借金

夫の借金が子どもに及ぼす3つの影響

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このコラムでは、夫の借金が子どもに与える影響を「生活上の影響」、「心理的な影響」、「将来的な影響」の3つにわけてお伝えいたします。

生活上の影響

教育への影響

私立校や大学の学費を支払っている場合、たちまち学費の支払いが困難になります。積み立てていた学資保険を夫が使いこんでしまった結果、退学を余儀なくされる場合もあります。

また、塾や習い事、部活動も同様です。子どもが夢中になって頑張っているものでもやめさせざるを得ないことがあります。

また、複数の習い事をしている場合、月謝や子どもの取り組み具合と相談しながら、数を減らす必要がでてくるでしょう。

さらに、借金問題が長引くと、子どもが奨学金や教育ローンに頼らざるを得なくなることがあります。これにより、一時的には進学が可能になるものの、将来的には子ども自身が借金を抱えることになります。親の借金が子どもの将来に長期的な影響を及ぼす一因となるのです。

機会損失

自宅で過ごすのが一番お金がかかりません。そのため、旅行をはじめとするレジャーに出かける機会が減ります。

出かけるということは、ただ楽しいだけではなく、知らない土地の風土や人に触れたり、その土地の食べ物を食べたりと、学びの機会になります。

また、比較的料金が安い博物館等の施設であっても、往復の交通費や外で休憩する際の飲食代を考えると、ついつい「家でテレビを見ていればいいか」となり、子どもにとって様々な機会が奪われてしまいます。

さらには、人付き合いが減ることで、他人と触れ合う機会も減ります。例えば、家族ぐるみのお付き合いをしている仲良し家族と食事に出かけたり、旅行に行ったりという経験は、子どもにとってかけがえのない体験です。

同年代だけではなく、親世代との交流もできますし、非日常の空間で友人と触れ合う楽しさもあります。

しかし、こうした交流はお金がかかります。また、一緒に行動することで、家計のレベルが推察されてしまうこともあります。そうしたことを避けるために、家族以外の人との交流が減ってしまうのです。

食事・健康面への影響

借金の金額にも寄りますが、返済に追われる場合、日々の食生活にも大きな影響を及ぼします。肉や魚といったタンパク質を多く含む食材が買えなくなり、炭水化物でお腹を満たすようになります。

また、野菜や果物も意外とぜいたく品です。特に、果物は高級なため、バナナ以外の果物は時々しか買えない、ということもあります。

友人関係への影響

学校や習い事をやめる場合、友人関係が大きく変化します。また、転校や転居はなかったとしても、これまでと同様に友人と付き合えなくなることがあります。

例えば、ある子どもは、映画やカラオケといったお金のかかる遊びに誘われても行くことができず、肩身の狭いを思いをしたとのことでした。

また、学用品さえ買えない、給食費の支払いが遅れるといったことがあると、家庭の経済状況が友人にばれてしまうのではないかと心配になり、友達との付き合いそのものが負担になることもあります。

心理的な影響

夫婦関係の悪化による影響

夫婦間で借金について話すとき、否定的な態度や言葉が飛び交います。両親のそんな様子を見ることによって、「もしかしたら離婚してしまうかも」と不安になる子どももいれば、「こんな喧嘩をずっと見せられるのは嫌だ」と思う子どももいます。

いずれにしても、夫婦が円満でない状況は子どもに悪影響を及ぼします。

自尊心の低下

返済に苦しんでいる様子を見せると、子どもは自分を責めたり、罪悪感を抱くことがあります。特に学費が問題になっている場合、「自分がいなければ、親は苦しまなかったかもしれない」と考えることがあり、これが長期的に心の問題につながることもあります。

また、借金問題で家庭内の会話が減り、親子関係が疎遠になると、子どもは孤独感を感じることがあります。

親が借金問題に集中するあまり、子どもとのコミュニケーションが少なくなると、子どもは家庭での居場所を見失います。どうせ親は自分に関心がない、と思うことで自尊心の低下につながります。

やる気(意欲)の低下

家庭の経済状況が他人に知られることで、子どもは周囲からの評価に不安を感じることがあります。これが精神的な負担となり、学業や日常生活への意欲を低下させることにもつながります。

また、意欲を持って取り組んでいた習い事をやめざるを得なくなったり、転校を余儀なくされることで、「どうせ頑張っても親の事情で左右される」とやる気をそがれてしまいます。

子どもの将来への影響

夫の借金問題は、子どもの将来にも長期的な影響を及ぼすことがあります。経済的不安や心理的な負担が続くことで、子どもは自分の将来に対する希望や夢を持ちにくくなることがあります。

また、親の借金が子どもの人生観に影響を与えることもあります。たとえば、借金に対する恐怖や不信感が強くなり、将来的にリスクを避けるために消極的な選択をするようになる可能性があります。これにより、子どもが自分の可能性を広げる機会を逃すこともあります。

加えて、上述の奨学金のように、子どもに将来の負担を強いることになったり、もっと長期的に見ると、夫が死亡した場合に負の財産を相続させてしまうかもしれません。

まとめ

夫の借金問題は、子どもに多くの面で影響を及ぼします。経済的な不安定さや教育への影響、心理的な負担、社会的な孤立感など、さまざまな側面で子どもの成長や将来に影響を与える可能性があります。

その影響をどのようにすれば最小限にとどめることができるのか、その方法に一律の答えはなく、家族それぞれに最適な解決の方法があるはずです。

おひとりで悩まず、ぜひお気軽に専門家に相談をしてみてください。

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