DV

DV夫と離婚したいあの人に届けたい、人生をリスタートする方法

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・別れた方がいいのは分かっているけど離れられない
・「もうしない」を信じてしまう
・君しかいない、と言われると見捨てられない
・暴力の後に優しくされると愛されていると思ってしまう
・生活力がないので離婚できない

さまざな理由で離婚したくてもDV夫から離れられない妻がいます。

そんなあなたが新しい生活をスタートするための手順をお伝えしたいと思います。

DVの種類

毎日のように殴られていれば誰だって自分がDV被害者であることが分かります。

しかし、

「毎日怒鳴られるけど、殴られたことはない」
「一度、平手で叩かれただけ」
「毎月5万円しかもらえないけど、経済的DV?」

などと「これはDVなの?」と疑問を抱きながら生活している方もおられると思います。

そのため、まずは、どんな行為がDVになりえるか、以下にまとめてみました。

身体的DV

殴ったり、蹴ったりと何等かの有形力を行使することを身体的DVといいます。また、殴る蹴るのほかにも、以下のような行為が身体的DVに当たります。

・平手で叩く
・髪をひっぱる
・刃物などを押し付ける
・引きずりまわす
・首を絞める
・腕をねじり上げる
・物を投げつける

精神的DV

直接的な身体的暴力がなかったとしても、それと同じくらい、もしくはそれ以上に深く消えない傷を負うのが精神的DVです。ただ、暴力と違って「自分が悪いのかな」、「愛されているが故なのかな」と判断に迷うこともあります。以下に精神的DVの代表的な言動と事例をまとめましたのご参考ください(一部、経済的DVと呼ばれるものも含まれています。)

大声でどなる
「誰のおかげで生活できるんだ」と言う
親族や友人との付き合いを制限する
行動を制限・監視する
無視を続ける
人前でバカにする
生活費を渡さない
殴るそぶりをする
〇〇(実家等)に危害を及ぼすぞと脅す

精神的DVを受けたAさんの話

Aさん(28歳)は専業主婦です。夫(40歳)とは一回りも年齢が違うこともあり、婚姻当初から主従関係のようでした。

いつも夫は偉そうに振舞い、「誰のおかけで食えてると思ってるんだ」「お前なんて一人では生きていけないクズだ」「よくそんなにぼーっと生きてられるな」などと蔑まれました。

毎月渡される生活費は必要最小限。それでも、細かい収支報告を求められ、追加で出費をお願いしようものなら、何時間にもわたって罵られ「稼ぎもしないくせに金ばっかり使うなら、いっそのこと死んでくれ」などと暴言をはかれることもありました。

性的DV

嫌がっているのに性行為を強要するほか、以下のような行為が性的DVに当てはまります。

・中絶を強要する
・避妊に協力しない
・同意なく相手の性癖に付き合わせる
・無理やりポルノ等を見せる

夫婦だからといって、無条件に性行為に応じなければならない訳ではありませんし、応じられないあなたが悪いわけではありません。

DVから逃げられない3つの理由

こんなひどいことをされているのなら、早く離婚すればいいのに。周囲はそう考えます。でも、DVから逃げられないのはあなただけではありません。DVの恐ろしさは、その「逃れられなさ」にあります。以下では、なぜDVから逃げられないのか、その理由をまとめました。

密室性

自分が動かないと気付かれない

DVの恐ろしいところは、「家庭内」で行われることです。夫婦以外の誰にも知られていません。DV夫は、むしろ外面がいいくらいです。

そのため、あなたが勇気を出して誰かに相談しない限り、自然に気付いてもらうことはできません。

また、相談した相手が悪ければ、「あんなに優しくて子煩悩な、『いいご主人』なのに」なんて言われてしまい、「自分の感じ方が間違っているのかも」と相談する勇気さえなくしてしまうのです。

エスカレートしがち

誰にも見られない密室では、理性より感情が優位になり、暴力がエスカレートしがちです。そうなると、「もしだれかに言ったのが発覚したらどうしよう」、「逃げても連れ戻されたら地獄」と恐怖心で動けなくなります。

精神的コンロトールを受ける

いくら密室と言っても、24時間拘束されているわけではありません。仕事に出かけている人もいます。大部分の人は、逃げようと思えば逃げられる環境にあることがほとんどです。

では、どうして、また被害を受けると分かっていて、DV夫の待つ家に帰ってしまうのでしょうか。

DVサイクルの罠

DV夫は、ずっと暴力的なわけではありません。暴力の後に「本当にごめん。もうしないよ。」、「大切な君を気付けるなんて、何ておればバカなんだ」といった風に、平謝りに謝ったり、プレゼントを買ってきたりするのです。

ただ、DV夫のご機嫌はいつまでも続きません。いずれ、イライラしはじめ、何かのきっかけで爆発するのです。

こんな風に「優しくなる(ハネムーン期)」→「イライラする(緊張期)」→「暴力(爆発期)」といったサイクルをDVサイクルと呼びます。

出典:舞鶴市HP

DV被害者は、優しくされると「またもう一回信じてみよう」「まだこの人は私を愛してくれている」と感じます。しかし、そのうち、暴力が再発するのです。

こうしたサイクルを繰り返すうちに、DV被害者は無気力になり、完全な支配・被支配の関係から抜けられなくなるのです(このDVサイクルは、かならず全てのDVに当てはまるわけではなく、緊張期と爆発期が続きこともあります。)

共依存

DV関係にある夫婦の全てが共依存関係にあるわけではありません。また、共依存関係にあるからといって、DV被害者に何か非があるわけではありません。

ただ、「君が出ていくなら、死んでやる」と言われ、「この人には私が必要なんだわ」と自分の存在意義を感じたり、愛情にも似た気持ちを感じることはないでしょうか。

また、行動を制限されたり監視されたりしても、それを「愛されている」と感じてしまうことはないでしょうか。

本来なら、嫌悪感を持つべき行為に対し、愛情を感じたり、その行為によって自分の存在意義を確認したりするのがまさに共依存関係であり、DVから抜け出せない理由の1つになっています。

経済的不安

経済的DVの一つとして、仕事を辞めさせたり、そもそも専業主婦だったりすると、DV夫の元から逃げたとしても、生計を立てる術がありません。

また、頼る実家があればいいのですが、DV夫のせいで実家との関係が悪くなっていたり、そもそも親子関係が良好でなかったりして、実家に戻ることもできない人もいます。

加えて、DV被害がひどくなると、社会に出てパートから頑張ってみようとか、まずは生活保護を受給し、そこから抜け出せるようにがんばろう、といった前向きな思考ができなくなってきます。

DVから逃れるための手順

相談に行く

DVから逃れるためには、まずは相談です。一人で頑張る必要はありません。相談のメリットは以下の通りです。

・DVに気付く
・気持ちを整理する
・別居や離婚のための具体的な方法論を聞ける

具体的な相談先は以下のとおりです。

国が設置している相談先

DV相談+(離婚相談プラス)

電話やメール等で24時間相談にのってくれます。ただ、深夜帯の時間は、相談員の数が限られているのか、つながりにくいことが多いようです。

②DV相談ナビ

出典:内閣府HP

どこに相談すればいいか分からない場合の総合窓口です。「#8008」にかければ、各都道府県の中核的な相談機関に自動転送されます。ただ、通話料がかかり、また、24時間対応ではなく相談機関の受付時間内に限ります。

自治体が設置している相談先

配偶者暴力防止支援センター
地域の男女平等参画センター
市区役所の相談窓口

警察

今まさに暴力が行われている、もしくはその危険性が高いというよな緊急性がある場合は迷わず警察を呼びましょう。警察が入ることによって、DVが行われたことが記録化されますし、今後の支援にもつながります。

何より、密室で支配関係に置かれていた2人の間に、警察という権威のある第三者が入ることに意味があります。

法テラスや自治体の法律相談に出向く方もおられますが、最初の相談場所としてはあまりお勧めではありません。まずは、法的なことよりも、あなたの気持ちに寄り添い、聞き役になってくれる窓口が適しています。

別居のための家を探す

DVの支配・被支配関係から逃れ、本来の自分の思考や感情を取り戻すには、何はともあれ物理的に離れることが大切です。

とはいえ、転居はそう簡単ではありません。経済状況やDVの程度などに応じて、以下を参考に考えてみてください。

民間の賃貸

多少の収入があり、婚姻費用がなくても数カ月は生活が保てる方は、民間の賃貸がお勧めです。保護施設に入るより自由度が高くなりますし、転居の回数を減らすことができます(保護施設はいずれ出なければなりません)。

ただ、賃料を払い続けるということは、仕事を続ける必要があります。仕事を続けるということは、相手が本気になれば居場所を突き止められるということです。

DVの程度がひどかったり、身に危険が及ぶ場合はシェルターや実家に逃げた方がいいかもしれません。

実家

実家に帰るという方法もあります。近隣であれば帰りやすいですし、遠方であったとしても、離婚後の生活を見据えて、また、一時的避難場所として、実家に帰ることも一つの方法です。

実家に被害が及ぶことを心配する方もおられますが、あらかじめ地域の警察に連絡をしておくなど、自衛も可能です。

賃料がいらないことや、精神的サポートが得られることも大きなメリットですが、実家とあまりうまくいっていない人は、緊急避難的に短期間の滞在にとどめるなど、ストレスを増やさない工夫が必要です。

民間シェルター

内閣府によると、各都道府県・政令指定都市が把握している民間シェルターを運営している団体数は全国で122(令和元年11月1日現在)団体あるそうです。一時保護だけではなく、相談から自立に向けたサポートなど、総合的な支援をしてくれる団体が多いのがメリットです。

安全上の問題からネット検索等では住所や連絡先を知ることができませんので、自治体に問い合わせをしてみましょう。滞在費用は割安のところが多いようです。

公的シェルター

自治体が運営している保護施設が何種類かあります。詳細は以下をご参考ください。民間シェルターと同様、安全上の問題から住所等は公開されていません。また、空き状況も毎日変更になるようですので、自治体の窓口で聞いてみましょう。見学等もさせてくれるようです。

DVから逃げる、シェルターってどんなところ?

ただ、公的シェルターは、子どもの性別や年齢によっては同行できなかったり、携帯電話等で外部と通信することを制限されることがあったりします。

DVの証拠集め

DVは代表的な離婚理由の1つです。しかし、DVの程度やその証拠の有無によっては、離婚事由として認められないこともあります。

そもそも、夫がDVを認めていたり、離婚に応じる姿勢を見せていれば、証拠は必要ありません。ただ、離婚を拒否していたり、離婚には応じるけれど、DVは認めず慰謝料も払わない、といった場合はやはり証拠が必要になってきます。

診断書

受けた暴力によって何らかの治療が必要だと思われる場合は、すぐに治療を受け、診断書を取っておきましょう。

写真

何らかの事情で通院できない場合、暴力によってできた傷を写真に撮っておきましょう。傷やアザだけでなく、破られた服や壊れた物、荒れた部屋の写真なども証拠になり得ます。

録音

暴力ではなく、精神的DVの場合、録音が有効です。精神的DVはなかなか言葉では伝わりにくいものですが、録音があれば、声色や言葉の隅々まで記録されます。できれば、一度ではなく複数回の録音があればなおいいでしょう。

ただ、録音を目的に、わざと怒らせたり、怒鳴られるようなことを言ってきっかけを作るというのはやめておきましょう。証拠として使用した際、「わざと怒らせた」等と相手に主張されることになります。

そのため、なるべく相手の暴言だけではなく、その前後のやり取りも分かるような録音がベストです。

日記

身体的に明らかな証拠はなく、また、タイミングよく録音も撮れないという場合は、日記をつけておくことも有効です。

何月何日にどんな状況の中でどんなことを言われた、された、ということを記録していくのです。手書きの日記で客観性がなかったとしても、ある程度のボリュームになれば、あなたの声を代弁する証拠になりえます。

別居の実行

転居先が決まったら、次は別居の実行です。

通常、別居の前に夫婦で話し合うことをお勧めしています。特に、お子さんがいる場合は、養育費や面会交流といった事前に決めておくべきことがいくつかありますし、そもそも、突然に家を出ていった後、穏やかな話合いは期待できません。

しかし、DVの場合、事前協議は危険です。また、話し合ったからといって別居や離婚に応じてくれるわけがありません。そのため、相手には知らせず、別居に踏み切りましょう。

できれば、荷物を取りに戻らなくてもいいよう、完全に準備できるのが理想です。夫が確実に不在になる時間を利用し、梱包から搬出・搬入までを短時間でやってもらえる業者や、一回の見積もりで数社の見積もりをとってくれるような引っ越し業者もありますので、ご参考ください。

株式会社エムテンサポート

ただ、緊急性が高かったり、転居費用さえ捻出できない場合は、当面必要なもののみを段ボール数個にまとめ、宅急便で送る程度でも大丈夫です。転居後、話合いが進んでいく過程で、自宅に戻らずリモートで荷物を運び出すサービスなどもあります。

プラス引越しステーション

婚姻費用の請求

生活の安定のためには、別居後の生活費として婚姻費用を請求することができます。婚姻費用の金額の目安は、家庭裁判所で利用されている算定表に双方の収入を当てはめることで知ることができます。

ただ、DV夫の意思に反して別居を開始しているわけですから、任意で請求しても「びた一文払わん」と言われてしまいます。

婚姻費用の請求の方法については、家裁の調停、弁護士に依頼する、ADRを利用する、といった方法があります。詳細は、後述の「離婚」の項目をご参考ください。

離婚

別居が完了すれば、取り合えずDVから逃れることはできます。ただ、婚姻状態が続いている以上、精神的に支配されたり、「寂しい」「今度こそ大切にするから戻ってきて」といった甘く優しい言葉にさいなまれることになります。

そのため、別居が完了したら、次は離婚の手続きに進みましょう。手順の目安は以下のとおりです。

相手との直接協議は諦める

別居の際にも記載しましたが、夫婦二人で離婚協議を行うのは身の危険がありますし、以下の点で不毛です。

DV夫は離婚に応じない(夫婦円満だと主張する)
二人で話し合うとDV夫のペースになる
DV夫はお金(婚姻費用・養育費)を出し渋る

そのため、何らかの形で第三者を挟むことが必要ですが、以下にいくつかの方法とそのメリット・デメリットをお伝えします。

家裁の離婚調停

家庭裁判所の離婚調停のメリットは、何と言っても費用が安いことです。申立料や郵便切手等の費用、住民票等の必要書類を取得する費用等を全部合わせても5,000円未満でしょう。

また、調停委員が間に入って話をしてくれますので、直接対決にはなりませんし、DV夫は「裁判所」という公的な場所では常識的に振舞うことが多かったりしますので、一定の解決を見いだせる可能性があります。

一方、一番のデメリットは、長期化することです。また、同じ時間帯に同じ場所にいなければいけな点に恐怖を感じる人もいるでしょう。

相当に執着心の強いDV夫の場合、探偵などを雇って、裁判所から出たあなたがどこに帰り着くのか、尾行させるという恐れもあります。

弁護士に依頼する

弁護士に依頼するメリットは、何と言っても安心感です。DVで心身ともに傷付いているあなたにとって、全面的に前に出て、あなたの代わりに戦ってくれるのは何物にも代えがたい安心感があることでしょう。

もちろん、弁護士は専門家ですから、慰謝料や財産分与といったその他の離婚条件の話合いを任せられるのもメリットです。

一方、デメリットは何と言っても費用の高さです。どんなに安くても70万円前後は必要です。法テラスを通じて無料で利用することもできますが、生活保護をもらっているなど、ごく一部の方に限られます。

ADR(民間調停)

ADRによる調停は、法務大臣の認証を取得した民間の機関が行う調停です。

ADRを利用するメリットとしては、以下のようなことが挙げられます。

弁護士に比べて費用が格安
解決までの期間が短い
居所を明かさずオンライン調停が可能

デメリットとしては、家裁の調停に比べれば費用が若干かかることが挙げられます。

ADRを利用して離婚したCさん

Cさん(42歳)は6歳の長女を育てながら働くワーママです。Cさんの夫(45歳)は弁護士で、周囲からは羨ましがられていましたが、実は、家庭では夫のDVに脅える毎日だったのです。

元々、男尊女卑の夫は、常にCさんにマウントしてきます。「お前の仕事は社会的意義もなく、子どもを預けてまで続ける仕事ではない」「そんな給料しかもらえないなら辞めてしまえ」、「俺の言うことさえ聞いていれば幸せにしてやる」「俺を怒らせると怖いぞ」と言った具合です。

夫は、怒ると怒鳴ったり、殴るそぶりを見せたり、また、長期間にわたって無視をしたりします。そのため、Cさんと長女は、いつも夫の顔色をうかがい、怒られないように縮こまって生活をしていました。

そんなCさんでしたが、自治体のDV相談に出向いたこときっかけに、夫と離婚することを決意。なけなしの給与でアパートを借り、転居しました。

Cさんは、早期解決が可能なこと、そして夫の職業からして、裁判所での解決はかえって夫の怒りを増幅させそうだったことから、ADRでの解決を選びました。

オンライン調停は3カ月という短期間で合意に至りました。Cさんとしては、夫の存在を感じずに話合いができたことで、自分の言いたいことを十分に伝え、納得のいく解決ができました。

離婚条件

親権

お子さんがいる場合、親権が問題になります。DV夫から逃げるということによって、経済的基盤を失う人もいますし、そもそも、仕事をすることを制限されていた人も多いことでしょう。

そのため、別居後の経済状況が安定していないことを理由に親権が取れないのでは、と心配になる方がおられると思います。

ただ、親権は、経済状況のみではなく、これまでどちらか中心となって育児をしてきたか、子どもとの愛着関係はどうか、といったことを総合的に判断しますので、あまり心配しなくてもいい人が多いのではないでしょうか。

財産分与

DVがあったからといって、特に財産分与には影響は及ぼしません。結婚してから別居(離婚)するまでの間に、双方で働いて貯めたお金や財産を2分の1ずつ分けるのが通常です。

ただ、DV夫の場合、財産関係を明らかにしたくないことも多かったります。DV夫は、自分の妻を所有物や支配の対象とみていますので、そんな相手に対等に財産を分けることに納得ができないのです。

また、妻としては、逃げてきた恐怖感もあり、「別れられるならお金はいらない」と考えてしまいがちです。

ただ、お金は今後の生活を立て直すためにも、とても大切です。相手方が高額な財産を有していると予想される一方、開示や分与に応じそうにない場合は、裁判所や弁護士の利用を検討しましょう。

慰謝料

DVに対する慰謝料を請求することができますが、相場は50万円~300万円といわれていて、あなたが心身に負った傷をいやすには全く足りないことでしょう。

また、世間体等から、相手方がDVを認めたくない場合もあります。そんな場合は「解決金」という名目で言葉を濁し、相手が支払いやすいような工夫をしてもいいかもしれません。

養育費

財産分与と同じく、縁を切りたい一心で、養育費の請求を断念する人も多いかもしれません。

しかし、養育費は、子どものためのお金であり、勝手に親が「いらない」と諦めてしまっていいものではありません。是非、お子さんのためにも、勇気を出して請求しましょう。

面会交流

あなたにとって、DV夫と子どもを会わせることは苦痛以外の何物でもないと思います。ただ、夫から面会交流を求められ、かつ、子どもへの悪影響がないのであれば、面会交流に応じなければならないケースもあります。

また、夫としては最悪でも、いいお父さんの場合もあるでしょうし、子ども自身が父親との交流を求めることもあるでしょう。

もっと言えば、「私(僕)のパパは暴力を振るう悪いパパだ」と思って成長するより、「悪いところもあるけど、私(僕)には優しくしてくれる」と感じながら成長できる方が子どもにとっては幸せです。

だからといって、あなたにとっては、日程調整の連絡や、子どもの受渡の際に顔を合わせること自体が恐怖だと思います。

そんな場合は、面会交流の第三者機関を利用することもできます。

面会交流をサポートする第三者機関とは?
面会交流第三者機関のご紹介

あなたは今、人生の岐路にいます

DV被害から逃れ、新しい人生をリスタートさせるのも、現状のままDVに脅えながら暮らすのも、あなたに選択の自由があります。

あなた自身の人生ですから、誰もとやかく言う資格はありません。

しかし、少しでも抜け出したい気持ちがあるなら、是非、周囲に相談してみてください。あなたの気持ちを話し尽くし、周囲からたくさんアドバイスを受けることで、何か道が見えてくるかもしれません。

それでもあなたがDV夫のもとに戻っていくのなら、それがあなたの人生なのです。

ただ、あなたにお子さんがいる場合、問題はもっと深刻です。

あなたは親として、子どもの生活を守る責任があります。子どもは、あなたよりも無力です。そして、ピリピリとした緊張感や場合によっては面前で繰り広げられる暴力にぎゅっと心臓をつかまれるような痛みを感じています。

経済的なことは、後から何とでもなります。まずは、周囲に相談することから始めてみましょう。

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