離婚の相談の中で語られることが多いのが「不倫」の話題です。
相談者のみなさんは、疲れ切ったような、諦めたような口調で、そして、ときには、少し苦笑いをしながら、相手の不貞行為について語ります。
そんな語りに耳を傾けながら感じるのは、「ここにたどり着くまでの道のりは大変だっただろうな。」ということです。
夫や妻の裏切りがちらちらと目の前をよぎったときの不安な胸の高鳴り、裏切りが決定的になったときの絶望感、最初は信じられない、信じたくない、という気持ちが先行することと思います。
そんな絶望の中でも、みなさん必死に考えます。
「一体、この後どうすればいいのか。」ということを、です。
今日は、相手の不倫が分かったときのよくある2つの選択肢と、意外と思いつかない1つの選択肢と工夫について書きたいと思います。
不貞についてはこちらも参考にしていただければと思います。
夫や妻の浮気が発覚したときに行う5つのステップ
知らないふりをして夫婦関係を修復する
相手の不倫が分かったからといって、すぐに嫌いになれるわけではありません。
相手の気持ちが離れていることが分かると、余計に追いかけたくなる心理も働きます。
そのため、配偶者の裏切り行為が初めてであった場合、また、不倫の程度があまり著しくなかった場合(一夜の過ちなど)など、見て見ぬ振りをする人もいるでしょう。
離婚を決断する
どうしても相手の不倫が許せないこともあります。
最初のショック状態から立ち直った後にやってくるのは、怒りの感情です。
また、頭では相手のことを許したいと思っていても、気持ちが前に進んでくれないこともあります。
不倫の現場を見てしまったり、メールのやりとりを見てしまった人は、何かのひょうしに思い出してしまうものです。
また、妊娠中の不倫や、自宅に連れ込んでの不倫など、一度きりだったとしても許しがたい不倫もあります。
そんな場合は、慰謝料をもらって離婚するという人も少なからずいるでしょう。
離婚を考え始めたときにご参考いただきたいのがこちらです。
ラストワンチャンス修復
そして、どうしても迷いが捨てられない人にお勧めなのが、「ラストワンチャンス修復」です。
すぐには許す気持ちになれないけれど、かといって離婚も決断できない。そんなときに有効です。
読んで字の如しですが、「こんど同じことをやったら離婚するからね」という最後のチャンスを与え、夫婦関係の修復を試みるということです。
相手の不倫が発覚しても、「一度きりなら許せるかもしれない」、「子どものためにも修復したい」という気持ちもあるでしょう。
ただ、1度あることは2度あるのが不倫です。
そんなとき、「1度目の不倫で離婚しておけばよかった。」と後悔しないためにお勧めなのが「夫婦間誓約(契約)の公正証書」です。
つまり、「不貞をしてしまって、すいません。もう2度としません。今度したら離婚に応じます。その場合は慰謝料を〇〇万円支払います。」といった内容の公正証書を作成しておくのです。
確かに、夫婦間の契約は、いつでも取り消せるという法律があります。そのため、公正証書を作っていたからといって、必ずしも書いてある通りになるとは限りません。
しかし、あるとないとでは、全然違います。調停や裁判になった際に強力な証拠となります。また、何より、心理的な効果が期待できます。
離婚には踏み切れないけれど、簡単には許したくないという人にはぴったりです。
また、不倫をしてしまい、許してもらえない場合にも有効です。ちゃんとするからもう一回チャンスをください、という気持ちをきちんと書面に残すことで、相手の納得を引き出せる可能性があります。
公正証書と言えば、離婚の際に作成するものというイメージがありますが、こんな使い道もあるのです。
離婚テラスでも、ラストワンチャンス公正証書の作成を行っております。気になった方は是非ご相談ください。