ADR調停

離婚の新しい方法、ADR調停活用例

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今回は、どのような場合にADR調停が利用できるのか、また、ADR調停でどんな内容を話し合うことができるのかについてお伝えします。

実際にご利用になられた方、現在ご利用中の方の声も了解いただいた上で掲載しています。是非、ご参考にしていただければと思います。

離婚条件の協議

夫婦ともに離婚には合意しているけれど、財産分与や慰謝料など、離婚条件についての協議ができていない場合があります。

そんな場合にADR調停を利用することもできます。

離婚協議ができない理由は様々ですが、例えば次のような理由が考えられます。

法的知識がない

voice
離婚に際し、一体どんなことを決めておけばいいのか、また、相場や妥当な線はどのあたりなのか、といったことが分からないため、誰かのアドバイスがほしいと思った。ただ、弁護士に依頼すると、対立構造となるため、公平・中立な立場で仲介してくれるADR調停を選んだ。

夫婦の一方が協議に応じない

voice
相手は、離婚には応じると言っているものの、何となく億劫なようだった。そのため、話合いをしようとすると、無視されたり、はぐらかされたりして、結局話合いができないままでいた。そこで、ADR調停という話合いの場を設けることで、相手に決断を促すことにした。相手は、家裁の調停を嫌がっていたので、ADR調停に応じてくれないと家裁に申し立てると言ったところ、同意してくれた。

夫婦の一方の立場が弱い

voice
夫は高圧的で荒っぽい性格なため、二人きりで話合いをしても、言いたいことが言えないと感じていました。そのため、誰かに間に入ってもらいたいと思っていました。

離婚そのものに合意がない

夫婦が同時に離婚したいと考えている場合もあれば、「離婚したい」と思う時期がずれてしまったり、そもそも、一方が一貫して婚姻継続を望んでいる場合もあります。

そんな場合にもADR調停が活用できます。婚姻に対する自分の思いというのは、意外と相手には伝わっていないことがあります。

「こんなに嫌だと思っているのに、なぜか気付かない振りをされる。」

「うまくやっていると思っていたのに、突然離婚を切り出されて、びっくりしている。」

こんなときは、ADR調停で冷静にお互いの気持ちを伝えあうことが有効です。その結果、どうしても離婚にも関係修復にも至らない場合、別居という形で合意することも可能です。

別居に関する合意ができない

一方が離婚したいと思っていても、他方がそれに応じてくれない場合、「突然別居」につながることがあります。

別居についてはこちらも参考にしてください。
突然別居と相談別居、望ましいのはどっち?

しかし、出ていかれる方としては、「会社から帰宅すると自宅はもぬけの殻、妻子の居場所も分からず。」といった状況に陥るリスクがあります。

また、出ていく方にしても、勝手に出て行った手前、婚姻費用(生活費)をもらうことが困難になってしまいます。また、その後の離婚協議に関しても、穏やかな話合いが見込めなくなってしまいます。

voice
私は離婚を望んでいましたが、夫は応じてくれませんでした。ただ、子どもに険悪な夫婦関係を見せるのも嫌だったので、せめて別居できればと思っていました。もちろん、夫は別居にも反対でしたので、無断で家を出るしかないと思っていましたが、今後の父子関係のこともあり、なるべく穏便に進めたいと思っていました。そこで、ADR調停を利用することにしました。現在、別居期間中の生活費のこと、子どもと夫の面会交流のこと、離婚に向けての再協議の時期などを話し合っている最中です。夫は、当初、ADR調停に乗り気ではありませんでしたが、勝手に出ていかれて子どもに会えなくなるくらいなら、と応じてくれました。

突然相手の弁護士から書面が届いた

突然、相手が弁護士に依頼し、その弁護士から離婚条件や「今後は当職を通してください」といった内容の文書が届くことがあります。

この段階で慌てて弁護士のところに駆け込む人もいますが、それが経済的にできない人、もしくは心情的にしたくない人もいます。

一方で、相手には弁護士がついているのに、自分にはついていないというのは「不利になるのではないか」と心配にもなります。

そんな場合もADR調停で解決できることがあります。ADR調停では、大抵、弁護士に相談できる制度があるからです。

離婚テラスでも、元裁判官の弁護士と家事事件に詳しい弁護士の2名に相談役をお願いしています。そのため、どちらか一方のために弁護はしてくれませんが、「調停や裁判になればこうなる」という一般的な相場や法的解釈についてアドバイスを聞くことができます。

少しでも有利に離婚したい人には向きませんが、「妥当な線で合意したい」という人にはお勧めです。

家裁の調停まではしたくない

夫婦での話合いが難しいけれど、一方で、次のステップである家裁の調停には躊躇してしまうという人も多いようです。そんな場合、もう少し気楽な前段階としてADR調停を利用することができます。

平日の日中に時間を作れない

家裁の調停は、必ず平日の日中です。しかも、2、3時間はかかります。往復の時間も考えると、半日は空けておかなければなりません。そのため、仕事や育児の関係で、平日の日中に時間を作れない方は、家裁の調停になかなか踏み切れません。

ADR調停であれば、平日の夜間や休日も実施が可能ですので、この点に最大のメリットを感じる方も多いようです。

年配の調停委員に対する不信感

調停委員に対する不信感もまだまだ根強いようです。

現在は、調停委員の研修制度も充実しており、また、勉強熱心な調停委員も多いため、昔のように「奥さん、一回くらいの浮気、男の甲斐性だと思って許してやってよ。」なんて発言する調停委員はいなくなりました。

しかし、やはり、離婚の専門家ではありません。また、多くの人にとって、年代が合いません。そのため、「あやふやな知識や昔の感覚で上から説得されるのでは。」と不信感を抱く人が少なくないのも事実です。

この点、ADR調停であれば、離婚に特化した専門化が調停者を務めますので、チンプンカンプンなやりとりをしなくて済みます。

大げさなことはしたくない

家庭裁判所という場所自体にプレッシャーを感じたり、「そこまではしたくない。」と感じる人も多いようです。

早く結論を出したい

家裁の調停は、長期化が懸念されますが、ADR調停では、頻度を自由に設定できますので、早期に問題を解決することができます。

弊社は海外駐在員の方のご相談も多いのですが、一時帰国の際に、離婚協議や離婚の手続を済ませてしまいたいという方がいます。また、お子さんの進学の関係など、いろいろな事情で話合いの期限が決まっている人たちにとって、先の見えない家裁の調停は使い勝手が悪いようです。

不倫に関する話合い

相手の不倫が発覚した際、みなさんならどうするでしょうか。

裏切られたショックや悲しみ、怒り、目の前が真っ暗になる感覚、いろいろな負の感情と向き合うことになります。

しかし、これまでの婚姻生活、子どものこと、将来の生活への不安、相手のことをまだ好きだと思う気持ち、そんなことが頭をよぎり、離婚という結論を出すのはそう簡単ではありません。

一方で、大きな裏切り行為をすんなり許す気持ちにもなれないものです。

そんなとき、夫婦間誓約公正証書を作成するという方法があります。

夫婦間誓約公正証書についてはこちらはご覧ください。
みんなが知らない不倫の決着の付け方

夫婦間誓約公正証書では、不貞行為があったことを認め、二度と同じ過ちを犯さないこと、万が一同じことがあった場合、今度は離婚に応じること、その際に支払う慰謝料の金額などを記載するのが一般的ですが、慰謝料の金額等でもめることもあります。

そんな場合は、夫婦間誓約公正証書を作成するかどうかも含め、その内容についてADR調停で話し合うことが可能です。

弁護士に依頼したくない

夫婦間の協議がうまくいかない場合、相談する相手として一番最初に思う浮かぶのは弁護士だと思います。そして、実際に、調停や裁判になった際、強い力を発揮するのが弁護士ですが、色々な理由で弁護士への依頼を躊躇する人がいます。

そんな場合、「誰に相談するのか」、「誰に間に入ってもらうのか」が問題になりますが、このような状況にも対応できるのがADR調停です。

過去の経験上

「これまで、複数の弁護士に相談に行きましたが、みんな言うことが違い、何を信じていいか分からなくなりました。」

「慰謝料を取るつもりはなかったのに、『とことんやりましょう』と言われその気になった。でも今は後悔している。」

「離婚を決意してから来てください、とあしらわれた。」

このような過去の経験から、夫婦での話合いが難しくても、弁護士には依頼したくないという人がいます。

そんな場合、弁護士の代わりに調停者が間に入ることによって、夫婦のみでは解決できなかった問題を前に進められることがあります。

金銭的な余裕がない

弁護士を依頼すると費用が高くつきます。その専門性や強い解決力を考えるとごもっともな価格ではあるのですが、それでなくても物入りな離婚の時期に、弁護士費用を捻出できない人もいます。

そんな場合もADR調停がお勧めです。ADR調停は、弁護士費用に比べて低価格に設定されていることがほとんどです。

特に、法務省の認証を受けているADR機関の場合、「営利目的ではない」ということを確認されます。

弊社のADR調停でも、都度利用料のような料金体系を取っていますので、最初に何十万円というお金がかかったり、一旦払ったら後に戻れないということもありません。いつでも、だれからでもやめることができます。

大体の相場ですが、弊社の場合、4,5回の期日で何等かの結論が出ることが多いので、それをご夫婦で半分ずつ負担してもらい、一人5万円前後となることがほとんどです。

争いたくない

長く連れ添った相手との離婚、子どもの父母として関係が続いていく相手との離婚、自分に非がある離婚など、色々な事情でなるべく争わずに解決したいと考える方にとって、弁護士に依頼するのが躊躇されることがあります。

voice
僕と妻は事あるごとに意見が食い違い、けんかを繰り返してきました。お互いに疲弊し、離婚もやむなしと考えていますが、長年連れ添ってきた情や感謝もあります。なるべく穏便に話を進めたいと思っていたため、夫婦で時間をかけて話し合ってきましたが、やはり、これまでと同様、意見が一致しないことばかりでした。そのため、弁護士に依頼するしかないのかと思っていたところ、ADR調停のことを知りました。まだ妻には切り出していませんが、是非利用してみたいと考えています。

まとめ

以上、ADR調停の利用例について書いてきました。

ただ、耳慣れないADR調停という言葉に「?」マークがたくさんつく方もおられる思います。興味はあるけれど、疑問もたくさん、という方、是非下記フォームよりご質問ください。

また、弊社ADR調停については、こちらをご覧いただければと思います。

ADR調停は、知らないと損をするくらい、いろいろなメリットがあります。是非、選択肢の一つに入れてみてください。

弊社以外にも離婚についてADR調停ができる機関があります。お住まいの地域やニーズに合った機関をお選びいただければと思います。

法務省認証機関 かいけつサポート機関一覧より

認証紛争解決事業者名 取扱う紛争の範囲 事務所の所在地 連絡先電話番号
一般社団法人 日本産業カウンセラー協会
ADRセンター
JCN6010405001009
労働関係紛争
夫婦関係等に関する紛争
東京都港区新橋6-17-17 御成門センタービル6階 (03)3438-4568
一般社団法人 日本産業カウンセラー協会
中部支部ADRセンター
JCN6010405001009
労働関係紛争
夫婦関係等に関する紛争
愛知県名古屋市東区葵3丁目15番31号住友生命千種第3ビル1階 052-618-7830
一般社団法人 日本産業カウンセラー協会
関西支部ADRセンター
JCN6010405001009
労働関係紛争
夫婦関係等に関する紛争
大阪府大阪市中央区本町1丁目4番8号エスリードビル本町8階 06-6271-9495
一般社団法人 日本産業カウンセラー協会
東京支部ADRセンター
JCN6010405001009
労働関係紛争
夫婦関係等に関する紛争
東京都渋谷区千駄ヶ谷四丁目2番12号菱化代々木ビル4階 03-6434-9130
公益社団法人 家庭問題情報センター
東京ファミリー相談室(代表:理事 山崎 宏征)
JCN1013305001743
夫婦関係等に関する紛争 東京都豊島区西池袋二丁目29番19号池袋KTビル10階 (03)3971-3741
公益社団法人 家庭問題情報センター
大阪ファミリー相談室(代表:理事 富澤達)
JCN1013305001743
夫婦関係等に関する紛争 大阪府大阪市中央区内本町一丁目2番8号 TSKビル9階903号室 (06)6943-6783
公益社団法人 家庭問題情報センター
名古屋ファミリー相談室
JCN1013305001743
夫婦関係等に関する紛争 愛知県名古屋市千種区内山三丁目28番6号マンション森4階D号室 (052)753-4340
埼玉県行政書士会
行政書士ADRセンター埼玉
JCN9030005001362
夫婦関係等に関する紛争
相続に関する紛争
自転車事故又は自動車の物損事故等に関する紛争
敷金返還等に関する紛争
埼玉県さいたま市浦和区仲町3丁目11番11号 (048)833-1132

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    相談内容
    ヒアリングの方法
    ヒアリングの希望日時平日及び土日の10時~20時でご予約が可能です。ただし、平日18時以降及び土日はご予約が混みあうことが多いため、お急ぎの方は平日日中の時間帯も候補日に入れていただけますようお願いします。
    ADRの申立ては以下のURLをクリックの上、申立てフォームの入力をお願いいたします。
    https://rikon-terrace.com/petition/

    なお、ADR実施について、相手方様の同意を取れていない等、進行についてご不安がある場合は事前のカウンセリングをお勧めしております。カウンセリングは、本問い合わせフォームの「カウンセリングの申込」よりお進みください。ADRの制度に関するご質問は、以下にご記入ください。
    ADRの制度上に関するご質問
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