になって離婚するわけですから、離婚後も何等かの関係を継続しなければならないのは気が重いものです。しかし、二人の間に子どもがいる限り、「子どもの父母」という関係は切ることができません。
夫婦のように仲良くする必要はありません。友人だと思う必要もありません。例えば、仕事の取引先の人をイメージしていただき、あくまで冷静にビジネスライクにやっていただければと思います。
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当センターでは、カウンセリングも実施しています。お子さんのことが心配で離婚を迷っているという方は、是非ご相談ください。