お子さんのいるご夫婦へ

子どもに離婚を説明する本

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今回は、子どもがいるご夫婦が離婚する際に問題となる、「いかに子どもに説明するか。」というお題にこたえる書籍のご紹介です。子どもに離婚をどう説明するかはとても重要な問題ですが、ないがしろにされることが少なくありません。「そもそも、説明の重要性を理解していない」、「重要性は理解しているが、親自身に余裕がない」、「説明したいとは思うが、どんな風に説明すればいいか分からない」などなど、事情は様々かと思います。そんな皆さんに今日は書籍のご紹介です。

   1 子どもに離婚を説明する本

1-1 中高生向け

まずは、中高生の子どもたち向けの一冊です。

この本は、アメリカ人の著者が書いた本を元&現役家裁調査官が翻訳したものです。年齢が高い子どもたちに親の離婚を説明する本が少ない中で、とても内容が充実した一冊になっています。中学生以上であれば理解できる内容です。

1-2 低年齢向け

このほか、もっと年齢の低い子どもたち用には絵本が何冊かあります。これらの本を、子どもさんに読んでもらってもいいですし、親御さんが読んだ上で子どもさんに説明してもいいですし、一緒に読みながら話をするという使い方もできます。

「恐竜の離婚」

「いまは話したくないの」

「ココ、きみのせいじゃない」

「会えないパパに聞きたいこと」

「モモちゃんとアカネちゃんの本(5)」

 

   2 子どもへの説明―日本とアメリカの違い―

2-1 アメリカでは子どもに離婚をどう説明する?

ここにご紹介した絵本は比較的日本人の作家のものが多いですが、アメリカの絵本を日本語に翻訳した絵本もとても多いのです。これは、アメリカが離婚の多い国だという理由だけではなく、そもそもの認識の違いを表しています。
アメリカの多くの州では、子どもがいる夫婦が離婚する場合、ある心理プログラムの受講を義務付けられています。そのプログラムは、親の離婚を体験する子どもの気持ちを理解するためのもので、受講しないと離婚ができない仕組みになっています。その心理プログラム中では、子どもの年齢別に、子どもが親の離婚をどう受け止めるか、どんな悩みを持ちがちか、そんなときはどう対処すればよいか、などが説明されています。もちろん、子どもへの説明の仕方も組み入れられています。
子ども向けの心理プログラムもあります。子ども用の心理プログラムでは、「親が離婚するとこんな気持ちになるよね。」「そんなときはこうすればいいよ。」「困ったときは〇〇に相談しようね。」といった自分の気持ちの受け止め方などが分かりやすく説明されています。
このようにアメリカでは、親の離婚を経験する子どもの気持ちを考えることが当たり前になっていますので、必然的に離婚をテーマとした本や絵本も多く発行されるわけです。

2-2 日本では

日本では、「親の離婚」は子どもにとってタブーであり、決まった結果だけを報告する傾向にあります。もちろん、親の紛争に子どもを巻き込むことはよくないことですが、きちんと説明することはとても大切なことです。しかし、説明するためには、親の離婚を告げられた子どもがどんな気持ちになるのか、その時にはどう対応すればよいか、といったことが分かっていなければいけません。
そのため、日本でも、アメリカの心理プログラムを参考にしたFAITプログラムというものが広められようとしています。また、各地の家庭裁判所でも、離婚するご夫婦にお子さんの気持ちについて考えてもらうプログラムを実施しているところもあります。
離婚テラスでも、離婚カウンセリングや子どもカウンセリングにて同様のプログラムを実施しています。「親の離婚を経験する子どもの気持ちを理解したい」もしくは、「子ども自身にも学んでもらいたい。」という方は、是非HPからお問い合わせください。

   3 本の内容から言えること

何冊かの本に目を通していただくと分かると思いますが、よく出てくるメッセージは、
① 離婚は子どものせいではない(子どもは悪くない)
② 離婚してもパパ(ママ)はパパ(ママ)であり、関係が切れるわけではない
③ 聞きたいこと、言いたいことは口に出していい
といったことです。
「そんな当たり前なこと」と思いませんか。特に①なんて幼稚園の子どもでも分かりそうな気がしますよね。離婚は親の責任でするものなのですから。しかし、これは上で紹介した高年齢の子ども用の本にも出てきます。実際に、自分のせいで親がけんかをするのではないかと小さい心を痛めている子どもたちがたくさんいます。このことからも分かるように、親の離婚にさらされた子どもというのは、大人が考えるよりももっと理不尽で不可解な問題に心を痛めているのです。
ただ、子どものレジリエンス(回復力)もまた、親の想像を超えて発揮されることもあります。 離婚を考えているみなさん、是非とも子どもさんに丁寧に誠実に説明してあげてください。そうすれば、お子さんはきっと親の離婚に向き合うことができると思います。

ご参考に・・・ 親の離婚、子どもには悪影響?!-喪失体験―

 

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