離婚一般

離婚に関する相談先一覧

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離婚の相談は、ニーズや状況によって相談先が異なります。相談先を間違ってしまうと、離婚の「入り口」から間違ってしまうことになり、相談後に不全感や不満が残ったり、間違った方向に進んでしまったりします。

そのため、以下では、相談のニーズ毎に相談先を紹介しています。ご自分のニーズに似ているものをクリックして、相談先をご覧になってみてください。

相談のニーズ

離婚するかどうか迷っている

離婚は人生の一大事です。簡単には相手への気持ちを断ち切れないこともありますし、離婚後の経済的不安が決断を躊躇させることもあります。

そのため、不貞やDV、もしくは借金やモラハラといった事情があったとしても、簡単には離婚を決断できないことがあります。また、その事情の複雑さ故、自分の気持ちすら分からなくなったり、整理できなくなったりします。

そんなときは以下の相談先が有効です。

心情面で迷っている

例えば、自分の気持ちが分からない、まだ相手への未練があるような気がする、離婚後ひとりでやっていけるか不安、子どもへの悪影響が気になるなど、離婚を迷っている理由が心情面にある場合、夫婦問題カウンセリングや離婚カウンセリングが有効です。

金銭面で迷っている

離婚後、自立してやっていけるかどうか心配という方で、母子手当等、公的な支援について情報を得ることで悩みが解決しそうな方は自治体の相談窓口が最適です。

また、離婚時にどのくらいの財産分与をもらえるのか、離婚後の養育費はいくらくらいか、そういった法律的なことが分かれば決断できそうな方は法律相談がお勧めです。

財産分与や養育費など具体的な法律事項が知りたい

いまや大抵のことがネット検索で情報収集が可能です。例えば、養育費について、算定表という目安があること、その算定表がどんなもので、自分たち夫婦の収入を当てはめるといくらくらいの養育費になるのか、そういった情報をすぐに収集できます。

また、財産分与についても、通常は夫婦の共有財産を2分の1ずつすることや、どういった財産が分与の対象になるのかといった情報は簡単に収集できます。

しかし、事情が少し複雑になると、法律家の専門知識が必要になってきます。

例えば、夫婦のどちらかが自営業者で養育費算定表に当てはめる収入認定が難しいとか、財産分与の中に含まれる不動産について、親が出した頭金はどう計算に入れるのかといったようなことです。そんな場合は法律相談が最適です。

母子手当など、離婚後の公的支援について知りたい

今やひとり親支援制度は、母子手当だけでなく、医療費や交通費、場合によっては家賃の補助制度があったり、教育費の貸付や学習支援など、公的支援が多岐にわたっています。こういった離婚後の公的支援について知りたいという場合は、自治体の相談窓口がお勧めです。

特に相談窓口のうち、母子父子相談、ひとり親相談といった名称の相談窓口がマッチすることが多いようです。そういった窓口では、離婚後の自治体の支援制度について具体的に教えてくれます。

多くの支援制度は所得制限がありますので、自分の所得を把握した上で相談に行くと、離婚後に受けられる支援制度が明確になるでしょう。

DVシェルターに入りたい

配偶者のDVから逃げたい、こっそり別居したいという方は、まずは自治体の相談窓口が最適です。自治体によって関係の相談窓口が複数ありますが、いずれの窓口に相談しても、保護施設やシェルターを管轄する課につないでくれます。まずはどこでもいいので相談してみましょう。

シェルターに入るかどうかは決断できていないけれど、パートナーの行為がDVにあたるかどうかといった相談や、気持ちを聞いてほしいだけといった相談は、自治体の相談窓口の中でも男女平等参画センターが実施している相談や女性相談といった相談窓口が適していると思われます。また、DV相談+(内閣府HPに移動します。)に電話やメールをする方法もあります。

離婚したいが相手が応じてくれない

相手が離婚に応じてくれないとして、心情面のアプローチや具体的な進め方について相談したい場合、離婚カウンセリングがお勧めです。

一方、離婚を進めるための法律面のアプローチ(裁判で離婚が認められるためには自分の場合何年間の別居が必要か、相手の〇〇の行為は有責性があるといえるか等)は法律相談がお勧めです。

離婚したくないのに相手から離婚を迫られて困っている

相手の気持ちやその本気度について客観的にアドバイスがほしい、離婚を避けられないとして、どのように話を進めていけばいいか、といった相談に関しては、離婚カウンセリングや夫婦問題カウンセリングがお勧めです。

一方、相手が勝手に出て行ってしまった際の婚姻費用の金額や、相手に有責性があるといえるか(即時の離婚を阻止できそうか)といった法的な相談は法律相談が適しています。

具体的な離婚(別居)の手順を知りたい

実は、意外とご相談が多いのが離婚や別居の「具体的な手順」についてです。養育費や婚姻費用といった個別の離婚条件についてはネット検索などである程度分かったとしても、いざ物事を進めようとすると、何からどんな風に手を付けていけばいいか分からないということになります。

例えば、どのように相手に切り出すのか、切り出すタイミングはいつがいいか、それまでに調べておいた方がいいことは何か、別居のタイミングは、別居は相手に告げてからの方がいいか、別居したとして、次は何をするのか、離婚協議はどのように進めるのか、枚挙にいとまがないくらい、実際の手順についての疑問が浮かんできます。

この「手順」はその人のおかれた状況によって千差万別で、誰にでも有効でベストな方法というのはありません。こういった場合は、離婚カウンセリングがお勧めです。

離婚は合意したが、何を決めればよいか分からない

離婚条件については、法律相談が適しています。ただ、一般的に決めておいた方がいい離婚条件については、ネット検索などである程度の知識を獲得することが可能です。まずは、「離婚条件 決めておくべきこと」等と検索してみて、基礎知識を得ておきましょう。

また、あまりもめそうになく、また、離婚条件も比較的シンプルな場合は公証役場に相談するという方法もあります。

離婚は合意したが、離婚条件でもめている

離婚条件で合意できない場合、残念ながら、相談窓口というより、実際に間に入ってくれる機関を探す必要があります。その機関によって、相談窓口が異なります。

家裁の離婚調停を利用

家庭裁判所の離婚調停を利用する場合、家裁の手続相談窓口が最適です。申立てに必要な書類や申立書の書き方等を教えてくれます。

弁護士に依頼

弁護士に依頼する場合、法律相談が適しています。できれば、複数の弁護士に相談し、安心して依頼できる弁護士を探しましょう。

ADR(民間調停)を利用

ADR(裁判外紛争解決手続き)による調停を利用する場合、まずは、離婚問題を扱っているADR機関を探す必要があります。そんなときは、法務省のかいけつサポートの検索画面(法務省のHPに移動します。)より、検索してみましょう。

その上で、それぞれのADR機関に問い合わせ、費用や手続きについて聞いてみましょう。

離婚条件は合意したが、公正証書の作り方が分からない

離婚条件は合意したけれど、どういった形で書面化しておけばいいのか分からないという場合があります。この場合、どのような条件を取り決めているかによって、最適な書面が変わってきますが、養育費や財産分与といった継続給付の取決めがあったり、不動産の名義を変更するような条件がある場合、公正証書の作成が適しています。

ただ、公正証書といっても日常的に聞かれる言葉ではありませんし、法律の知識がない人には作成が難しいようにも思われます。

しかし、公正証書自体は、公証役場にいる公証人が作成してくれますので、まずは、最寄の公証役場に相談してみましょう。

自分に代わって、相手と交渉してくれる人を探したい

自分に代わって相手と交渉してくれる専門家は弁護士のみです。まずは、複数の法律相談に出向いてみて、自分に合う弁護士に依頼しましょう。

裁判所を利用したいが、どうすればよいか分からない

家庭裁判所の手続相談や申立案内の係に相談してみましょう。自分のニーズにあった申立ての種類や申立書の記載方法を教えてくれます。

心身の不調を相談したい

眠れない、食べられない、すぐに涙が出る。こういった症状がある方は、まずは、自分の心身の不調を回復させることが先決ですので、最寄の心療内科や精神科を受診してみましょう。

病院に行くほどではないと思われる人は、離婚カウンセリングがお勧めです。自分の気持ちを聞いてもらうだけで、心の重荷を下ろせることがあります。

相談先一覧

夫婦問題カウンセリング・離婚カウンセリング

離婚カウンセリングや夫婦問題カウンセリングは、夫婦の問題に特化したカウンセラーが気持ちを聞いてくれたり、それに対するアドバイスをくれたりします。

離婚は誰かに決断してもらうものではなく、自分で決めるしかないのですが、まずは、他人に自分の気持ちや状況を話すことから始めてみてください。話すことで、自分の気持ちが明確になったり、整理されたりします。

離婚(夫婦問題)カウンセラーの探し方

カウンセラーの中には、自称カウンセラーが少なくなく、特に専門性がなかったとしても、自身の離婚経験等を元にカウンセラー業務を始めてしまう人もいます。そういった人の中には、ただただ聞いているだけを「傾聴」と間違えていたり、自分の価値観を押し付けるようなアドバイスしかしないカウンセラーもいます。

残念ながら、安心して相談できるカウンセラー一覧のようなものがなく、ネット検索だけではどのカウンセラーが優れているのか判断できないことがほとんどです。

そのため、カウンセラーを探す一つの目安として、以下を紹介します。

・公認心理士や臨床心理士などの公的な資格を持っている
・行政機関の相談員や講師を務めている
・独自のカウンセリングルームがある

このようなカウンセラーが必ずしも良いカウンセラーというわけではありません。ただ、一定の専門知識があることや、落ち着いて相談できる環境が保証されていると言えます。

相談できること

夫婦問題カウンセリングや離婚カウンセリングでは、まずは、自分の状況や気持ちを話すことから始めてみましょう。話すことで、自分の頭の中が整理されることがありますし、気持ちも落ち着きます。

その上で、具体的な質問をしていくことになりますが、以下に、当センターでよく聞かれるご相談項目を記載します。

・こんな理由で離婚していいのか
・子どものためには離婚しない方がいいのか
・離婚のベストなタイミングとは
・相手にどのように切り出せばいいか
・別居の具体的な手順を教えてほしい
・相手の性格は治るか
・これはDVなのか

要注意なカウンセリング

高額な紹介先

昨今、カウンセリングに行ったら、相談の中で高額な探偵や弁護士を強引に紹介されたという苦情が後を絶ちません。特に無料カウンセリングを行っている団体に対する苦情が多く、中にはNPO法人も含まれます。NPO法人と聞くと何だか安心してしまうのですが、それが思うつぼだったりするのです。本当にボランティア精神で無料のカウンセリングを行っている団体や人もいるかもしれませんが、無料には何か理由があると心得えた方がいいいかもしれません。

修復や離婚を確約するようなカウンセリング

HPに「離婚請負人」とか「修復率99%」などとうたっているカウンセラーがいますが、いかがなものでしょうか。夫婦関係に「絶対」はなく、離婚や修復を確約できる人なんていないはずです。また、その人が離婚や修復を望んでいるとしても、客観的な観点からその人の幸せを一緒に探すのが本来のカウンセラーの仕事のはずです。悩める心に付け入るようなキャッチフレーズには注意が必要です。

自分の離婚経験を売りにしているカウンセラー

夫婦問題カウンセラーや離婚カウンセラーの中には、離婚経験がある人が少なくありません。きっと、自分の辛かった思いや後悔した経験から、同じ境遇にある人の力になりたいと考えるからだと思います。もちろん、それ自体は悪いことではないのですが、中には、自分の経験が全ての尺度で、偏った見方しかできないカウンセラーがいます。夫婦関係は十人十色、客観的にアドバイスできないカウンセラーに相談しても、あまり参考にはならないでしょう。

自治体の相談窓口

全国の自治体には、窓口の名称は様々ですが、離婚に関する問題を相談できる窓口があります。例えば、「家庭相談」、「DV相談」、「ひとり親家庭相談」といった窓口です。多くの場合、市役所や区役所の子ども家庭課(自治体によって名称は異なりますが)に設置されていますが、福祉課や市民課といった課が担当していることもありますし、男女平等参画センターを管轄する課が担当していることもあります。

また、一つの自治体にいくつかの相談窓口があることも多く、どこに相談すればよいのか、迷ってしまうこともあります。以下に、ご参考までに自治体の相談窓口の特徴や相談できることなどを記載します。(自治体が実施している法律相談については、「法律相談」のカテゴリーでご紹介します。)

自治体の相談窓口の種類

自治体によって、担当課が異なったり、相談窓口の名称が異なるのですが、以下のような特徴があります。(あくまで傾向としてご参考ください)

男女平等参画センター

自治体の男女平等参画センターでは、女性相談やDV相談といったDV絡みの相談窓口が設置されています。男女平等参画センターの相談窓口の特徴は、役所の相談窓口に比べて融通が利くことが多い点です。例えば、土日の相談が可能だったり、電話での匿名相談が可能なことが多いようです。

また、相談員についても、何らかの資格を有していたり、専門的な研修を受けているなど、専門性が高いことが多いようです。

ただ、実際にシェルターなどの保護施設を管轄しているのは役所、ということも多いので、今すぐ家を出たいというような相談に対しては、役所の窓口をリファーされることになります。

ひとり親家庭相談

いわゆる母子手当やひとり親関係の各種支援を管轄している課の窓口相談では、実際の手当について具体的に相談することができます。相談担当は職員のこともあれば、母子・父子自立支援員が担当することもあります。

離婚後の就業支援など、主に「離婚後」の経済面の相談にのってくれるのが特徴です。

家庭相談

自治体によって管轄の部署が異なるのですが、いわゆる「子ども家庭課」が担っていることが多いのが家庭相談です。家庭相談は、DV等の相談はもちろん、夫婦関係や家族のことを幅広く相談できるのが特徴です。相談員は特に何の資格も持っていない職員のこともあれば、家事調停委員が担当していたり、婦人相談員が担当していたりと様々です。

自治体の相談窓口の特徴

無料

自治体の相談窓口はいずれも無料というのが大きな特徴です。中には、予約制で託児もしてくれる相談窓口もあります。金銭的な余裕がない方や、気楽に気持ちを聞いてほしいという方は是非利用してみるといいでしょう。

法律相談へのリファー

自治体の相談窓口の特徴として、多くは、「その場での解決」を目指すものではないということです。例えば、DV相談でシェルターに入りたいとか、離婚後、母子手当がいくらになるか知りたいといった明確な相談については解決型の相談になりますが、多くは、自治体の法律相談や法テラスなど、法律相談にリファー(紹介)することが多いようです。

東京23区の相談窓口の紹介

以下に東京23区の相談窓口を掲載しています。東京23区にお住まいの方は、ご自身の区の相談窓口をチェックしてみてください。

中央区
千代田区
文京区
港区
新宿区
品川区
目黒区
大田区
世田谷区
渋谷区
中野区
杉並区
練馬区
板橋区
豊島区
北区
台東区
墨田区
江東区
荒川区
足立区
葛飾区
江戸川区

中央区

ひとり親家庭・女性相談・家庭相談
子どもと子育て家庭の総合相談
ブーケ21(中央区立女性センター)の女性相談

千代田区

MIW相談室(千代田区男女共同参画センター)
ひとり親相談・女性相談

文京区

母子・父子・女性相談
男女平等センター相談室
文京区配偶者暴力相談支援センター
子どもと家庭に係る総合相談

港区

家庭相談・ひとり親家庭相談・女性相談
リーブラ相談室(心のサポートルーム)

新宿区

ウィズ新宿綜合相談
DV相談
家庭相談
ひとり親相談

品川区

家庭相談
女性相談員による総合相談

目黒区

女性のための相談
ひとり親家庭相談

大田区

DV相談ダイヤル
男性相談ダイヤル
パートナーの暴力に関する相談
男女平等推進センター「エセナおおた」の家庭・女性に関する相談

世田谷区

女性の悩み事・DV相談
家庭相談

渋谷区

女性相談・家庭相談
アイリス悩み事何でも相談

中野区

ひとり親家庭相談
女性相談

杉並区

家事相談
男女平等推進センター一般相談

練馬区

身の上相談
ひとり親家庭総合相談窓口

板橋区

家事相談
ひとり親相談
DV専門相談・いたばしI(あい)ダイヤル

豊島区

ひとり親家庭相談・女性相談・家庭相談

北区

女性相談
ひとり親相談

台東区

はばたき21相談室
たいとうパープルほっとダイヤル
家庭相談
母子父子女性相談

墨田区

DV相談窓口
家庭相談

江東区

家庭相談
母子父子相談
婦人相談
女性のなやみとDV相談
男性DV電話相談

荒川区

ひとり親・女性相談
家庭相談
こころと生き方・DVなんでも相談

足立区

一般相談
女性相談(DV相談)・男性DV電話相談のご案内
豆の木相談室

葛飾区

女性に対する暴力相談(DV相談)

江戸川区

DVについての相談窓口
ひとり親相談室すずらん

法律相談

一口に法律相談といっても、複数の種類があります。法律相談はあくまで一方的な相談であって、相手との交渉を依頼することはできませんが、一定の知識の獲得に役立ちます。以下でご紹介しますので、ご自身のニーズにあった法律相談の窓口を選択してください。

自治体の法律相談

ほとんどの自治体では、予約制の法律相談を行っています。無料で受けられる上に、住まいの近くで相談を受けられるメリットがあります。一方で、相談は1人につき30分まで等と制限がある場合が多く、十分に相談できなかった、という声もよく聞かれます。

また、平日の日中の時間帯のみ予約可能な自治体も多いので、仕事が休めない方には難しいかもしれません。

そのため、平日の日中でも時間が自由になり、ファーストステップとして利用してみたいという方にお勧めです。

法テラスの法律相談

法テラスの法律相談は、一定の収入条件(クリックすると法テラスのHPに移動します)を満たせば、無料で相談することができます。法テラスの相談の場合、1つの問題につき3回まで相談できるというメリットがありますが、離婚問題に詳しい弁護士が相談にのるとは限らないのがデメリットです。

弁護士事務所の法律相談

それぞれの弁護士事務所でも法律相談を実施しています。最近は、事務所に出向いての相談以外にも、電話やオンラインでの相談が可能なところも増えていますし、自治体の相談窓口より時間に融通が利くというメリットもあります。以下では、弁護士事務所を選ぶ際のヒントについて記載します。

無料相談か有料相談か

法律事務所の相談は、無料のところもあれば、1時間5千円~1万円程度の相談料がかかるところもあります。

中には、無料相談しか選択肢にない人もいますが、それはちょっともったいないようにも思います。と言いますのも、弁護士が無料相談を受けるのは、最終的に依頼につながる可能性があるから、という理由があります。

そのため、無料の法律相談において、「この人は依頼に繋がらないな」と判断すると、適当にあしらったり、誠実に相談に応じてくれない弁護士もいます(もちろん、どんな場合でも親身に相談にのってくれる弁護士もいますが。)

あまり無料・有料にこだわらず、自分のアンテナにひっかかった弁護士のところに足を運んでみてはいかがでしょうか。

離婚に強い弁護士の探し方

弁護士に相談したい、依頼したいと考えたとき、一番困るのが「どうやって探せば、いい弁護士を見つけられるのか」ということです。

「いい弁護士」の定義が人それぞれ異なるのが難しいところですが、まずは、自分の気になるキーワードで検索してみましょう。

例えば、近隣の弁護士で手軽に相談できる人がいいという方は、「お住まいの地域名 離婚弁護士」といった検索ワードが適しています。

また、女性の方が相談しやすいと思われる方は、検索ワードに「女性弁護士」を加えるといいでしょう。

はたまた、DVケースに詳しい弁護士、精神疾患に強い弁護士等、それぞれのニーズに応じて検索してみるといいと思います。

ただ、web情報だけでは分からないこともたくさんありますし、いくら有能な弁護士であっても、自分とは気が合わない、何だか態度が横柄で気分が悪い、といったこともあります。

そのため、面倒でも実際に動いて複数の法律相談に出向いてみることが近道かもしれません。

離婚弁護士の探し方と依頼のタイミング

家庭裁判所

何らかの理由で夫婦だけでは離婚協議が整わない場合、家庭裁判所を利用することができます。以下に家庭裁判所を利用するメリットとデメリットを記載します。

家裁を利用するメリット

家事調停委員が間に入ってくれる

家裁の調停を利用すると、家事調停委員を介しての話合いとなります。そのため、相手と直接交渉する必要がなくなり、心的な負担がなくなります。特に、相手が明らかに理不尽な主張や法律と大きく乖離した主張をしているときなどは、調停委員から「法律上は」という説明もしてもらえるので、利用するメリットが大きいと思われます。

費用が安い

家裁の調停といえば、弁護士に依頼しなければいけないので費用が高額になると思っている人もいますが、家裁の調停は弁護士に依頼せず、自分ですることもできます。その場合、必要な費用は申立時の数千円程度です。

家裁を利用するデメリット

長期化する

家庭裁判所の調停は、1カ月に1回程度(時には1カ月半もしくは2カ月に1回程度)のペースで期日が開かれます。そのため、最終的な解決まで半年もしくは1年かかったという話も珍しくありません。

離婚協議中は心理的にも疲弊しますので、長期化するのは家裁利用の大きなデメリットと言えます。

紛争性が高まる

本来、家裁の調停も「話合いの場」であることに変わりはないのですが、やはり裁判所のイメージは固く、裁判所から期日通知を受け取った相手方の気持ちは穏やかではありません。

何となく、自分が悪いと責められているような気がしたり、「そっちがその気ならこっちも」と戦闘モードになる人が多いようです。

穏便に話し合えばまとまる話もけんか腰では合意できなくなってしまいます。

裁判所の利用方法

以上のようなメリット・デメリットをふまえ、離婚調停を申し立てたい、婚姻費用や面会交流の調停を申し立てたいといった場合、まずは最寄りの家庭裁判所の総合案内に電話をかけてみましょう。そうすれば、手続き案内やもしくは適した窓口に電話を回してもらうことができます(最寄の家庭裁判所は、裁判所のHP(裁判所のHPに移動します)から検索することができます。)。

また、各種調停の申立書をダウンロードすることもできますので、オンラインで調達した申立書を郵送で送れば、一度も裁判所に足を運ぶことなく申立てを完了することもできます。

各種申立書のダウンロードはこちらから(裁判所のHPに移動します)

ADR(民間調停)

ADR(裁判外紛争解決手続)は、民間の調停機関です。夫婦ふたりだけでは話合いができないけれど、裁判所で争うのはちょっと・・・、という方のご利用がお勧めです。以下に、ADRのメリットとデメリットを説明します。

ADRのメリット

利便性

ADRは民間の機関ですので、公的機関の家裁の調停に比べ、利便性があります。例えば、平日の夜間や土日の利用が可能であったり、メール連絡が可能、オンライン調停が可能といった点が挙げられます。

早期解決

ADRによる話合いの場合、期日の間隔は当事者のニーズによって自由に決定することが可能です。そのため、1週間に1度話し合うこともでき、早期解決につながります。法務省のHPの記載によりますと、平均の利用期間は3カ月とのことです。

弁護士費用より安価

ADRの機関により、それぞれ費用が異なりますが、多くの場合、最終的な解決までにかかる費用として、弁護士費用の10分の1程度で済む場合が多いようです。

ADRのデメリット

強制執行ができない

ADRの合意書は執行力がないため、合意した内容が守られなかったとしても、すぐに強制執行の手続きに進むことができません。そのため、改めて、合意書と同内容の公正証書を作成する必要があります。ただ、公正証書の作成までサポートしてくれるADR機関もありますので、利用の際に確認してみるといいでしょう。

費用がかかる

先ほど、ADRを利用するメリットとして、弁護士費用に比べて低価格であることを挙げましたが、弁護士に依頼せず、自分で家庭裁判所を利用する場合に比べて、多少の費用がかかる点がデメリットです。そのため、時間をかけてじっくり話し合いたい、その際、あまり費用をかけたくないという方には不向きかもしれません。

ADR調停 よくある質問
離婚の新しい方法 ADRによる調停

公証役場

公証役場の探し方

公証役場は、全国各地にあり、公証役場一覧(日本公証人連合会のHPに移動します。)から最寄の公証役場を調べることができます。

その上で、自宅や職場の近くなど、出向きやすい公証役場を調べ、まずは電話にて離婚公正証書を作成したい旨を伝えましょう。

その時点で、離婚や離婚条件について概ね合意を取っていれば足り、きちんと文章化しておく必要はありません。電話、メール、来所など、公証役場指定の方法で連絡を取りながら、公正証書原案を完成させていきます。

公証役場HPの活用

公証役場のHPには、離婚専門のページがあり、有用な情報が掲載されています。特に、主な離婚条件について記載されているQ&Aのページはお勧めです。

専門家に依頼するという選択肢もあり

公正証書を作成するまで、少なくとも1~2回は公証役場に足を運ぶ必要があり、最後の作成日は夫婦がそろっている必要があります。

そのため、自分で公証人とのやり取りをする手間や時間をかけられないという人や、夫婦そろって公証役場に行きたくない、平日は仕事があって公証役場に行けないという方は、弁護士や行政書士に依頼することも可能です。

費用的には弁護士が10万円程度、行政書士が5~10万円程度が相場です。また、費用を安くすませるためには、専門家に添削のみ依頼するという方法もあります。

公証役場の手数料

公正証書を作成する際、公証役場に手数料を支払う必要があります。公正証書に記載する内容によって手数料が異なってきますが、2万円程度~6万円程度が多いようです。

詳細については、公証役場の手数料表を見ると多少の目途が付けられます。

心療内科や精神科

離婚問題は生活の根幹を揺るがす一大事です。そのため、適応障害、うつ病、双極性障害、PTSD、不安障害といった様々な精神的な問題を抱えることがあります。

残念ながら、離婚専門の診療内科もしくは精神科というのはありませんが、離婚問題はメンタル不調を引き起こす大きな要因の一つでもあるため、特に「離婚専門」でなくても心配はありません。

また、医師による診療のほか、公認心理士や臨床心理士によるカウンセリングも利用できる病院もあります。カウンセリングは保険適用でない場合がほとんどですが、薬による治療だけでなく、心理療法なども受けてみたい方にはお勧めです。

また、近隣の方が通いやすいと思われる方もいれば、少し離れた地域の方が安心して通えるという人もいます。それぞれのニーズに合わせて、まずはweb検索してみましょう。

弁護士の検索の場合と同様、お住まいの地域をキーワードに入れたり、「家族問題」「夫婦問題」などのキーワードを加えてみるのもひとつの方法です。

離婚相談のススメ

離婚問題は、多くの方にとって、初めてのことばかりです。ひとりで悩まず、是非、他人を頼ってみてください。思わぬ情報が得られたり、ぐっと気持ちが軽くなったりします。

ここでは、専門家や行政の窓口を紹介しましたが、まずは、周囲の友人や親族に相談してもいいかもしれません。何より、ひとりで抱え込まないことが大切です。

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