面会交流

子どもの拒否で面会交流ができない場合の間接交流6パターン

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別居親との面会交流は子どものためになると言われていますが、子ども自身がそれを望んでいない場合があります。そんな場合でも面会交流を実施した方がいいのか、実施する方法はあるのか、今回はそんなことをお伝えしたいと覆います。

子どもはどんなときに面会交流を拒否するのか

虐待

同居中に別居親による子どもの虐待があった場合、当たり前ですが、子どもは自分を傷付けるような親に会いたいとは思いません。

面前DV

親が子どもの前で、もう一方の親に暴力をふるったり、暴言を吐いたりする行為を面前DVと言います。読んで字のごとく、子どもの目の前でDVをすることを指し、虐待の一種です。

面前DVについては男女平等参画センターのサイト(外部リンク)をご参照ください。

面前DVは、直接的に子どもに向けられた暴力・暴言ではないため、子どもの拒否につながることに疑問を持たれる方もおられるかもしれません。もちろん、面前DVを受けた全ての子どもが面会交流を拒否するわけではありませんが、以下の例を参考にご覧ください。

夫は妻に対し、
「おまえ結婚したせいで俺の人生が狂った。」
「おまえの作った飯を食ったらバカがうつる。」
などと暴言を繰り返していました。

5歳の長女は、何もできずに日々、その光景を辛い思いで見ていました。そして、いざ離婚となった際、「パパは大好きなママいじめてた。だからパパ嫌い。ママのいないところでパパと会いたくない。」と語りました。

この事例の長女は、まだまだ幼い5歳ですが、日々、両親のやり取りを辛い思いで見ていたことが予想されます。そして、そんな辛い思いの原因となっている父親に会うことを拒否したのです。

これは単なる例ですが、親が思っている以上に、子どもは夫婦間の理不尽なやり取りに心を痛め、傷付いていることを想像していただければと思います。

同居親への気兼ね

子ども自身は別居親に会いたい気持ちがあるけれど、同居親に遠慮して会いたいと言えないことがあります。同居親が「会ってほしくない」と明言していなかったとしても、子どもは敏感に感じ取るものです。

多忙

子どもの年齢が高くなってくると、親との時間より、友人との時間や勉強や部活動にさく時間の方が大切になってきます。そのため、特に別居親が嫌いなわけではないけれど、他のことに時間を優先的に使いたいという理由で拒否につながることがあります。

思春期

思春期の娘と父親との微妙な関係を想像してみてください。「うざい」とか「くさい」とか、父親を毛嫌いする子もいるかもしれませんし、そこまで積極的に嫌わなかったとしても、何となく気まずいとか、会話が少ない、といった親子もいるのではないでしょうか。

同居中の親子であったとしてもそうなのですから、別居していたり、しばらく会っていなかったとすると、関係は余計にこじれてしまいがちです。

そんな親と会うことは、思春期の子どもにとって面倒に感じられ、拒否につながることがあります。

面会交流は本当に子どものためになるのか

このコラムでは、子どもが拒否している場合の面会交流の方法として、間接的面会交流の方法をお伝えすることが目的です。

しかし、子どもが拒否をしている場合に、間接ではあったとしても、そもそも面会交流が必要なのかといった議論もあるかと思います。

そのため、まずは、そもそも面会交流は本当に子どものためになるのか、という視点で考えてみたいと思います。

いくつかの研究

Wallersteinらの追跡研究

まずは、Wallersteinらの研究があります。この研究は、カリフォルニア州で60の家族を対象に行われた25年間に及ぶ追跡調査です。この調査は、親の離婚を経験した子どもの、その後の適応状態を調査し、適応が良好であった子どもが「なぜ良好に回復したのか。」ということを探っています。その理由として、離婚後の家庭の安定性や、両親間の葛藤の大小、そして、別居する親との関係性やその継続性が「良好な回復」に関係すると結論付けています。

一方で、この研究は、5年後、10年後といったように継続して行われており、継続研究の結果として、父母の葛藤が高い場合の面会交流は子どもの負担になることや、同居親の監護能力が何よりも重要な要素であることも指摘しています。

これは、言い換えると、父母の紛争が離婚後も継続しており、子どもと別居親の面会交流が同居親の心身の負担となっている場合、それによって同居親の監護レベルが下がれば、子どもに悪影響が及ぼされるということです。

AmatoとGilbreth(1999)

次に、AmatoとGilbrethによる、63の研究のメタ分析です。これは、多くの研究のメタ分析である点で、ある程度の信頼性を担保していると言えますが、この研究の結果は興味深いことに、離婚後の父親と子どもの交流の頻度と、離婚後の子どもの適応の関連性は弱いと結論付けています。つまり、父親と子どもが会う時間が多ければ多いほど、子どもの適応がよくなるわけではないということになります。

一方で、養育費の支払いや父子の交流の質については、子どもの適応との関連性が強く表れていると述べています。これを極端なまとめ方をすると、「会う時間ではなく、その内容が大切であること。」が分かります。また、養育費の支払いとの関連については、養育費の支払いがきちんとなされていれば、離婚後の経済問題が起こりにくいこと、同居親や子どもの別居親に対する感情が良好になる結果、子どもの適応が良くなる、と考えることができるのではないでしょうか。

AdamsonsとJohnson(2013年)

次に、AdamsonsとJohnsonが2013年に行った研究です。これも、52の研究のメタ分析であることや比較的新しい研究である点で、注目されています。 この研究の結論は交流の質や関与の範囲の広さは子どもの適応の良さと関連するが、交流の頻度や養育費の支払いの有無は関係ないと結論付けています。

これらの研究から言えること

さて、これらの研究結果を見て、みなさんはどのように思われたでしょうか。研究結果に様々な差異はあるものの、父母間の葛藤があまり高くなく、別居親との継続的な面会交流ができていれば、子どもはより良く生きていける、ということが言えそうです。

そうであるならば、現時点では葛藤が高く、直接的な面会交流が難しいとしても、長期的な視野で親子関係の継続を目指したいところです。

子の面会交流の機会を奪ってはいけない

また、色んな研究結果がある一方で、面会交流は子どもの権利であり、その権利を子どもから奪ってはいけないことは明白です。

また、様々な理由で子どもが面会交流を拒否していたとしても、親の働きかけや子どもの成長、そして時間の経過により、子どもの気持ちが変化することも考えられます。

そのため、嫌がる子どもに面会交流を強要する必要はありませんが、将来のためにつないでおく細いパイプとして、間接的面会交流を検討されてはどうでしょうか。

子どもが面会を拒否した場合の間接的面会交流

手紙

別居親から子どもに手紙を書くという方法があります。別居親からのみ手紙を書くこととし、それを読むか読まないか、返事を書くか書かないかは子どもの自由という具合にしておけば、別居親の関心は伝わるけれど、子どもの負担は少なくて済みます。

手紙は、メールやLINEに比べ、今どきの子どもは嫌がると思われがちですが、普段、受け取ることが少ないからこそ、自分宛に届いた手紙は嬉しいものです。

ただ、手紙の内容には注意が必要です。離婚の経緯を説明しようとして同居親の悪口を書いてしまったり、親として何かを伝えたいという気持ちが強くて説教調になってしまっては元も子もありません。近況報告でもいいですし、子どもをほめたり応援する言葉も子どもを勇気付けると思います。

メールやLINE、SNSなどのやりとり

LINE等のSNSは、一番手軽で気負いなくやりとりができるツールです。既読になっているかどうかや返信があるかどうかは気にせず、時々「元気にやってるか」と送るだけでも子どもへの関心は伝わります。

一方で、手軽ゆえに別居親から際限なくメッセージを送り続けたり、といったトラブルにもなりかねません。節度ある利用が肝心です。

プレゼントを渡す

本来、子どもの気持ちは物でつれるものではありませんが、プレゼントをもらえば純粋に嬉しいものです。お誕生日やクリスマスのプレゼント、お正月のお年玉といったものを親からもらうのを楽しみにしているお子さんも多いでしょう。プレゼントのみではなく、メッセージカードも忘れずに!

同居親からの写真や成績表の送付

別居親からしてみれば、面会交流の目的の一つは子どもの成長を確認することです。直接会わずとも、写真や成績表といったものを同居親から別居親に送ることで、その目的を少しは達することができます。この方法のいいところは、子どもに何ら負担がないことです。そのため、子どもの拒否が強い場合などには有効です。

電話やオンライン面会

間接と直接の間ぐらいに位置するのが電話で話したり、スカイプやzoomといったオンラインでの面会交流です。同じ空間に存在するわけではないけれど、生のやり取りができますし、声が聞けたり顔が見られたりする点で限りなく直接的な面会交流に近い交流が期待できます。

子どもの拒否が強くない場合で、別居親と二人きりだと不安だけれど、同居親もいる自宅で電話やオンラインなら大丈夫、という場合に有効です。

行事の見学

行事にもよりますが、運動会や学芸会などの大型の行事の場合、参観の仕方によっては、子どもからは別居親の存在が分からなかったりします。

一方で、別居親にとっては、子どもの成長が見られる楽しみな機会となります。そのため、子どもの拒否が強く、間接的であったとしても双方向のやり取りが難しい場合などにお勧めです。

その他

そのほかには、別居親の記憶がほとんどない幼い子どもに、定期的に別居親から送られてくるメッセージビデオを見せるとか、子どもが書いた絵や作文を別居親に送るとか、引きこもりの子どもとオンラインゲームで対戦するとか、これまで様々な方法の間接的面会交流を見てきました。親子の数だけ方法があるようにも思います。

間接交流は親の関心を伝えるパイプ

上に挙げた方法のほかにも、それぞれの親子に合った方法が考えられますが、お子さんが面会交流を拒否していたり、積極的になれないときの間接的面会交流は、親の愛情や関心をやんわりと伝える細いパイプです。

お子さんの負担にならない範囲で、是非、パイプをつないでいただければと思います。

面会交流に関して、父母間の合意が難しい場合、民間調停(ADR)のご利用もご検討ください。

ADRによる調停(仲裁・仲介)
ADR調停、よくある質問集

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