不貞

不貞の証拠、本当に必要ですか?

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夫(妻)の不貞が疑われる際、真っ先に「証拠を取らなければ」と考えがちですが、一概にそうとも言えません。今回は、どのような場合に不貞の証拠が必要になるかをお伝えしたいと思います。

慰謝料請求をしたい

離婚時に夫(妻)や相手の女性(男性)に慰謝料請求するために証拠を収集することが考えられますが、この場合も以下のような注意点を知っておくことが必要です。

慰謝料は思ったほど高額ではない

不貞の慰謝料は思っているほど高額ではないのが現実です。相場は50万円~300万円程度と言われていますが、100万円前後が多いようです。そのため、証拠を取るために探偵に依頼したり、訴訟で請求するために弁護士に依頼したり、といった場合は費用対効果も検討する必要があります。

裁判までするつもりがあるのか

いくら確かな証拠を持っていたとしても、相手が慰謝料の支払いに応じるとは限りません。例えば、「不貞は認めるが、その原因はそちらにもあるから慰謝料は払わない」なんて理不尽なことを言い出すかもしれません。もしくは、不貞は認めたとしても、金額で合意できないかもしれません。

そんな場合、適切な慰謝料を支払ってもらうためには、裁判をするしかありません。しかし、裁判となれば、弁護士費用がかかりますし、心身ともに疲弊することもあります。

そのため、自分では有効な証拠を掴むことができず、慰謝料請求のために探偵に依頼する場合、相手が慰謝料の支払いに応じないなら訴訟までするつもりがあるのかどうか、自問自答していただければと思います。

時効は3年

不貞による慰謝料請求は、不倫・浮気の事実があったことを知り、その加害者が誰であるかを知ってから3年以内に行なわなければなりません。 そのため、「今すぐには離婚しないけれど、我慢できなくなって離婚する際には慰謝料請求したいので、予め証拠を取っておく」という人は、注意が必要です。

離婚理由として主張したい

相手が離婚に応じてくれない場合、不貞がなかったとすると、ある一定年数の別居期間を経なければ、離婚裁判をしても離婚が認められません。

しかし、相手が不貞をしていれば、特に別居期間がなかったとしても、離婚理由ありということで、裁判になれば離婚が認められます。

そのため、相手が不貞を認めなかったり、離婚に応じなかった場合に備えて証拠を取っておくことが考えられます。この場合の注意点を以下にご紹介します。

離婚を急ぐ必要はあるか

相手が不貞を認めず、離婚に応じてくれなかったとしても、別居をすることは可能です。そして、別居期間中は婚姻費用を請求することができ、妻が夫に請求する場合、大抵は離婚後の養育費より婚姻費用の方が高額だったりします。

そのため、高い費用を払って不貞の証拠を掴み、急いで離婚を迫るよりも、婚姻費用をもらいながら、相手が(婚姻費用の支払いが)嫌になって離婚に応じてくれるのを待つという方法もあります。

裁判までするつもりがあるか

慰謝料請求の場合と同様、いくら証拠があったとしても、相手方が離婚に応じない場合、裁判をするしか離婚の道はありません。しかし、離婚裁判となれば時間もお金もかかります。それでも離婚のために裁判をするし、その際に確かな証拠が必要だという方は、探偵に依頼し、証拠を確保しておきましょう。

相手の女性(男性)と別れさせたい

実は、探偵に不貞調査を依頼する人の過半数が離婚目的ではなく、修復目的です。証拠がないとごまかされてしまったり、その結果、不貞相手と別れてくれないことを懸念し、証拠を掴んだ上で、その証拠を配偶者に突き付け、相手との別れを要求するのです。

しかし、これは本当に有効な方法でしょうか。

一旦は別れてくれるかもしれませんが、証拠を突き付けられなければ別れてくれないような相手とその後も円満にやっていけるでしょうか。

相手との関係を切ってもらうために証拠を集めるというやり方もありますが、その有用性についてはよく考えていただければと思います。

まとめ

相手を信じていればいるほど、浮気をされたショックは大きく、そのショックは「自尊心の崩壊」を招きます。

そして、相手を信じたいと思いながらも証拠を探してしまったり、許したいと思っても気持ちがついていかなかったり、自分の心がコントロールできなくなったりもします。

そんなとき、相談した先で「まずは証拠を押さえましょう」と高額な探偵を紹介され、その先の証拠の使い道もよく考えずに依頼してし
まう人もいます。

しかし、証拠の要否を突き詰めて考えることなく調査を依頼してしまうと、見たくない現実を目の当たりにして傷付いたり、無駄にお金だけがかかってしまったりということになります。相手の不貞を疑ったら、少し冷静になり、よく考えてから行動するようにしましょう。

配偶者の浮気についてはこちらも参考にしてください。
夫(妻)の浮気を疑ったらまず最初にすること

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