離婚カウンセリング

離婚カウンセリングで迷っているあなたへ

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当センターはADRという民間の調停機関ですが、事前の離婚カウンセリングを大切にしています。なぜなら、離婚問題は法律のみではなく、心情面にかかわる要素が大きいからです。

しかし、まだまだ日本はカウンセリング自体に馴染みがありません。離婚カウンセリングを受けてみたいけれど、どんなものなのかイメージできない、という方は是非以下を読み進めてみてください。

目次 非表示

離婚カウンセリングの4つの要素

カウンセリング(メンタルケア)要素

離婚カウンセリングは、医療的カウンセリングとは異なりますが、メンタルケア的な要素も多分に含んでいます。なぜなら、離婚問題に直面することは、とてもストレスフルだからです。

離婚はストレスフルなライフイベント

離婚がとてもストレスフルなことは、感覚的にも理解可能ですが、ライフイベントとストレスの関係を調べた有名な研究であるホームズのストレス評価表からも明らかです。

以下の表を見ていただくと、離婚は「配偶者の死」の次にストレスフルなライフイベントであることが分かります。(LCU得点が高い方がストレスが高い)。

順位 ライフイベント LCU得点
配偶者の死 100
離婚 73
夫婦別居生活 65
拘留 63
親族の死 63
個人の怪我や病気 53
結婚 50
解雇・失業 47

離婚したいのにできない人、離婚したくないのに決断を迫られている人、離婚は合意しているのに事情で別居できない人、それぞれに大きな悩みとストレスを抱えることになります。

離婚問題は相談相手が難しい

ストレスを解消する方法は人それぞれですが、一番の解消法は「悩みを話す」ことです。

しかし、離婚の相談は、身近な友人にはかえってしにくいですし、親にだって心配をかけたくないという人が多いのではないでしょうか。

そのため、心情を吐露する場としても、離婚カウンセリングは重要な意味を持っているのです。

情報の提供

ネット情報は玉石混合

多くの人にとって、最初の情報収集は「ネット検索」ではないでしょうか。

一番身近で安価かつ簡単な方法ですので、情報収集の始めの手段として選ばれることが多いものです。これを読んでくださっているみなさんも、きっと「離婚 養育費」とか「離婚 親権」、「浮気 慰謝料 相場」などと、色々なキーワードでネット検索をした経験があるのではないでしょうか。

しかし、やはりネット情報は玉石混合であり、その中から自分で取捨選択するのは難しいものです。

また、どうしても、自分に都合のよいもの、自分の希望に合う情報を選択的に見てしまうので、偏った情報を収集してしまいがちです。

カスタマイズされた情報提供

例えば、離婚するかどうか迷っている人に協議離婚のノウハウを伝えるようなカウンセリングを行ったとすると、それはちぐはぐな結果になってしまいます。また、不貞はされたものの、夫と別れることを考えていない妻に「不貞をする夫は最低だ」と裁判の情報を提供しても役に立ちません。

配偶者の性格、抱えている問題、子どもの年齢や性格、家庭の経済状況、実家の援助の有無等、その人をとりまく環境は本当に千差万別です。

適切なヒアリングによって、状況にピッタリと即した情報提供を行えるのが離婚カウンセリングの強みです。

気持ちの整理と決断

本心の自覚

離婚する気持ちに迷いがある場合、「こんなことで離婚してもいいものでしょうか。他の方はどんな理由で離婚していますか」と聞かれることがあります。

また、夫に不貞された妻の立場の方から「不貞をされるなんて屈辱的です。でも、なぜか離婚に踏み切れないんです。」と相談されることもあります。

こんな風に、他の方の事例や「一般的には」を聞きたいと言う方や、自分の気持ちが見えない方にとって、本音探しは簡単ではありません。

カウンセラーとのやり取りを通じて、その答えを探る作業をしていきます。いくら自問自答しても分からなかったのに、カウンセラーの質問に答えていくうちに、自分の気持ちが見えてくることがあります。

優先順位の明確化

離婚するかどうか悩んでいる方にとって、離婚のメリットやデメリットに関する情報が提供されたからといって、気持ちが固まるわけではありません。

子どもにとってベストな方法は?
それまで自分のメンタルがもつか
経済的に自立してからの方がいいのか
両親を悲しませることになるのでは?
社会的な影響も気になる

こんなことを色々と考え始め、何も決められなくなります。そんなときは、カウンセラーとのやり取りを通して自分の中の優先順位作りが有効です。

離婚コンサルティング

そして離婚カウンセリングの最後の役割は具体的な離婚の進め方などのコンサルティング的要素です。実は、ここが一番みなさんが求めている部分かもしれません。

自分の気持ちも明確になった、必要な情報も収取した、でも、具体的にどう進めていいか分からない、という方が少なくありません。例えば、別居です。

まずは何から準備をすればいいのか、配偶者に別居の許可を取った方がいいのか、学校や職場にはどのタイミングで説明をするのか、子どもにはどう説明するのか、婚姻費用や面会交流の取決めはいつどんな形でするのか、といったことを考える必要があります。

他にも、協議離婚の進め方について相談される方もおられます。やはり、相手に離婚を切り出すのは勇気がいることだと思うのです。

目標(ex.離婚したい)や方針(ex.なるべく穏便に)が明確になった段階で、その方針に沿って目標に到達する案を具体的にアドバイスするのが離婚カウンセリングのコンサルティング的な役割です。

(番外編)子ども目線の離婚カウンセリング

離婚カウンセリングの本質論からは外れますが、当センターの離婚カウンセリングならではの役割に「子どものメンタルケア的視点」があります。当センターでは、子どもがおられる夫婦が離婚される際、養育費や面会交流といった離婚条件面のアドバイスのみではなく、子どものメンタルケアや子どもへの説明の仕方などを丁寧にお伝えします(無料のオンライン講座も実施しています)。

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よくある質問

離婚を迷っている段階で相談していいですか?

もちろん、ご相談いただけます。むしろ、まだ迷いのある方からのご相談が多いように思います。また、離婚したい気持ちはあるけれど、「こんな理由で離婚していいんですか」といった疑問を持たれている方のご相談も多かったりします。

離婚の手順のようなものを知りたいのですが。

実は、一番多いご相談が「手順」についてです。離婚したい気持ちはあるけれど、その先をどう進めていいのかが分からないというお悩みです。

別居をするのかしないのか、相手は応じそうかそうでないか、お子さんがいるかいないか、実家は頼れるのか、当面は生活できる収入があるかないか、そういった個別事情によって、離婚の進め方は千差万別です。

離婚カウンセリングはコンサルティングや道案内の役割を担っています。

離婚カウンセリングと夫婦カウンセリングはどう違う?

夫婦カウンセリングは、夫婦関係の改善を目指し、お互いのコミュケーションの方法を見直したり、第三者が入った状態で互いに伝えたいことを伝えたり、といった場です。カップルカウンセリングともいわれ、夫婦双方が参加するのが基本形です。

一方、離婚カウンセリングは、離婚をしたい人や、自分は離婚をしたくないのに相手から離婚を迫られて困っている人がお一人で受けるものです。

法律相談と離婚カウンセリングはどう違うの?

法律相談は、自分の場合はいくら養育費がもらえるのか、慰謝料はいくらになりそうかといった具体的な法的知識を尋ねる場です。また、将来的に弁護士に依頼することを考えている人にとっては、弁護士の人となりや相性を確かめる場にもなります。

一方、離婚カウンセリングは、気持ちの部分や協議離婚の具体的な進め方を相談する場所だと考えていただければと思います。

離婚したくない場合も相談できる?

もちろん、ご相談いただけます。離婚カウンセリングの多くは離婚したい方がお受けになりますが、自分は離婚したくないのに、相手から離婚を言い渡されて困っている、という方もおられます。

ただ、離婚カウンセリングでは、夫婦円満の方法や修復の秘訣等をお伝えすることはできません。なぜ相手が離婚したいと考えているのか、このまま離婚を拒否しているとデメリットはないのか、離婚するとどうなるのか、そういったことを一緒に考える場です。

離婚カウンセリングの窓口

公的機関

離婚カウンセリングという名前ではありませんが、同じような役割を果たす相談窓口が自治体にはたくさんあります。

役所の相談窓口

例えば、区役所や市役所の子ども家庭課(自治体によって呼び名はそれぞれですが)や福祉課には、離婚問題を相談できる窓口があります。その窓口では、婦人相談員や外部の専門相談員が話を聞いてくれます。

男女平等参画センター

自治体の男女平等参画センターでは、DV相談を受け付けているところがたくさんあります。また、熱心に活動しているセンターなどは、ライン相談や匿名の電話相談が可能なところもあります。

DV相談

国が設置している相談先として、DV相談+(離婚相談プラス)という相談窓口があります。電話やメール等で24時間相談にのってくれます。

また、「DV相談ナビ」というのもあり、どこに相談すればいいか分からない場合の総合窓口です。「#8008」にかければ、各都道府県の中核的な相談機関に自動転送されます。ただ、通話料がかかり、また、24時間対応ではなく相談機関の受付時間内に限ります。

その他、DV相談であれば自治体が設置している配偶者暴力防止支援センターなども相談にのってくれます。

法律事務所の離婚カウンセリング

あまり多くはありませんが、法律相談の前にカウンセラーによる離婚カウンセリングサービスを実施している法律事務所もあります。

メリットとしては、後に弁護士に依頼する予定がある場合の引継ぎがスムーズなことがあります。また、カウンセラー資格はなかったとしても、受容的で聞き上手な弁護士であれば、法的なことを聞ける上にカウンセリング的なアドバイスも期待できます。

デメリットとしては、法律事務所が離婚カウンセリングを行う場合、その目的は弁護士としての案件の受任にあるところです。

もちろん、ニーズがない人に無理に勧めたりすることはありませんが、純粋にカウンセリング目的でない点は了解が必要です。

NPO法人や一般社団法人

シングルマザーを支援する団体やDV被害者を保護する団体が設置している相談窓口があります。これらの相談窓口の多くは無料か安価である点にメリットがあります。

ただ、相談にのる立場の方は当事者経験のある方が多く、アドバイスの内容が偏りがちです。また、カウンセラーとして知識や資格を持っておらず、多くは単なる「相談員」という肩書です。そのため、とにかく気持ちを聞いてほしい、といったニーズに合うかもしれません。

また、無料で離婚相談の窓口を設置しているNPO法人もあります。無料の電話相談は、手軽にかけられるのがメリットですが、最近、あまりよくない団体も増えています。

まずは、そのサイトをよく見てください。運営団体や運営方針がきちんと記載されているでしょうか。NPO法人という非営利団体でありながら、高額な探偵や弁護士を紹介し、利用者からのクレームが多い団体もあるようです。その団体の信用性が不明な場合、「〇〇 口コミ」などとネット検索をしてみてください。

離婚カウンセラー・夫婦問題カウンセラー

離婚カウンセリングの専門家と言えば、離婚カウンセラーと夫婦問題カウンセラーです。民間の資格ですが、夫婦問題に特化したカウンセラーの資格もあります。

民間の資格ですので、必ずしも資格保有者が必要十分な知識を持っているとは限りませんが、相性の合うカウンセラーを見つけることができれば、とても心強いものです。

以下で、詳しくカウンセラーについて記載します。

いい離婚カウンセラーの見分け方

「離婚経験」を売りにしない

実は、離婚カウンセラーの中には離婚経験者がたくさんいます。もちろん、経験したからこそ分かることもありますが、離婚経験を売りしているカウンセラーは、自分の経験をベースにして、相談者の話を聞きがちです。そのため、真っ白な状態ではなく、若干のバイアスや思い込みが入ります。

この若干のバイアスや思いこみが相談後の「もやもや」に繋がります。何だか理解されなかった、カウンセラーの経験談ばかり聞かされた、言っていることに共感できなかった、という結果になってしまいます。

離婚に至る状況は千差万別で、何かのパターンにあてはめるようにはいきません。

短い相談時間の設定がある

カウンセリングの時間の設定は、1時間前後の短めから2時間程度の長めの設定まで、複数のコースを設定しているところがほとんどです。

なぜなら、相談を受ける側のニーズは「聞きたいことをピンポイントで聞きたい」、「じっくりと時間をかけて聞いてほしい」と様々だからです。

ただ、需要のないカウンセラーは、一人の相談者からなるべく多くの費用を支払ってもらおうと考えますので、2時間未満の設定がなかったりします。また、5回コース、10回コースなど、複数回をセットにしたカウンセリングコースしかない場合はもってのほかです。

人気のあるカウンセラーほど、限られた時間の中で、いかに多くの方の役に立てるかということを考えるはずです。

個室での相談が可能

相談者のニーズによって、電話、メール、対面等、複数のカウンセリング手段を用意しているカウンセラーが多いのですが、中でも個室での対面相談が可能かどうかが一つのポイントです。

中には、相談者が希望する場所の近隣の飲食店(ファミレスや静かなカフェ、カラオケボックス等)まで出張してくれるカウンセラーもいますし、その方が利便性が高いと考える人もいます。

ただ、カウンセリングの基本はプライバシーが保護される個室相談です。個室での対面相談がカウンセリングメニューに入っているかどうかも確認ポイントです。

料金設定が適切

カウンセリング費用の設定は、カウンセラーの経歴等によって様々です。ただ、やはり相場があります。高額すぎる場合(1時間2万円以上等)、再考が必要です。

逆に、無料相談もお勧めしません。先ほども記載しましたが、NPO法人を名乗る団体で、離婚カウンセリングを行っている団体等もありますが、カウンセリングの後、探偵や弁護士を紹介され、高額な契約を余儀なくされた、という話をよく耳にします。

「ただ」より高くつくものはないのかもしれません(行政窓口の無料相談は別です)。

カウンセラーが本業の組織か

法律事務所や探偵事務所に所属している離婚カウンセラーがいます。もちろん、そういったカウンセラーが全て悪いというわけではありませんが、カウンセリングの目的は、弁護士や探偵との契約へのつなぎだったりするのです。

そのため、なんの利害関係やしがらみもなく、「相談者のニーズを満たすこと」という当たり前の目的をもって相談にのってくれるカウンセラーが一番です。

離婚カウンセリングの事例

ここまで、離婚カウンセリングの理論面を記載してきましたが、次は事例をご紹介したいと思います。(ご本人には事前に掲載許可をいただき、さらに、事例性を失わない程度に加工してあります)

長年のモラハラ、もう卒業します

<来談時のお悩み>
離婚の進め方を教えてほしい

典型的昭和型夫婦の歪み

Aさん(58歳)は専業主婦です。2人の子どもを育てながら、夫の両親とも同居し、たくさんの家事を担ってきました。もちろん、子育ても当然にワンオペです。

夫は、「お前は専業主婦なんだから」という一言で全て片付け、妻をねぎらう気持ちは微塵もありません。

妻が趣味に出かけたり友達とランチに行くだけで「主婦は暇でいいよなぁ。」と嫌味を言いますし、妻が実家の両親の介護のために帰省しようものなら、「お前の両親を楽させるために俺は働いているんじゃない」などと言ったりするのです。

Aさんとしては、実家に通い、家の掃除をしてあげたり、食事を作ってあげたり、そんなお世話をしてあげたかっただけなのです。大切な両親との時間まで制限され、結局、親孝行しきれないうちにAさんの両親は他界しました。そんな日々を重ね、Aさんは夫を恨むような気持ちになっていきました。

実は、Aさんは、これまで何度も役所の家庭相談や男女共同参画センターのDV相談などに出かけたことがあります。そのたび、「あなたのご主人はモラハラでは」、「それは言葉のDVです」といったアドバイスを受け、離婚を勧められるのです。

しかし、当時のAさんは、結局離婚に踏み切れないことを自分でも分かっていました。

自分には子どもたちを大学までいかせる経済力はありませんし、自分自身の身勝手のために子どもたちを犠牲にすることはできないからです。

分かっていながらも、Aさんは救いを求めて相談窓口に行くのです。少しでも話を聞いてほしい、何か妙案があるかもしれない、そんな気持ちで相談に訪れ、少しだけガス抜きをして、また日々の生活に戻っていったのです。

子どもの独立が縁の切れ目

しかし、ついに、全員の子どもが大学を卒業しました。

離婚を決意したAさんは、再度、様々な相談窓口に出かけていきました。区の法律相談も予約しました。法テラスの無料相談にも行きました。そして、年金分割という制度があること、財産分与は原則2分の1ずつだということなどが分かりました。そういう話を聞くと、「自分だけなら何とか暮らしていける」という安心につながり勇気が出てきました。

しかし、一番の問題は、目の前にいる夫がそんなことに同意する要素を全く持っていないことです。おそらく、離婚したいと言ったところで、「出ていきたいなら勝手に出ていけ!お前にはびた一文もやらん」と言われるに決まっています。

そのため、Aさんは、弁護士に依頼することも考えましたが、やはり費用が高いことが気になります。また、夫のことは大嫌いでしたが、争う気力や体力もなかったのです。

「離婚話の進め方を教えてください。」

そこでAさんはどんなふうに離婚の話を進めればいいのか、そんな相談のために離婚カウンセリングに来られました。

Aさんは、離婚カウンセリングの中で、まずは、これまで辛かった数十年の思いを吐き出しました。夫の実家に嫁いだAさんにとって、ご近所さんだって気楽に愚痴れる相手ではありません。前に進むためには、まずは心を軽くする必要があったのです。

ひとしきり話し終わると、Aさんはすっきりした顔で言いました。

「私、もう離婚してもいいですよね。」

カウンセラーは、いつだって誰だって自由に離婚を選択できること、一方、誰かに背中を押されたり勢いで決断するものでもないことなどを伝えました。

Aさんは、しばらく考えた後、

「私、離婚したいです。誰に何と言われようと、残りの人生を自分らしく生きていきたいです。」

この後、カウンセラーは、離婚の話合いには色々な方法があることを伝え、Aさんにはどの方法が一番適しているかを相談しました。

「けじめをつけて、前に進みます」 

Aさんは、まずは、夫婦で話し合うことを選びました。きっと、相手にしてくれないし、まともに話し合えるわけがない。Aさんはそう感じていました。ただ、これまでずっと我慢してきた人生です。その人生に終止符を打つためにも、まずは、ダメもとで自分で気持ちを伝えることを選んだのです。

そして、その次にADR、それでもだめなら家裁の調停や裁判と進んでいくことにしました。

Aさんは、具体的な方法や道筋が見えたことで、とても頭がクリアになったと言います。そして「まだ私の離婚への道のりは始まったばかりですが、今は頑張れそうな気がしています。」といって帰っていかれました。

モラハラ妻から離れて自分を取り戻したい

<来談時のお悩み>
妻のモラハラに悩んでいます・・

僕の妻は気が強くて・・・

Bさんは、とても優しそうな男性です。カウンセリングには、なんだか元気のなさそうな様子でやって来られました。そして、ポツポツと独り言のように話し始めました。

Bさんによると、妻が変わり始めたのは出産後だと言います。以前から気の強い女性だと思ってはいたものの、出産後、妻が豹変してしまったと言うのです。

子どもができてからというもの、妻は子どもの世話にかかりきりです。あまりに大変そうなのでBさんが何か手伝おうとしても、何をしても「やり方がなっていない」と怒られてしまいます。

Bさんは、カウンセリング中、困ったような顔をして、「僕の妻は気が強くて・・。」と情けなさそうに笑いました。

怒鳴らなくてもモラハラですか・・・

どこか遠慮がちに話すBさんからはなかなか本心が伝わってきません。

そこで、カウンセラーは、「奥様に言われて辛かったことや、されて嫌だったことを具体的に教えてくださいますか。」と聞いてみました。

Bさんは、少し覚悟を決めたように、次々とエピソードを話してくれました。

Bさんが仕事の愚痴を言うと、妻は味方をしてくれるどころか、Bさんに問題があると責め立てます。部屋の片づけがなっていない、親に教育されなかったのか、だから仕事でも出世しない、子どもにはそんな大人になってほしくない、できるだけ子どもに影響力を及ぼさないでほしい、何度言っても分からないのはバカなのか、などひどい言葉の連続です。

深夜に3時間も説教されたこともあります。反省文や土下座を求められたこともあります。

とにかく、円満な夫婦関係とはかけ離れた、主従関係が出来上がっていったのでした。

Bさんは、疲れて帰ってきても家では気が休まりません。

家に帰って妻が作った食事を食べている間も、ずっと、お小言が続くのです。「あなたは帰ってきてすぐご飯が食べられるからいいわね。」、「私はずっと休みなんてないのよ。あなたにできる事は生活費を稼いでくることだけね。」といった具合です。

Bさんの妻は、そんなに気性が激しいわけではありません。なので、怒鳴ったりはしません。Bさんは、「妻は、怒鳴ったりするわけではなく、理路整然と僕を批判します。これでもモラハラになりますか。」とカウンセラーに問いかけました。

自分らしさを取り戻したい

カウンセラーは、Bさんがモラハラだと感じるのであれば、立派なモラハラになるのではないかと伝えつつ、今一番困っていることは何で、どうすればその状況が改善されそうか、そういったことを話題にしたいと伝えました。

すると、Bさんは、妻を憎んだり嫌ったりできればまだいいけれど、「もしかしたら妻が言っていることは正しくて、本当に自分はダメな人間なのでは」と思ってしまうのが一番つらいとのことでした。

妻といると、Bさんは自信を失い、自分らしくいられないというのが一番の問題のようです。Bさんはカウンセラーと話をしていく中で、ようやく自分の求めるものが明確になっていき、最終的には、自分らしさを取り戻すために別居するという選択肢を選びました。

離婚を迫られ、頭と心が一致しません

<来談時のお悩み>
離婚を迫られて困っている

夫の離婚願望は気の迷い?

カウンセリングにやってきたCさんは、席に座るや否や、夫が突然家を出て行ってしまって戸惑っていること、さらには、離婚してほしいと言われ、どうしていいか分からなくなっていることを話しました。

カウンセラーから、少し経緯を聞かせてほしいと伝えたところ、Cさんは次のようなことを話してくれました。

「夫とは、何か話し合おうとするとけんかになってしまうことが多くて。私も気が弱い方ではないので、きつい言葉で言い返すこともありますし。多分、それが原因なんですけど、2年前に夫が家を出ていってしまって・・。お金はある程度入れてくれていますが、ほとんど連絡は取っていません。ただ、先日、久しぶりに連絡があって、離婚したいと言われてしまいました・・・。でも、本気で離婚したいのかどうかも分かりませんし、ちゃんと話し合ってないので・・・。」

Cさんの話からは、なぜ夫婦が別居するほどの不和に至ったのか、Cさんの夫の気持ちはどうなのか、そのあたりが見えてきません。

そのため、カウンセラーは、「ご主人がなぜ家を出られたのか、そのあたりのことを話題にしてもよいですか。」と尋ねました。

3-2 夫が出ていくのも分かります。私、嫌われてましたから・・・

Cさんは、当初、「けんかが絶えなかった」という程度の説明にとどめていましたが、カウンセラーとのやり取りを通して、段々と具体的に話し始めました。

「けんかって言っても、ほとんど私が一方的に感情的になってキレてました。穏かな会話が少なくなって、思いやる気持ちもなくなって・・。それに、夫の不貞を疑って、携帯やカバンの中をチェックしていたのもばれていたと思いますし、夫は同居生活に疲れたのだと思います。私の存在も重かったでしょうし・・。」

そのほかにも、色々と夫婦間のエピソードが語られ、最後は「夫は、十分に嫌な思いをしていたので、離婚を求められても仕方がないのかも」とつぶやきました。

「今は考えられない」はもう通用しない

Cさんは、弁護士に相談に行ったこともあるそうで、早く応じた方が条件的に有利なことを知っていました。また、別居開始から既に2年が経過しており、離婚裁判になれば離婚が認められてしまう時期に差し掛かっていることも理解していました。そして何より、裁判所で争って離婚するというシナリオは避けたかったのです。

でも、どうしても自分から離婚に応じることができない。Cさんは、そんな状況に苦しんでいるのでした。

私、離婚した方がいいですよね・・

Cさんから「離婚した方がいいんですよね」と同意を求められたカウンセラーは、状況的には離婚に応じた方が賢い選択だと思うけれども、だからといって気持ちに反する決断もできないのも理解ができると伝えました。

そして、カウンセラーは、なぜ離婚に応じられないのか、何がネックなのか、離婚にどんな不安を感じているのか、そういったことを話題にしたいと提案しました。

最初、Cさんは、離婚したくない自分の気持ちをあまり深く洞察することができず、カウンセラーと次のようなやりとりをしました。

Cさん「経済的な不安とか」
カウンセラー「先ほどご自身が仰っていたとおり、離婚を早く決断した方が金銭的条件はいいですよ。」

Cさん「寂しい気持ちもあると思います。」
カウンセラー「別居で連絡も取れない現在の状況と何か変わりがありますか。」

Cさん「周囲から『結婚に失敗した女』だと思われるのが嫌なのかも」
カウンセラー「でも、2年も別居していたら、きっと周囲の皆さんも既に察していませんか。」

こんなやり取りが続く中で、カウンセラーは、Cさんに「答えたくなければそう仰ってください」と前置きをした上で、「ご主人をまだ愛しているんですよね。」と尋ねてみました。すると、Cさんは、少し黙った後、小さく頷きました。

この質問をきっかけに、Cさんはようやく自分の気持ち見つめる作業ができるようになってきました。そして、まだ好きな気持ちが残っていること、出て行かれてから反省もしたし、悪いところを直したいとも思っているけれど、そのチャンスをもらえていないこと、そもそも、別居以降、ほとんどまともなやり取りができておらず、納得のいく話合いがないことなどを話してくれました。

そして、夫から直接離婚したい理由を聞くことができ、その気持ちの強さが伝わってきたら、きっと諦められるのではないかとのことでした。

現時点で、夫は二人だけでの話合いには応じてくれません。だからといって、家庭裁判所の調停はかえってもめごとを大きくするようで不安です。Cさんは、理性的な第三者に仲介に入ってもらいつつ、お互いが腹を割って話し合いたいのだと言いました。

そこで、カウンセラーからは、ADRについて説明し、まずは納得のいくまで話し合って、それでもだめなら離婚を考えてはどうかとアドバイスしました。ただ、今日この場で結論を出す必要はなく、一旦持ち帰った上で、よく考えてはどうかとも伝えました。

新しい離婚の方法ーADRによる調停ー 
ADR調停(仲裁)よくある質問

そして数日後、Cさんから申立書が送られてきました。同封の手紙には、一人で考えていても堂々巡りだったのが、進むべきステップが明確になり、一歩踏み出せそうだということが書いてありました。

離婚は子どもを犠牲にしますか・・

<来談時のお悩み>
離婚したいけれど、子どものことを考えると我慢すべき?

なぜ私だけが負担増なの・・・

Dさんは、5歳の女の子のママです。仕事もフルタイムで頑張っています。そんなDさんが離婚を考え始めたのは、長女の育休を終え、仕事に復帰したころからでした。

復帰前、Dさんが家事・育児と仕事の両立に不安を感じていると夫に相談した際、夫は「できる限り協力する。」と言ってくれました。

しかし、実際には、全ての負担がDさんにのしかかってきました。

誰よりも早く起きて保育園の持ち物を準備し、朝食を作ります。夫は、長女を起こして着替えさせる役割でしたが、育休中にどっぷりとママっ子になった長女は何かと「ママがいい!」とDさんを困らせます。

出社後、昼食をとる間も惜しんで仕事に没頭し、夕方には保育園へダッシュです。そして、帰宅後は、疲れてぐずる長女の相手をしながら夕食の準備です。

子どもにご飯を食べさせ、お風呂に入れ、洗濯機を回して寝かしつけをして・・・・。そんな慌ただしい時間のどこかで夫が帰宅します。

疲れて帰ってきた夫は、まずは夕食を食べたがります。その後、子どもと遊んでくれたりお世話をしてくれますが、のんびりテレビを見ていることもあります。

そんな日々の中、Dさんはふとある疑問を抱きました。

「夫は、子どもができたことで、何か我慢していることがあるだろうか・・。」

Dさんは、残業や出張ができないことを理由に望むキャリアを諦めました。同僚や友達と食事に行くことも制限されていますし、自分の趣味のための時間なんて皆無です。

どうして自分だけがこんなに忙しく大変なのに、夫は「できるときだけ手伝う」というスタンスなのか。Dさんの心はささくれていきました。

夫はいらない・・・

そして、小さいながらもDさんの離婚への決意を促す出来事が積み重なっていきます。

ある休日、Dさんが前々から楽しみにしていた友人との食事に出かけたところ、長女の面倒をみている夫から「熱っぽいから帰ってきて」とLINEがきました。

渋々帰宅すると、夫はテレビを見ながらソファーで寝転んでいます。何度も体温計で熱を測っては、体調不良をアピールしてきますが、37度をちょっと超えただけです。

挙句の果てには、「俺は病人だから優しくしてほしい」、「病人の俺に子どもを預けて出ていくなんて、ひどい母親だ」という態度です。

Dさんは、「せっかくの楽しい時間だったのにごめんね」という言葉があったり、なるべく自分で頑張ろうとする姿を夫が見せてくれていたら、「体調不良なんだから、仕方がないよ」と言ってあげられたのかもしれません。

しかし、自分のことしか考えない夫の言動にうんざりするばかりです。

また、ある時は、用事を済ませて家に帰ると、台所のシンクが使った食器であふれていました。洗濯機にも汚れ物がたまったままです。夫曰く、子どもの相手をしていたから家事まで手が回らなかったとのことですが、その日の家事育児担当でありながら、無責任で無理をしない夫の姿に嫌気がさしました。

Dさんにとって、既に夫との生活は苦痛でしかなくなりました。顔を合わせれば激しい口論になります。夫のために食事を作ったり、夫の洗濯をしたり、そんなことが嫌で仕方がないのです。

既に夫への愛情がなくなった今、Dさんにとって、「夫との生活を我慢することで得られるものは何か」という視点でしか考えられないようになってきました。

しかし、家事も育児も手伝ってくれません。愛情や安らぎも得られません。強いて言うなら、経済的にはプラスになっていますが、Dさん自身もそこそこ収入があります。

夫がいない方がいらいらせず、楽しい生活が送れる。Dさんにとって、夫はいらない人になってしまったのです。

子どもを犠牲にしていいんですか・・

ここまで一気に話したDさんは、ふと視線をそらし、相談室のラックに置いてある絵本に目をやりました。そこに並んでいるのは、子どもに親の離婚を説明するための絵本です。

子どもに親の離婚を説明する本

そして、Dさんはカウンセラーに対し、「子どもがいなければ、何も迷いません。でも、自分が我慢できないからって、子どもから父親を奪っていいのか。その答えが出なくて・・・。」と涙ぐむのでした。

そこで、カウンセラーは、Dさんに対し、どんなことが心配なのかを尋ねてみました。

Dさんからは、「お父さんと毎日会えなくなるし、周囲からもそんな目で見られる。生活レベルも下がるし、3人で暮らしたがっている子どもから父親を奪うことになる。」といったようなことが語られました。

そして、「子どもにとって、親の離婚ってどうなんですかね・・。」とカウンセラーに助言を求めました。

カウンセラーは、5歳女児の発達段階もふまえ、親の離婚が子どもにどう影響を与えるのか、そんなことを話題にしました。

また、結局のところ、良い影響も悪い影響も両方あり、悪い影響を最小限にとどめる努力をするしかないことも伝えました。

Dさんは、カウンセラーと話していくうちに、以下のようなことを理解しました。

離婚を肯定する要因 
・親が犠牲になることを子どもは望んでいない
・けんかばかりの夫婦関係を見せることが良いとは限らない
・離婚をしても、子どもから父親を奪うことにはならない
・母親が不幸せな状態で子どもが幸せにはなれない

離婚を否定する要因
・子どもは絶対的に親の離婚を悲しむ
・生活環境の変化も子どもが不安を感じる要素
・家庭に両性の親がいないことのデメリット
・経済的ハンデを負う

その上で、Dさんは、やはり自分は離婚がしたいこと、そして、子どもの傷つきを理解した上で、親として責任をとるしかない、とう結論に至りました。

親の離婚を経験する子どもの心情を理解するために

前を向いたDさんは、とてもすっきりした顔で、子どものためにできる限りの努力をしたいと話してくれました。その上で、次のような疑問をカウンセラーに語りました。

・子どもに、いつ、どのように離婚を説明するか。
・説明はどんな内容が適切か
・離婚しても父子関係を良好に保つための共同養育とはどんなものか
・子どものための養育費の決め方は?

カウンセラーからは、親の離婚を経験する子どもの福祉を理解するための書籍や動画などが紹介され、また、当センターで行っている親共育プログラムへの夫婦揃っての参加も促しました。

Dさんは、夫の協力がないと、子どもに負担をかけない離婚は不可能だと判断し、夫婦としての最後の共同作業として、離婚後の共同養育計画を立てるため、当センターでのプログラム受講を決意しました。

僕、結婚相談所で失敗しました

<来談時のお悩み>
できるだけ早く、後腐れなく離婚したい

夫婦の歴史はありません

Eさんはとてもまじめそうな40代男性です。一か月前に妻と暮らす家を出て、現在は実家に帰っています。

カウンセラーが「今日、ご相談になりたい内容を教えていただけますか」と聞くと、Eさんは、「どうすれば早くあと腐れなく離婚できるか教えてほしい」と言いました。

さらに、これまでの夫婦の経緯を聞くと、一言「僕たち夫婦には歴史がないんです。」と言います。

Eさんご夫婦は結婚相談所で出会いました。Eさんは42歳、妻は38歳です。聞く限りでは、とてもごく普通の穏かな性格のお二人のようです。ただ、Eさんが語る内容から、夫婦がうまくいかなくなった理由が垣間見えました。

というのも、Eさん夫婦はスピード結婚でした。結婚相談所で出会ったわけですから、普通のお付き合いより結婚までの時間が短いのは当たり前なのですが、Eさんの場合、最初のデートから結婚を決めるまで、半年もありませんでした。

それだけスピード婚になった理由は、妻にあります。Eさんの妻は子どもが欲しいという気持ちが強く、年齢的にも早く結婚して妊活に励む必要があったのです。

しかし、この妊活への強い思いが夫婦にとっては落とし穴になったようです

え、不妊治療が先ですか…

結婚して同居生活が始まり、まず妻から言われたことは「一緒に病院に行って。」でした。Eさんは、戸惑いながらも、妻の求めに応じて病院に行き、検査をしました。

検査の結果、年齢的なこともあり、自然妊娠の可能性がないわけではないけれど、かなり確立は低いことが分かりました。そして、その日のうちに不妊治療開始となりました。

この時点で、Eさんは少なからず違和感を感じていたのですが、その違和感が決定的になったのは、妻が夫婦の営みに応じるつもりがないと分かった瞬間でした。

妻は、「もう不妊治療も始めたし、必要ないでしょう。」といった態度です。

Eさんは、それとこれとは全く別の問題だと思い、妻と話合いを持つことも考えましたが、結局、諦めました。そもそも、妻とEさんでは、最初から結婚に求めるものが違ったのです。

直接対話が効果的??

夫婦としての歴史が短く、子どももいません。そのため、財産分与も何もありませんし、養育費や面会交流について話し合う必要もありません。しかも、既に別居もしています。

加えて、妻にしてみても、うまくいかない相手との子どもを産んでも仕方がないのです。そのため、Eさんは、妻がすんなり離婚に応じてくれると思っていました。

しかし、別居後、妻から以下のようなメールが届いていたのです。

「何が不満で出て行ったのか、全く理解できません。私は、夫婦円満の生活だと思っていました。なので、あなたが離婚をしたいと言っても受け入れる気持ちになれません。治療のこともあるので、早く戻ってきてください。」

妻にとって、不妊治療を進めることが至上命題です。Eさんと離婚後、また一から婚活をして、そして再婚して再度赴任治療に取り組むことは、あまりに先が見えません。

そのため、Eさんの夫婦不和の現実に目を向けられないでいるようです。

Eさんは、こんな妻とどうやったら素早く後腐れなく離婚できるのか、そんなことをカウンセラーに相談しました。

カウンセラーが聞いたところ、Eさんは妻を避けるように突然に別居したため、まだ一度も面と向かって話合いをしていないと言います。

Eさんとしては、既に自分の気持ちは固まっており、話合いの余地はないと考えていたのです。加えて、ただ、妊活に没頭して周囲が見えなくなっている妻に対し、怖いような気持ちもありました。そのため、できれば、直接話し合ったり、議論する場を避けたかったのです。

カウンセラーからは、突然に離婚を切り出された側の心情が語られ、早く離婚したいのであれば、一度は面と向かって話し合ってはどうかとアドバイスしました。その上で、Eさんの妻はEさんを愛しているのではなく、子どもを産むことに執着していることを前提として、どんな内容を説明するのが効果的か、カウンセラーと相談をしました。さらに、妻と直接話しても埒が明かない場合の次の選択肢についてもアドバイスを受けました。

その後、Eさんから再度のご相談はありません。きっと、妻との話合いがうまくいったのだと思います・・・。

夫が不貞、でも離婚できない・・・

<来談時のお悩み>
夫が不貞しました。離婚した方がいいですか。

夫の不貞を許したはずなのに・・

Fさんは、結婚3年目。子どもはいません。共働きでフェアな関係でやってきました。

どちらかが仕事で遅くなれば、夕飯は別々に食べますし、休日もお互いに自分の好きなことをして過ごすことが多かったようです。

そんなある日、夫の不貞が発覚しました。夫は、平謝りに謝りました。どうやら、相手の女性とも関係を断ったようです。そのため、Fさんも一度は許そうと思ったのです。

しかし、それから1か月が経過したころ、Fさんは自分がうつのような症状に悩まされていることに気付いたのです。

食が細くなり、以前のように友人と飲みにいっても楽しめません。また、寝つきも悪くなり、布団の中で夫の不貞のことをぐるぐると考えてしまうのです。仕事中に突然思い出して涙が出てしまうこともありました。

そんな中、Fさんの頭には離婚の二文字が思い浮かぶようになったのです。ただ、まだ離婚を決意する段階には至っておらず、自分の今の気持ちを誰かに相談したいという思いで離婚カウンセリングにやってこられました。

不貞をされても離婚できない・・

カウンセリングに来られたFさんは、まさにキャリアウーマンを絵にかいたような素敵な方でした。そんなFさんは、夫の不貞は一度きりで終わったこと、夫は自分を愛していると分かっていること、そのため、結婚生活を継続しても問題ないと思っていることなどをハキハキと話しました。

しかし、最後に、何かがもやもやして気持ちが優れないことを付け加えました。

Fさんは、カウンセラーとのやりとりが進む中で、一度だったとしても、夫が不貞をしたことが大きなダメージになっていること、自分が「つまらない女」のレッテルを貼られたようで自信を喪失したこと、夫に優しくされる度に、夫と不貞相手のラインのやり取りを思い出してしまうことなどを涙ながらに語りました。

そして、こんなつらい思いをするくらいなら、いっそ離婚した方がいいとも思うけれど、夫の今の態度を見ていると、もう一度信じてもいいような気がしていることも話してくれました。

Fさんは、どうしていいか分からなくなり、色々な人に相談したそうです。身近な友人にも相談しましたし、夫婦カウンセラーや弁護士にも相談しました。でも、答えは見つからなかったのです。

そして、当センターでも同じようにカウンセラーに尋ねました。

「男性って、一度不貞する人は繰り返すものなんですか。」、「不貞されたことをいつかは忘れられますか。」、「一度でも不貞されたら離婚した方がいいですか。」、「どちらにしても、不貞の慰謝料の時効がくるまでに離婚した方がいいですよね。」など、とめどなく質問があふれてきます。

カウンセラーは、Fさんの混乱や迷いを受け止めた上で、残念ながら、それらの質問に決まった回答はないことを伝えました。

カウンセラーの経験上、一度許された不貞は繰り返されることが多いように思うけれど、Fさんの夫が繰り返すかどうか分からないこと、不貞されたことを忘れられるかどうかはその後の生活の仕方によること、離婚した方がいいかどうかは他人には決められないことなども話しました。

Fさんは、どうしたらいいのか分からないと途方にくれています。

そこでカウンセラーは、Fさんが感じていることや考えていることで、一番気持ちが強いものから教えてほしいとお願いしました。

そうすると、Fさんは、以下のとおり話してくれました。

1位 夫が不貞をしたという事実が辛い
2位 でも離婚を決断できない 
3位 再び裏切られるのが怖い

そしてFさんは、その順位の順番で、カウンセラーと話合い、以下のように結論付けました。

・不貞の辛さは簡単に消えない。付き合っていくしかない。でも、継続的にカウンセリングに通ったり、うつ症状がひどいときは心療内科を受診することも検討する

・離婚を決断できないときは無理に決断しなくてもいい(離婚すべきか、という考えは捨てて、今は離婚に踏み切れないという気持ちを受け入れる)

・再び裏切るかどうかは相手しだい。自分がコントロールできることではない。自分ができることは「今度不貞したら〇〇の条件で離婚に応じる」といった公正証書を作っておくことくらい(ラストワンチャンス公正証書

迷っている間は離婚できない

Fさんは、カウンセリングの終盤、ちゃんと自分の気持ちを明確化することができました。

「私、多分、離婚したくなかったんだと思います。だから、最初に浮気が分かったときも、『たった一回だけ、もう関係も終わっている、きっと大したことない』と自分に言い聞かせたんだと思います。でも、やっぱり心は正直で、すごくしんどくなって。それで、誰かが背中を押してくれたら離婚できるかもしれないと思って、『浮気は繰り返すよ』とか『不貞する夫は離婚した方がいい』って言ってほしかったのかもしれません。でも、今日、『迷っている間は離婚できない』って言われたのがストンと落ちました。私、多分、誰に何を言われても今は離婚できません。ただ、やっぱり馬鹿正直に信じることはできないので、公正証書の作成を手伝ってもらえますか。」

もともと、Fさんはとても聡明な方でしたが、カウンセラーとのキャッチボールによって、自分の気持ちを明確化し、そして受け入れたのでした。

その後、Fさんは、自分の気持ちを正直に夫に伝え、公正証書を作成しました。あの後、Fさんからの連絡はありません。ですので、Fさん夫婦が幸せにしているのか、それとも夫が不貞を繰り返す結果になったのかは分かりません。

ただ、きっとFさんは、自分で下した決断に納得しているのではないかと思うのです。

離婚に理由は必要ですか?

<来談時のお悩み>
私、離婚してもいいレベルですか?

友達夫婦もいいけれど・・・

Gさんは、いたって普通の印象の30代女性。婚姻期間は6年、子どもはいません。最近、夫との離婚を考えるようになったけれど、いま一歩踏み出せない状況です。

Gさんと夫は共働き。平日はお互い忙しく、夕飯を一緒に食べることはあまりありません。週末は一緒に過ごすこともありますが、基本的にはお互い自分の趣味の時間や友人と会う時間にあてているとのことです。

結婚したころは、そんな友人みたいな夫婦関係もありだと思っていたし、自由な感じが気に入っていたと言います。

ただ、Gさんは、月日が経つうちに、単なる同居人と化した夫との共同生活に何となく違和感を感じ始めたのです。

金銭問題は夫婦関係を壊しかねない??

その違和感の発端は、お金でした。Gさん夫婦は、共働きですが、夫の方が収入は上です。しかし、結婚当初から、何となく生活費は折半で、Gさんも夫と同じだけ負担していました。

Gさんは、段々とそのことに疑問を感じ始めたのです。本当に単なる同居人であれば、お互いの収入に関係なく、全て折半がフェアな感じがします。しかし、Gさんたちは夫婦です。本来助け合って生きていくべき夫婦という関係にありながら、何でも対等に負担させられることに理不尽さを感じるようになったのです。

さらに、Gさんの親の相続に関し、相続した遺産を家計に回してくれと言われたこともありますし、Gさんの誕生日プレゼントには何もくれないのに、自分は平気で高額な買い物をしていることもありました。

一旦、そんな目で夫を見始めると、夫の全ての言動が冷たく、せこく聞こえてきます。Gさんは、段々と夫と同じ空間で生活することが苦痛になり、離婚を考えるようになりました。

離婚に理由は必要ですか

Gさんはしきりに、「こんなことで離婚していいんですか」、「こんなことで離婚する人はいますか」、「みなさんはどんな理由で離婚するのですか」と聞いてきます。

カウンセラーはGさんの質問に答えつつ、離婚理由は必ずしも必要ではないこと、ただ、相手に説明して理解を得ることは必要なことなどを伝えました。

Gさんにとっては、「離婚に理由はなくてもいい。」、「離婚したいという気持ちになったことが離婚理由」というカウンセラーの言葉がとても驚きだったようです。

そして、夫への切り出し方や離婚話の進め方等について、カウンセラーと相談して決めることができました。

妻に浮気がばれました。怖くて家に帰れません

<来談時のお悩み>
浮気をしてしまいました。妻が怖くてどうしていいか分かりません・・

僕は最低な浮気夫なんです

Hさんは、カウンセリング室に入ってくるなり、「まあ、僕が悪いんですけど」と口火を切りました。

そして、妻子がいるにもかかわらず、随分年下の女性と浮気をしてしまったこと、その浮気が妻にばれてしまったこと、自分でも自分が最低な男だと思うけどれ、今となってはどうしたらよいか分からないことなどを話しました。

カウンセラーは、まずは、Hさんが「自分でも最低だ」と思うようなことを話してくれたことに感謝し、その上で、どのように進めていくのがHさんにとって最良なのか、一緒に考えていきたいと伝えました。

ところが、Hさんは、今後の話をしようとしても、どうしても過去の浮気の話に戻っていきます。カウンセラーは、まずは、Hさんの「ひっかかり」が何であるか、探っていくことにしました。

帰宅恐怖症が浮気の理由?

すると、Hさんは、妻にひどく侮辱される人生を歩んできたことが分かりました。Hさんの妻は姉さん女房です。毎月、給料明細の手渡しを義務付けられ、不甲斐ない金額だと文句を言われます。そして、妻は何か気に入らないことがあると、「グズ」、「バカ」とHさんを罵り、娘に対し「あんたは男選びに失敗しちゃだめよ」と言い放ちます。喧嘩になると、二言目には「離婚して」、「出て行って」と言われます。挙句の果てには、家族付き合いをしている友人夫婦との食事の場でも、同じようにバカにされるのです。

Hさんはそんな毎日の中で、家に帰るのが辛くなり、無意識のうちに帰宅時間を遅らせたり、気付けば電車を乗り過ごして次の駅に来てしまっていることもありました。いわゆる帰宅恐怖症です。

そんなときに男として頼りにしてくれた女性と不貞関係になってしまったのです。

カウンセラーは、だからといって不貞が許されるわけではないけれど、Hさんが辛かった気持ちも痛いほどよくわかるとを受け止めました。Hさんは、不貞を責められなくてほっとしたこと、辛かった気持ちを聞いてもらえて心が軽くなったことなどを話し、ようやく、今後の話をする姿勢を見せ始めました。

不貞した側から離婚できる?

当初、妻に謝って許してもらいたいのか、それとも離婚したいのか、自分の気持ちがよく分からないと話していたHさんですが、最終的には、不貞は誠心誠意謝るけれど、既に妻との良好な関係は期待できず、離婚したいと結論を出しました。

その後は、カウンセラーと離婚の進め方や妻に対する切り出し方などを話し合い、最終的には具体的なスケジュールまでイメージできるようになりました。

Hさんは不貞をした有責配偶者です。そして、「離婚して」、「出て行って」と口癖のように言っている人ほど、離婚を本気で考えたことがないものです。そのため、Hさんの妻は簡単には離婚に応じないかもしれません。しかし、Hさんは、まずは、とにかく悪いことをしたことを謝りたい。そして、妻と離れられるなら、お金は惜しくない。今の自分にとって何が一番大切か、優先順位をはっきりさせて問題を解決していきたいと話し、帰っていかれました。

熟年離婚か卒婚か、そんなことどちらでもいいんです・・

<来談時のお悩み>
夫と別々に住むことは可能か

私、夫源病なんです・・

Iさんは70代前半の女性です。こういう相談は初めてなんですと、遠慮がちに入ってこられました。

そして、「夫婦の歴史が長すぎるので、何から話していいか分からないのですが、とにかくアドバイスが欲しくて・・・」と言って話し始めました。

Iさんは、2歳年上の夫と二人で暮らしています。Iさんの夫は典型的な亭主関白で、定年退職後も自宅で偉そうに振る舞っています。3度の食事の準備や家事を手伝うこともせず、テレビばかり見ています。協調性がないため、友達もいませんし、これといった趣味もありません。一日のほとんどの時間をリビングで過ごし、Iさんの言動に不平・不満を言うのが日課です。

夫の退職後、Iさんは心身の調子を崩しがちになり、これがいわゆる夫源病かと他人事のように思っていました。

そして、もう一つ大きな問題がありました。お酒です。Iさんの夫は、昼間から前後不覚になるほどお酒を飲み、Iさんに暴言をぶつけてはふて寝するのです。

Iさんは、そんな毎日を当たり前の日常と受け止め、我慢してきました。「古いタイプの人間なので、我慢して当たり前、離婚なんてとんでもない」と思っていたそうです。

夫の介護はできません・・・

そんなIさんに転機が訪れたのは、旧友との再会です。これまで、Iさんは夫の3食のお世話があることから、外食もままならず、都会に住みながらも世間とかかわりが少ない生活をしていました。しかし、ある時、高校の同窓会の案内が自宅に届きました。Iさんは、日ごろの閉塞感に耐えかねていたこともあり、数年ぶりに参加することにしました。

久しぶりの同窓会では、たくさんの懐かしいメンバーと再会し、様々な話をしました。まさに、人生いろいろです。Iさんも、最近の自分の生活のことや、夫に困っていることなどを話しました。時々しか顔を合わさない安心感がIさんのガードを下げさせたようです。

そうすると、みんな口々に「我慢して一緒にいることはない」、「人生まだ長いよ」などと勝手なことを言い始めました。そして、その中でも、Iさんの心に残ったのが次の一言でした。

「あなた、そんな旦那の介護、できるの??」

そんなこんなで心が騒いでしまい、カウンセリングに訪れたとのことでした。

別居を考えるとワクワクします

Iさんは、離婚をしたいのか、それともまだ我慢ができるのか、自分でもよく分からないと言います。そこで、カウンセラーは、まずはIさんの気持ちを丁寧にたどっていくことにしました。

カウンセラーの質問に答えていくうちに、Iさんは、自分が夫と離れて暮らすという選択肢に魅力を感じていることを自覚しました。ひとりで自由な時間を過ごしている未来を想像すると、ワクワクするというのです。

Iさんはクラス会で多様な人生と多様な選択肢に触れたのでした。そして、夫への介護や夫に介護されることを想像し、もう無理だと感じるのと同時に、夫から解放された生活を想像し、明るい未来を感じているのでした。

そして、最後には、「私、やっぱり、このまま夫とは暮らせません。」と宣言しました。

夫にも選択肢を与えます

そして、次に話題になったのが、別々に暮らすための具体的な方法論です。

Iさんは、卒婚という言葉も知っており、別々に暮らしながら婚姻を継続する方法もあるのか、それともやはり離婚の方がいいのか、それぞれの違いは何なのか、そんなことをカウンセラーに質問しました。

カウンセラーは、金銭的なことも含め、場合分けをしながらIさんと一緒に考えました。その結果、Iさんは、次のように結論付けました。「私、形にはこだわりません。長年連れ添った夫婦ですから、離婚か卒婚か、夫にも選択肢を与えます。ただ、私は、もう夫とは暮らしません。」

入室時のおろおろした様子のIさんは、もうそこにはいません。目には力がこもり、自分の言動で未来を変えていく可能性に胸を震わせている様子でした。

Iさんは、飲酒していない夫であれば、まだ話ができそうなこと、そして、その夫の反応を見た後、再度、ご相談に来られることになりました。

帰り際には、「私の人生、まだ赤子が成人するほどの長さがあるかもしれないのよ。我慢するだけではもったいないわ。」と言って帰っていかれました。

円満別居って可能ですか・・・

<来談時のおなやみ>
争わずに別居したい

イクメンがあだになって・・・

Jさんは、フルタイムで働きながら5歳と7歳の男の子を育てているママです。夫婦仲が悪くなってから既に3年。だましだましやってきましたが、モラハラ夫の言動に心身の不調が出始め、離婚を決意するに至りました。

Jさんの夫は、外資系コンサルで働いています。高収入な上に、時間が自由になるので、子育てにも協力してくれます。Jさんは、いつもママ友に羨ましがられていました。

しかし、家庭では違う顔を見せるJさんの夫。Jさんだって誇りとやりがいを持って働いていますが、「おまえと俺では仕事の社会的価値が違う」、「そんな仕事のために家事・育児をおろそかにしてほしくない」とJさんの仕事を蔑むような発言をします。

また、一緒に買い物に行っても、自分のためには高いワインを買いますが、Jさんが買い物かごに入れたビールは「お前にアルコールを飲む資格はない」と棚に戻します。

そして何よりJさんが耐えられないのが、子どもたちの前でJさんをバカにすることでした。最近では、長男のJさんに対する言動が夫と似てきたような気さえするのでした。

Jさんは、子どもたちが夫と同じような男性に成長することが不安で仕方がありませんでした。

夫の本音はどこに??

離婚に向けて、別居を決意したJさんは、夫にその旨を伝えました。しかし、夫は、「出ていくなら、おまえが一人で出ていけ。」というだけで、その先の話合いに応じようとはしません。

そこで、Jさんは、どんな風に別居や離婚の準備をしたらよいか弁護士に相談しましたが、夫婦の共有財産を把握しておけとか、預貯金通帳の履歴を写真にとっておけなどとアドバイスをくれるだけで、何だか戦闘モードなのです。

その話を聞き、まずは、カウンセラーから、Jさんの問題解決のスタンスについて尋ねました。Jさんは、確かに一日も早く家を出たいけれど、なるべく穏便に済ませたいと語りました。

夫と争うことは怖いし、子どものためにも、ある程度良好な関係を保っていたいとのことでした。

そうであるならは、まずは、夫の気持ちや状況を一緒に想像してみようとカウンセラーは促しました。

おそらく、夫にしてみれば、別居や離婚を迫られるなんて、晴天の霹靂であり、プライドも大変傷ついたはずです。一方で、子どもを置いていけと言ったものの、自分ひとりでは2人を育てるのは難しいことも分かっているはずです。

Jさんは、これまで、「出ていくなら、おまえ一人で出ていけ」という夫に対し、なんて意地悪で理不尽な人だろうと思っていましたし、怖さを感じていました。しかし、カウンセラーと話をしていく中で、きっと夫は、気持ちよく家長として君臨していた生活が危機にさらされ、何とか現状を維持しようとあがいている状況なのではと思い至りました。

負けて勝ち取る??

次に、Jさんの心の片隅にあった、夫に黙って子どもを連れて別居し、居所も秘匿するという選択肢です。

Jさんは、弁護士にも相談したことがあるので、いくら夫がイクメンだったとしても、主たる監護者はJさんであること、夫の言動は言葉のDVであり、それによって心身の不調が出ているJさんは女性保護施設に入所したり、居所を秘匿するために支援措置を利用し、住民票に閲覧制限をかけることができることも知っていました。

しかし、Jさんが無断で子どもたちを連れて別居をしたら、夫はどんな行動に出るでしょうか。これもカウンセラーと一緒に考えてみました。きっと夫は、腕利きの弁護士に相談し、家庭裁判所にできる限りの申立てをするでしょう。勝手に出て行ったのだから、婚姻費用は払わないという嫌がらせをするかもしれません。

Jさんは、そんな風に戦ってしまうのは嫌だと言います。夫は、いい父親であることには変わりなく、父子関係を切るようなことはしたくなかったのです。

そんな事態を避けるためには、どんな進め方があるのか。次の話題はそこです。

第三者を入れての離婚協議

カウンセラーとJさんは、夫の心情を想像しつつ、進め方を相談しました。Jさんの夫のような性格の男性は、夫婦の上下関係の中では、理不尽だったりしますが、一歩社会にでると、合理的で物分かりがいい様子を見せることが多いものです。

そのため、別居や離婚に関しても、第三者を入れつつ、冷静に話を進めることがよさそうです。

ただ、現在の夫は、とても敏感で攻撃的な状態になっているため、第三者として誰を入れるのかを慎重に検討しなければなりません。

カウンセラーからは、話合いの仲介として、親族や友人、弁護士を間に入れるという方法があること、また、話合いの場として、家庭裁判所の調停のほかにもADRという仲裁の制度があることも説明されました。

Jさんは、それぞれの話合いの方法のメリット・デメリットを知った上で、まずは、ADRを利用してみることを考えました。

ADRは、土日の利用が可能であったり、メールやスカイプを使った解決ができたりと、夫のニーズに合うと思ったからです。ただ、それに夫が応じない場合、家庭裁判所の調停に進まざるを得ないが、その際は、自分ひとりで夫とやりあう自信がないため、弁護士に依頼することにしました。

このように、離婚カウンセリングを通して、Jさんは、次のことを明確化することができました。

・自分が大切にしたい問題解決のスタンスは「穏やかさ」であること
・夫は意地悪なだけではなく、不安や寂しさも感じていること
・第三者を入れた方が合理的な話合いができそうなこと
・第三者として、まずはADR、その後に家裁の調停という流れが気持ちにマッチしそうだということ

離婚カウンセリングでできること

当センターの離婚カウンセリングにこられる相談者のみなさまは、望む側か拒否する側かの違いはあっても、「離婚」という言葉が比較的身近にある人がほとんどです。

しかし、一方で、離婚をするかどうか迷っている、離婚は決意したが、その方法が分からない、そもそも、目の前にある問題をどう解決していいか分からない、といった曖昧模糊とした気持ちや状況に困っておられる方も多くいます。

離婚カウンセリングで得られる主な効果は以下の5つです。

①自分の気持ちが明確になる
②相手の気持ちに気付くことができる
③自分の前にある選択肢が明確になる(現状把握)
④ゴールに向けての具体的な進め方が分かる
⑤気持ちが楽になり、前を向ける

他にも、離婚カウンセリングによって得られる効果は人それぞれですが、⑤の気持ちが楽になるという効果はほとんどの方が実感できるのではないかと思っています。

まだまだ、離婚の相談をできる場所は多くありませんが、是非、お一人で悩まず、早目早目に専門家にご相談いただければと思います。

当センターでの離婚カウンセリングについては、以下に詳細を記載しています。
離婚カウンセリング

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制度をご説明させていただきますので、ご連絡先の電話番号及びご都合のよろしい時間帯をご記入ください。

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