不貞

夫(妻)の浮気を疑ったらまず最初にすること

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配偶者の不貞を疑ったとき、あなたならどうしますか?まずは、本人に詰め寄りますか?こっそり証拠を集めますか?それとも、ショックで何もできないでしょうか。実は、この選択が結構大切なのです。

一番最初にすべきこと

自分が本当に離婚を決断できるか考える

配偶者の不貞を疑ったとき、一番大切なことは、「もし浮気が本当だったら、自分はどうしたいか。」と考えることです。不貞の確認行動に移る前に、「自分は相手が不貞をしていたら離婚を決断できるか。」という難問を解決しなければいけません。「とにかく、浮気が本当かどうか、はっきりさせよう」という考え方は、後で自分を苦しめることになります。浮気は確認したけど、離婚にも踏み切れないという苦しい状態に陥るからです。結婚生活を継続するのであれば、少しもやもやするけれど、「もしかしたら自分の勘違いかもしれない。」という逃げ道があった方が断然気が楽です。

離婚が決意できれば、次は証拠集め

配偶者の浮気が本当であれば、迷わず離婚するという場合、次のステップは証拠集めです。証拠集めが済むまでは、けして配偶者に気付いていることを悟られてはいけません。証拠隠滅のおそれがありますし、関係がギクシャクしたまま同居が長引くのは、精神衛生上よくありません。ただ、配偶者の不貞を知りながら、うわべは仲のいい夫婦を装うのはとても疲れるものです。信頼できる友人に話を聞いてもらったり、カウンセリングに通うなどし、適度なガス抜きが必要です。

離婚が決意できなければ、忠告でとめておく

配偶者の不貞を知ったからといって、簡単に離婚を決断できるものではありません。多くの人は、「それでもまだ好き」という気持ちを抱えて悩むことになります。そんな場合は、無理に決断を下さなくても大丈夫です。ゆっくり自分の気持ちと向き合えばいいのです。ただ、不貞の疑いについては、放置できません。今ある証拠を確保した上で、配偶者にこう言いましょう。「なにかやましいことをしているなら、すぐにやめてほしい。」と。もし、あなたと婚姻生活を継続していく意思があれば、きっと不貞はなくなるはずです。忠告を受けてもやめる気配がなければ、いよいよ真剣に離婚を考えるときです。

探偵に依頼するという選択

家裁調査官時代にも、証拠として出された探偵の報告書を幾度となく目にしました。また、今の仕事をしていると、探偵会社から直接営業されたりします。それだけ、探偵による浮気調査が普及していることを実感します。 確かに、探偵の報告書は、詳細に経過が説明されていて、当たり前ながら写真も添付されています。そのため、裁判の証拠として使えることが期待できそうですし、「裁判で証拠能力が認められなければ料金をいただきません。」とうたっている探偵事務所もあるくらいです。

離婚カウンセリングでも、「探偵に依頼した方がいいでしょうか。依頼するとすればどこがいいでしょうか。相場はいくらでしょうか。」と矢継ぎ早に聞かれることがあります。みなさん、探偵が浮気調査をしてくれるらしいことは知っているけれど、そこから先は分からない、といった状況なのだと思います。そんなときに私がお答えすることを次に書きたいと思います。

探偵に依頼した方がいいか  

離婚を決意したとして、配偶者の不貞の証拠を掴むため、探偵に依頼するかどうかという問題があります。その答えは、配偶者の不貞の証拠をもって何をしたいかによります。例えば、慰謝料請求のためだけだとすると、不貞の状況(婚姻期間が短く、不貞の回数も1回だけ、しかも配偶者の収入も少ないなど)によっては、探偵費用の方が高くついてしまったりもするのでおすすめではありません。一方、お金の問題ではなく、とにかくはっきりさせて前に進みたいとか、離婚原因が自分にはないことを証明したいといった場合、不貞の態様がひどく、慰謝料が高額になることが予想される場合などは、依頼を検討してもよいかもしれません。また、「相手が離婚しないと言ったときの切り札として」という理由で探偵を依頼される方も多いように思います。

探偵事務所の探し方

今の時代は何でもインターネットで検索ができます。探偵事務所も、法律事務所と同様、「探偵事務所、浮気調査」などと検索してみてください。たくさんの探偵事務所が出てきます。その中から、料金体系や信頼性などを比較して決めていくことになります。費用は本当にさまざまですが、50万円から70万円くらいのところが多いように思います。また、最近は「お試し」として、指定した日の数時間だけを調査するというサービスもあるようです。まずは、1,2万円で依頼できるサービスから始めてみるのもいいかもしれません。ただ、探偵事務所の良し悪しを判断するのは難しいものです。時間をかけて比較する時間のない人は、いわゆる大手と呼ばれる探偵事務所に依頼するのがいいでしょう。

探偵に依頼する際の心構え

おそらく、ほとんどの人は、初めて浮気調査報告書を見ことになると思います。その報告は大変詳細で、あなたに重くのしかかってきます。浮気調査というと、ホテルから出てくる瞬間とか、手をつないで歩いている様子を写した写真を思い浮かべると思います。もちろん、そういった写真が決定的な証拠となるのですが、報告書の内容はそれだけではありません。自分が仕事に行っている数時間の間に、いつもとは違う化粧や服装の妻が、そわそわした様子で電車を待っている様子が写真付きで報告されていたりします。または、家にいてもほとんど会話をしようとしない夫が、着飾った若い女性とカフェで楽しそうにお茶をしている様子が報告されたりもします。そういった不貞の「過程」も併せて報告されます。そういう事実を突きつけられるのだという覚悟も必要です。

意外と少ない慰謝料

慰謝料の相場は100万円~300万円と言われています。婚姻期間の長さ、不貞行為の期間の長さ、不貞の程度、収入など、いろいろなことから判断して、慰謝料が決まります。先ほどの100万円~300万円という相場を聞くと、なぜか、「私の慰謝料は300万円くらいね。」と考える人がいます。おそらく、その人にとっては、300万円もらったって足りないくらの傷付きがあったのだと思います。しかし、残念ながら、そう甘くはありません。配偶者の不貞が発覚し、「慰謝料をがっぽりもらって別れてやる!」と息まいても、現実の厳しさにがっかりするのがほとんどです。探偵を雇ってしまうと、慰謝料が探偵料に消える、ということもあるようです。ちなみに、不貞相手にも請求することができますが、同じく大した金額にはならないことが多いでしょう。

一番大切なのは傷付きからの回復

夫や妻の不貞行為に気付いたとき、一番大切なのは、どうやって傷付きから回復し、自信を取り戻すか、ということではないでしょうか。その方法は人それぞれで、慰謝料という形を取る人もいれば、離婚でプライドを保つ人もいるかもしせません。はたまた、夫婦の関係修復を目指す人もいることと思います。

信じていた相手から裏切られることはとてもしんどいことです。自分なりの回復の方法を見つけ、前に進んでいっていただければと思います。

配偶者の浮気についてはこちらも参考にしてください。
夫や妻の浮気を疑った場合の5つのステップ

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