未払い養育費の催促の方法(裁判所で取り決めた場合)

まずは自分で請求

養育費を裁判所(調停・審判・裁判)で取り決めている場合、万が一支払いが滞ったとしても、強制執行の手続きをとることができます。しかし、お勧めは一旦は自分で請求してみることです。

離婚した相手に催促の連絡をするのは気が向かないという方もいると思います。しかし、突然に裁判所から何らかの督促の連絡が来るというのはとてもびっくりしますし、相手は身構えてしまいます。

目的は、相手を驚かせたり、不愉快にさせることではなく、継続的な支払いを促すことです。ですので、まずは、穏やかな雰囲気で請求してみましょう。

ただ、請求の仕方を間違えると、感情を拗らせたり、相手の反感を買ってしまい、最終的に「養育費の円滑な支払い」という目的が達成できなくなってしまいます。ぜひ、以下のコラムをご参考ください。

未払い養育費を督促する際の6つのポイントと文例

 

履行勧告

自分で請求してもダメな場合の次の方法として考えられるのが家庭裁判所での履行勧告です。

直接、地方裁判所で強制執行の手続をとれる点は公正証書と同じですが、家庭裁判所の調停、審判もしくは裁判で養育費を取り決めた場合、家庭裁判所にて「履行勧告」という手続を取ることができるのが特徴的です。

履行勧告とは、家庭裁判所調査官が「義務者」と呼ばれる支払う側の相手に手紙や電話で連絡を取り、「いつまでにいくら支払ってくださいね。」というような督促をする制度です。

履行勧告は、電話一本で依頼することができて、とてもお手軽ですが、反面、強制執行と違い、強制力がないのが難点です。

ただ、裁判所という権威ある第三者から催促されることで、支払いが再開することもありますので、まずは履行勧告を試してみましょう。

強制執行

口約束のみでは強制執行ができませんが、ADRや家庭裁判所の調停・審判等で債務名義を獲得した後であれば、強制執行の手続きは、地方裁判所にて行いますが、思っている以上に煩雑で簡単ではありません。以下では、手続きの過程でつまづきそうな2点についてお伝えします。

相手の住所

まず、一番最初に確認しておかなければいけないことは、相手の住所です。強制執行の手続きのためには相手の住所が必要ですので、相手が転居してしまって把握していないという場合は、調べるところから始めましょう。

市区町村によって必要書類は異なりますが(例えば、養育費を取り決めた公正証書等)、元妻が養育費の強制執行を目的としている場合、元夫の住所を開示してもらえることがほとんです。

差押債権目録の作成

次に、どんな財産に対して執行するのか(どんな財産を指し押させるのか)、ということを明らかにしなければなりません。既に、相手の勤め先や預貯金口座を把握していれば問題ありませんが、離婚から何年も経っていると、それさえも不明なことがあります。

その場合、「財産開示手続き」や「第三者からの情報取得手続」を経て、差押え先を明らかにしていきます。しかし、言うは易し行うは難しで、時間と手間がかかります。

例えば、財産開示手続を経ても相手が財産を開示しない場合、第三者からの情報取得手続にて預貯金の口座を検索していくことになりますが、金融機関1機関につき、4千円の手数料が必要になります。全くどこの金融機関かが分からない場合、かなりお金がかかりますし、タンス預金だと空振りに終わってしまうこともあります。

第三の請求の方法、ADRとは

自分で催促するのはちょっと気が引ける、でも、強制執行の手続きも大変そう・・。そんな方にお勧めなのがADRです。ADRは民間の調停機関がお二人の協議を仲介します。

ADRによる調停(仲裁・仲介)
ADR調停(仲裁) よくある質問

養育費の未払いでお悩みの方はぜひ一度LINE相談にてご相談ください。