今回のコラムでは、妻(夫)から離婚を切り出された場合の「考える道筋」を提案します。
相手の気持ちをしっかり聞く
相手が話し終わるまでしっかり聞く
まずは、なぜ相手が離婚したいと思うに至ったのか、しっかりと聞きましょう。離婚する夫婦の中には、驚くほど意思疎通ができていない夫婦が多いものです。けんか腰の会話や言い争いではなく、落ち着いて話し合いましょう。
とはいうものの、落ち着いて話をするのは意外と難しいものです。そこで、「これだけ守れば最低限大丈夫!」という方法をお教えします。
それは、「相手が話し終わるまで口を開かない。」ということです。
簡単なようですが、意外とこれができずに話し合いがうまくいかないことが多いのです。
テレビの討論番組などで他人が話しているのを遮って話す姿が見られますが、どんな印象を持たれるでしょうか。
あの種の番組は一種のパフォーマンスも大切ですし、ディベートの場でもあるので、夫婦の話し合いと比べることはできませんが、議論が深まるどころか雰囲気が悪くなっていくのが分かると思います。
話し合いの目的は勝ち負けではなく、相互の理解を深めることです。
説得しようとしない
話し合いのポイントとして「説得しない」というのも大切です。特にモラハラ系の方は、ついつい相手に「うん」と言わせようとしてしまうので注意が必要です。
例えば、以下のような会話はどうでしょうか。
妻「あなたが育児を手伝ってくれないのが嫌なのよ。」
夫「だって育児は君の仕事だろ。俺は外で稼いできてるんだから。」
妻「でも、初めての育児は不安で大変なのよ。しかも、育児は土日だって休みがないのよ。せめて土日は手伝ってよ。」
夫「俺が土日も休めず体を壊したらこの家はどうなるんだ。君は一家の大黒柱に土日も身を粉にして働けというのか。」
妻「そこまでは言ってないけど・・。」
夫「俺は家族全体のことを考えて言ってるんだ。君も分かってくれるよな。」
妻「・・・・・。」
これでは、妻の不満は募るばかりです。 会話で説得しようとしたり、相手に勝とうとしてしまうと、相手の気持ちを聞いたことにはなりません。
相手の気持ちを見極める
話し合いの中で、相手の本気度を理解することも大切です。
謝ったり、何かを改善すれば考えなおしてくれるレベルなのか、それとも既に心は決まっているのか、その見極めが大切です。
もし、相手があなたの気持ちを試したり、いつものけんかの延長で「離婚」を切り出したのであれば、まだまだ修復は可能です。相手の気持ちをしっかりと聞き、改善すべき点を考えましょう。
しかし、相手の気持ちが変わる余地がなさそうであれば、「自分はどうするのか。」を考えていくことになります。
相手が別居を含めどこまで今後の生活設計を計画しているのか、その計画は現実的であるのか等を聞いたり考えたりすることで、相手の本気度がはかれます。
情報を収集する
相手の離婚意思が固い場合、その気持ちを受けて自分はどうするのかを考えていくことになりますが、その前に必要なのが考えるための情報取集です。
自分の気持ちだけを漠然と考えいても、堂々巡りで答えは見つかりません。
法律相談やカウンセリングなどで以下のようなことを聞いてみましょう。
- 自分の気持ちを見極めるために必要な情報は何か
- 離婚したくないと言い続けた場合に起こりうること
- 離婚に応じた場合に起こりうること
- 他の夫婦の事例など
自分の気持ちを見極める
そして最後に必要なのが自分の気持ちを決めることです。
一体自分は離婚に応じる気持ちがあるのか、それとも、決して応じられないのか。はたまた、当面はどちらかに決めることをしないのか。
離婚を言い渡されたときというのは、気が動転するものです。じっくりと自分の気持ちを考えていきましょう。
何をどう考えればいいか分からない、一人では決められないなんていう場合は、離婚カウンセリングもおすすめです。
一番大切なのは自分で決めたという能動感
以上をまとめますと、以下の順序となります。
- 相手の気持ちをよく聞く
- 相手の気持ちを見極める
- 情報を収集する
- 正しい将来予測を持った上で自分の気持ちを決める
どんな結論を出すにしても、一番大切なのは、「自分で決断した。」という能動感です。
「〇〇させられた。」という受動的な決め方だと、いつまでたっても前を向いて進むことができません。是非、離婚カウンセラーや弁護士などの第三者の力も借りながら、納得のいくまで考えてみてください。