離婚準備

円満子連れ離婚のための最低限の下準備

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今回は、子連れ円満離婚に欠かせない最低限の準備についてお伝えします。あれもこれもとたくさん書きすぎると前に進めなくなってしまいますので、今回は、「これだけは!」という最低限の項目をお伝えしたいと思います。

離婚後の生活を具体的にイメージする

漠然と離婚したい気持ちだけで行動してしまうと、間違った方向に進んでしまうことがあります。そのため、まずは、行動する前に思考しましょう。これだけは絶対!という4つの項目についてお伝えします。

離婚後の収入を予想する

自分の収入

離婚後の自分の収入をざっくりと把握しておきましょう。現在と変わらない方は問題はないのですが、例えば、子どものお世話のために時短勤務にする必要がある人もいるかもしれませんし、パートから正社員になる人もいるでしょう。

ポイントは、少なめに見積もっておくことです。離婚後は、様々な想定外が起こり得ます。離婚前後の心身の疲労がたまり、自分自身や子どもの体調が崩れるかもしれません。特にお子さんの年齢が小さい場合、離婚後の寂しさを和らげるため、一緒に過ごす時間をゆっくりと取ってあげる必要もあります。

そのため、最大に働いた際の給料を目安にするのではなく、少し時間的に余裕のある生活ができることを想定した収入で計算しておきましょう。

養育費

離婚後に別居親から支払われる養育費をあらかじめ算出しておくことも可能です。双方の収入を把握した上で、養育費算定表に当てはめてみましょう。

ただ、この金額はあくまで目安にすぎません。相手の主張によっては、算定表より低くなる可能性もあります。そのため、養育費に頼りすぎない計画を立てておくことが大切です。また、専門家に相談することで、より確かな養育費の目安を知ることも可能です。まずは、自分で調べた上で、専門家に相談する際に詳しく聞いてみるといいでしょう。

公的手当

児童扶養手当(母子手当)や児童育成手当が主な手当ですが、地域によっては住宅に手当が支給される自治体もあります。

こういった手当は、収入(養育費も含む)によっても異なるので、収入を把握した上で、自治体の窓口(子ども家庭課や福祉課等)に相談するとよいでしょう。

離婚後の居所

現在の家に住み続ける

現在の家に住み続けることができれば、生活環境の変化を最小限にすることができ、子どもにとっても負担が少ないというメリットがあります。しかし、大抵の場合、家族で住んでいた家を維持することは賃料が高かったり、住宅ローンの負担があったりと、経済的負担が大きかったりします。

そのため、自宅を維持しながら生活していけるかどうか、検討が必要です。

実家に戻る

幸いにして戻る実家がある人は、別居後、実家に戻るという選択肢もあります。この場合、経済的なメリットや育児を手伝ってもらえるという安心感もあります。

一方で、同居生活が互いにストレスとなる場合もあります。そして、子どもも大きくなり、祖父母との同居を嫌がったり、一人部屋を欲しがることもあります。

そのため、離婚時は実家に戻ったとしても、数年後に生活が安定したら、実家の近くで子どもと生活するという選択肢もイメージしておくことがお勧めです。

賃貸住宅に転居する

何らかの事情で現在の家には住めない(相手が出ていってくれない)、そして帰れる実家もないとなれば、家を出て賃貸住宅に住まうことになります。

住宅費がかかる上に子どもの生活も変化せざるを得ないと悲観的になってしまうかもしれませんが、実は悪いことばかりではありません。

誰にも影響を受けずに自由な場所で新しい生活をスタートすることができます。

離婚後の支出

現状(同居中)の生活費

まずは、現在(離婚前)の生活費を正しく把握しておくことからです。自分の口座から支出している費用は分かっていても、相手の支払いになっている項目を把握していないことがあります。例えば、生命保険や学資保険の保険料などです。

どうしても抜けがあるものですし、その月によって変化するものではありますが、できれば数か月分の支出を把握し、平均を出してみるのがいいでしょう。

離婚後に変化する生活費

現状を把握した上で、次は、離婚後の支出計画です。離婚を機にやめるものと離婚後に新たにかかる費用を挙げていきます。

例えば、離婚を機に子どもがあまり夢中になっていない習い事をひとつ減らすといったことも考えられます。また、離婚後は子育ての協力が得られなくなるので、保育園に預ける時間が長くなったり、シッターさんの費用がかかるなどして増える支出もあります。

離婚協議の方針

みんさんが意外と忘れがちなのが、離婚協議の方針をイメージしておくことです。これをしないで専門家に相談に行くと、できれば争いたくないのに、弁護士に「まずは家裁に申し立てをしましょう」と言われ、何も言えずにその方針に乗ってしまったりします。

また、自治体の窓口に相談に行き、「それは立派なDVだから、お子さんを連れて身を隠した方がいい」と言われ、じっくりと考えて動く機会を失ってしまうこともあります。

そのため、離婚協議の方針として、少なくとも次の2点を考えておきましょう。

離婚協議の時期

同居の状態で離婚を切り出し、離婚協議を進めるのか、別居をしてから離婚協議を行うのか二つの方法があります。どちらにもメリット、デメリットがありますので、よく考えておきましょう。

例えば、相手が離婚に応じてくれない可能性が高いとか、同居しながらの離婚協議は心身ともに負担が重い場合はまずは別居という選択肢になります。

一方、既に離婚自体は合意できていて、あとは金銭的な条件面を整えるだけという場合は同居中の協議も可能です。

離婚協議の方法(順番)

離婚協議にはいくつか方法があります。まずは、夫婦二人で話し合うという方法もありますし、民間の調停機関であるADRを利用することもできます。それでもだめなら家裁の調停や裁判と進んでいくことになります。

また、どこかの段階で弁護士に依頼し、代理人として交渉をしてもらうこともできます。

自分がどこから始めたいのかを考えておくことが大切です。

例えば、できるだけ時間やお金をかけたくないというのであれば、まずは夫婦で話し合ってみる方法がいいでしょう。一方で、相手の顔を見ると言いたいことが言えなくなってしまったり、力関係に差があり、言いくるめられてしまいそうな不安がある場合は、ADR,家裁、弁護士といった第三者をはさんでの話合いがお勧めです。

譲れないことは何か

離婚協議は相手のいることですので、すべてが自分の思い通りに進むわけではありません。そのため、「これだけは譲れない」という優先順位が高い項目を考えておきましょう。

例えば、「慰謝料」です。弁護士に相談すると、「ダメ元で慰謝料も請求しておきましょう」などと言われることもあります。しかし、自分が重要視していないところで相手の気持ちを逆なでしてしまい、協議が整わなくなってしまっては残念です。

また、離婚の成立までには様々な選択肢があり、決断の繰り返しです。その際、どの選択肢を選べばいいか迷ってしまうこともしばしばですが、優先順位がはっきりしていると、自分にとって正しい選択肢を選ぶことができるようになります。

専門家への相談

ネット検索で得られるのはあくまで一般的な情報で、自分のケースに特化した情報ではありません。また、自分では気付けないが故に疑問もない、ということもあります。そのため、具体的な質問項目がなかったとしても、「何か気を付けた方がいいことはあるか」といった相談をすることも有効です。

後々後悔をしないためにも、ぜひ、専門家に相談しましょう。

弁護士

弁護士は、法的知識が豊富な上、代理人としてあなたの代わりに交渉をしてくれます。一方で、費用が高額ですし、紛争性も高まります。そのため、正式な依頼となるとよく考えることが必要です。

しかし、法律相談であれば、無料の法律相談を行っている事務所もたくさんありますし、行政が主催する法律相談などもあります。

まずは、そういった法律相談に複数出掛けてみて、正しい知識を獲得することから始めてみましょう。そして、実はこの「複数」というのがポイントです。一つの法律からは一つの回答しか出てこないと思っているかもしれませんが、意外とそうではないこともあります。

そのため、何人かの弁護士に相談することで、「これはやってみないと結果が分からない項目」、「これはみんなの意見が一致していて間違いなく実現できそうな項目」といった違いが分かってきます。

離婚弁護士の探し方と依頼のタイミング

カウンセラー

離婚するかどうか迷っていたり、気持ちの整理がしたい、もしくはとにかく気持ちを聞いてもらいたい、そんなときは離婚カウンセラーや夫婦問題カウンセラーが最適です。

カウンセラーは数多くの離婚相談を受けていますし、メンタルケアの専門家です。あなたの気持ちをケアしながら、離婚や夫婦関係についてのアドバイスをしてくれます。

当センターでも離婚カウンセリングをお受けしております。一人で悩まず、お気軽にご相談ください。
離婚カウンセリングのご説明とお申込みのページ

行政書士

少数派かもしれませんが、「既に離婚合意ができていて、条件面も紛争性がなさそう。でも養育費があるので公正証書を作っておきたい。」というような場合は、行政書士が最適です。

公正証書は自分で公証役場に出向いて作成することも可能ですが、公証人との複数回のやり取りが億劫な方や、平日の日中は動けない方、夫婦二人で作成に出向きたくない方などは行政書士に依頼するのがお勧めです。

行政の相談窓口

お住まいの地域の役所には、必ず離婚のための相談窓口があります。ただ、大抵の場合、相談窓口が複数あり、どの相談をどこに相談すればよいのか分からないことが少なくありません。

そのため、まずは、「離婚 相談 〇〇市役所」などと検索してみるといいでしょう。出てきた電話番号が的外れであったとしても、適切な相談窓口につないでもらうこともできます。

相談の際には、児童扶養手当(母子手当)等、離婚後の公的手当について知りたいのか、もしくは、DVが原因で身を寄せる場所を教えてほしいのか、法律全般の話が聞きたいのか、子どものことが心配なのか、といった具体的な相談内容を考えておくと、たらいまわしにされず、的を得た相談場所につながることが可能です。

ただ、自治体の相談は、職員が相談員をしている場合も多く、具体的な回答を得られるというより、適切な相談場所を紹介してもらえる場所だと思っておいた方がいいかもしれません。

精神科・心療内科

離婚の専門家ではありませんが、精神的に参っている人は、まずは、心療内科や精神科を受診しましょう。例えば、食欲がない、眠れない、ふとした瞬間に涙が出る、相手の声を聴くと動悸がする、といった場合です。

離婚協議は、どうしたって心身ともに負担がかかります。まずは、心が元気でないと、正しい判断もできません。必要に応じて早期に服薬し、早期に回復するのがポイントです。

余裕があればやっておいた方がいい準備

納得のいく離婚をするためには、事前の準備が欠かせません。ただ、徹底的に準備をすればいいというわけではなく、準備をしすぎて動けなくなってしまったり、機を逸してしまうこともあります。

そのため、以下にご紹介する内容は、必要に応じて準備していただければと思います。

離婚理由や慰謝料請求に関する証拠の準備

場合によっては、以下のような証拠を準備しておくことが有効な場合もあります。ただ、実は、証拠を集める上で、使い道をあらかじめ考えておくことがとても重要です。調停や裁判に証拠として提出するだけでなく、相手に離婚に応じてもらうために証拠が有効な場合もあります。

どんな証拠を何のために準備するのか、よく考えておきましょう。

DVの証拠

DVを主張したい場合、口頭で主張するのと、写真や診断書があるのとでは大違いです。傷になっている箇所の写真を日付や状況を記載したメモと一緒に保管しておいたり、病院を受診して診断書を取っておくと有効です。

不貞の証拠

離婚理由が不貞である場合、様々な証拠が考えられます。探偵に依頼しなかったとしても、不貞相手と性的な関係があることが分かるメールやラインのやり取り、一緒に旅行に行ったことが分かるやり取り、相手が不貞を認めて謝罪をした際の録音や書面など、多岐にわたります。

モラハラの証拠

モラハラを証明するのはなかなか困難なのですが、だからこそ事前の準備が大切です。日々の言動を日記につけたり、怒鳴られている場面を録音しておくことで、客観性を担保することができます。

離婚理由を説明するための証拠

不貞やDVなどの法的な離婚理由ではないけれど、自分が離婚を考えるに至ったエピソードを書き留めておくことも有効です。法的な証拠というより、相手の納得のためや自分の気持ちの整理のために役立ちます。

経済的離婚条件のための準備

相手の財産を把握するための資料

財産分与に関して、「もっとお金があったはず」と主張するのと、「〇〇銀行の△△支店にこのくらいあったはず。」とか、「数年前に〇〇証券から取引明細が送られてきた」と指摘できるのとでは大違いです。

最近は、銀行口座も証券口座もネット上で取引が可能ですので、なかなか本人以外が把握するのが難しい状況ではありますが、まずは何か資料がないか郵便物などを探してみましょう。

相手の収入を把握するための資料

養育費を決めたり、相手の財産を予想する上でも、相手の収入に関する資料が必要です。しかし、相手が教えてくれない場合、何等かの方法で把握する必要があります。

ただ、実際に離婚協議を進めていくと、収入資料を出さない人というのは多くはありません。なぜなら、提出を拒んだとしても、開示請求されてしまえば、明らかになってしまうからです。

そのため、収入資料の収集に躍起になる必要はありませんが、養育費を予想するためにも、できれば把握しておきましょう。

以上、離婚の下準備についてお伝えいたしました。当センターは、離婚カウンセリングにて離婚の具体的な進め方や協議の方法についてアドバイスしております。ぜひ、おひとりで悩まずご相談いただければと思います。

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    ADRの申立ては以下のURLをクリックの上、申立てフォームの入力をお願いいたします。
    https://rikon-terrace.com/petition/

    なお、ADR実施について、相手方様の同意を取れていない等、進行についてご不安がある場合は事前のカウンセリングをお勧めしております。カウンセリングは、本問い合わせフォームの「カウンセリングの申込」よりお進みください。ADRの制度に関するご質問は、以下にご記入ください。
    ADRの制度上に関するご質問
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