離婚と子ども

養育費が支払われないときの完全マニュアル!

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今回は、養育費が支払われないときの対応について、「養育費をどのように決めたか。」という取り決め別に考えていきたいと思います。

養育費の基本について知りたい方はまずこちらを読んでみてください。
幸せ養育費のすすめ
養育費における勝ちとは

どんな決め方でもまずは自分で請求

口約束の場合、公正証書を作成した場合、調停で合意した場合など、どんな決め方をしたとしても、一番最初にとってもらいたい督促の手段は「自分で請求」です。請求の方法は、電話でもメールでも手紙でも何でも構いません。とにかく、まずは自分で請求してみてください。というのも、突然裁判所から何らかの督促の連絡が来るというのはとてもびっくりしますし、不愉快にもなります。目的は、相手を驚かせたり、不愉快にさせることではなく、継続的な支払いを促すことです。ですので、まずは、穏やかな雰囲気で請求してみましょう。

1-1 督促の例文

「いつも養育費の振込ありがとうございます。毎回大事に使わせてもらってます。ただ、3月と4月の振込みがなく、不安に思っています。〇〇さんも住宅ローンやお義母さまの介護費用で大変だと思いますが、私たちにとっては、とても大切な生活費です。今後は、遅れることなく振り込んでいただけるとありがたいです。また、どうしても遅れるときは、せめて事前に連絡をいただけるようお願いします。3月と4月の養育費については、塾の月謝の支払いがある5月15日までに入金していただけないでしょうか。よろしくお願いします。連絡お待ちしています。」

1-3 督促のポイント

①日ごろの感謝の気持ち
②何月分が未払いなのか
③振込がなく不安で生活に困っていること
④相手の事情にも理解を示す
⑤遅れるときは一言連絡がほしい旨
⑥未払い分をいつまでに支払ってほしいのか、そしてその理由

1-3 避けたい文面

「養育費の支払いがないのですが、どういうことでしょうか。至急支払ってください。もし支払ってくれないときは法的措置をとります。」

ダメポイントは、先ほどの請求文明例のポイントと反対のことなのですが

①いつから不払いか明記されていない(支払う側は意外と分かっていません。)
②責め口調もしくは上から口調
③最初の請求なのに法的措置に言及
④「至急」とのみ書いていて期限が明記されていない
⑤感謝の気持ちや相手の状況を慮る文面がない

繰り返しますが、請求の目的は、相手に文句を言ったり相手を言い負かすためではありません。あくまで、スムーズな支払いを促すのが目的です。是非、感情に負けず、理性的な文面を心掛けてください。

それでも支払いがなかった場合には、再度自分で連絡します。その際は、少し文調を強め、もし支払いがない場合は以下の手段をとるつもりであることを記載してください。

口約束で養育費を決めた場合の催促の方法

離婚の際、単なる口約束で養育費の金額を決めたけれど、そのうち支払われなくなってしまったという人もたくさんいると思います。口約束にすぎませんので、自ら請求をしたところで、しらを切られることも十分あり得るところです。でも、まずは原則どおり、自分で催促してみましょう。

家庭裁判所の調停

自分で催促してもダメな場合、次は家庭裁判所に養育費の調停を申し立てることになります。調停の場では、口約束と言えども、きちんと約束したことを主張してください。また、定期的に相手から一定額が振り込まれていたことがわかる通帳があれば、資料として写しを提出するのもいいかもしれません。

調停で合意に至らなかった場合は、自動的に審判という手続きに進みます。審判になれば、裁判官が適切と思われる金額を決めます。それでもまだ支払いがなかった場合に、はじめて強制執行の手続を地方裁判所で取ることができるようになります。

ADRによる調停

自分で催促するのはちょっと気が引ける、でも、家庭裁判所で争うほどでもない。そんな方にお勧めなのがADRです。ADRは民間の仲裁機関がお二人のお話合いを仲介してくれます。話合いの結果、合意に至ることができれば、その内容を合意書や公正証書に作成しておくことが可能です。

ADRによる調停(仲裁・仲介)
ADR調停(仲裁) よくある質問
ADRごご利用者様のお声

協議離婚書で養育費を取り決めた場合

協議離婚書で取り決めた場合も、残念ながら直接強制執行等の手続をとることはできません。請求の手順は口約束の場合と同じで、まずは自分で催促、それでもだめならADRや家裁で請求ということになります。ただ、口約束の場合と違うのは、離婚協議書を証拠として提出できることです。

離婚公正証書で養育費を取り決めた場合

離婚の際、養育費の金額や支払われなかったときは強制執行ができる旨を公正証書にて取り決めた方は、調停や審判を経ることなく、直接、地方裁判所で強制執行の手続をとることができます。

民事執行が改正されて以降、強制執行がとても現実的になりました。これまでは、公正証書や裁判で取り決めていても、結局相手の勤務先が分からない、どこの金融機関に財産を預けているのかわからないという場合は強制執行ができませんでした。

しかし、現在は、地方裁判所を通じて勤務先や口座のありかを検索できるようになりました。

養育費の強制執行が現実的にー改正民事執行法ー

ただ、いきなり強制執行はやはり避けていただければと思います。まずは、自分で催促、それがだめなら強制執行の手続きを取りましょう。

家庭裁判所の調停もしくは審判で取り決めた場合

直接、地方裁判所で強制執行の手続をとれる点は公正証書と同じですが、家庭裁判所の調停や審判で養育費を取り決めた場合は、家庭裁判所にて「履行勧告」という手続を取ることができるのが特徴的です。
履行勧告とは、家庭裁判所調査官が「義務者」と呼ばれる支払う側の人に手紙や電話で連絡を取り、「いついつまでにいくら支払ってくださいね。」というような督促をする制度です。履行勧告は、電話一本で依頼することができて、とてもお手軽ですが、反面、強制執行と違い、強制力がないのが難点です。ですので、家裁調査官が履行勧告をしたけれど、義務者が支払わないときは、それ以上、何もできないのです。ただ、強制執行をする前のステップとして利用する人も多く、「履行勧告に応じてくれなければ強制執行をするつもりだ。」という言葉に恐れをなし、任意に支払ってくれる義務者も一定数います。

強制執行は万能か

一番強制力が高く、確実に履行を確保できるのが強制執行ですが、その強制執行とて万能ではありません。先ほどお伝えしたように、改正民事執行法により、以前より格段に現実的になりました。たあ、いくら実際に儲かっていても、自営の場合は給料を差し押さえるのは難しいでしょうし、不動産なんかも親に名義を変えられてしまったりすると競売にかけることができません。強制執行ができるから大丈夫!と高をくくっていると、困ってしまうかもしれません。

養育費の取決めと催促の三原則

ここまで、養育費が支払われなかった場合の催促の方法について、取り決め方別に見てきました。それぞれの取り決め方によって、催促の仕方が違うのがお分かりいただけたでしょうか。結論としては、次の3つのことが言えると思います。

①手間のかからない方法で決めると不履行になった場合が大変
②どんな場合でも、まずは自ら請求してみる
③相手に取るべき財産がない場合は、強制執行をしても無駄

請求する方だって、「いきなり強制執行をしたら怒らせるのでは?」「給料を差し押さえたら会社に居づらくなるのでは?」「直接請求したら怒鳴られそうで怖い」「でも本当に生活が苦しい」など、いろいろなお悩みを抱えていることと思います。この記事が少しでもそんなみなさんのお役に立てればと思います。

余談ですが、とても大切なことを最後にお伝えしたいと思います。
養育費の請求を子どもからさせるのはやめましょう。養育費は、子どものためのお金ではありますが、大人同士の約束ごとですから、子どもを巻き込むのはよくありません。「パパ(ママ)は養育費を払ってくれなかった。僕(私)のことはどうでもいいんだ。」と思いながら成長するのもかわいそうです。

早く離婚したいがために「養育費はいらない!」と言ってしまったことを後悔している方は、こちらも参考にしてください。
「養育費はいらないから離婚して!」を後悔しているあなたに。

当センターでは、養育費に関するご相談やお相手との協議の仲介もお受けしております。ご予約は以下のフォームよりお願いいたします。





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