夫婦カウンセリング

謝るのが苦手なあなたへーパートナーとの絆を深める謝罪のコツー

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夫婦ふたりの考えが合わずに喧嘩になってしまったときや自分が相手を傷つけてしまったとき、自分が約束を破ったとき、あなたはパートナーに素直に謝罪の気持ちを伝えていますか。

生活の中で、自分が相手に謝らなければならない場面はたくさんあります。

今回は、ふたりの心が離れたと感じたとき、自分がどういう気持ちで、どんな謝り方をすればパートナーとの心の距離が近づくのかについて考えていきたいと思います。

 理想的な謝罪のプロセス

 次のような出来事があったとき、あなたはどう謝りますか。

あなたが保育園のお迎え当番だったのに、うっかり忘れ、飲み会に行ってしまった。保育園からパートナーに電話があり、急遽パートナーが子どものお迎えに走った。

 謝りたい出来事について具体的に話す

「昨日は、私が保育園のお迎えに行く日だったのに、忘れて飲み会に行ってしまってごめんなさい。あなたは、仕事が忙しくて残業をしたいと言っていたのにそれもできなくなって、本当に申し訳なかったと思っている。」

「それに昨日、帰って来た時、あなたは私を怒ったけど、『いつもちゃんとやってるじゃん』とか言って、逆にあなたを責めちゃって悪かった。」

 自分の行動の理由を説明する

「昨日は私が保育園に連れて行ったから、お迎えはあなたが行ってくれるものだと思って誤解していたの。でも水曜日はいつも私がお迎えだから、確認もしないで、自分が勝手に思い込んでしまったのだと思う。」

「帰って来たとき、私が間違えていたんだとわかったけど、素直にそれを認めることができなかった。なんか、『いつも自分は頑張ってるんだからいいじゃん』みたいな、自分を正当化してしまった。」

 パートナーの気持ちを想像して共感する

「でも、あなたは、そんな私の態度に本当に頭にきたよね。お迎え当番でないのに、保育園から電話があって驚いたと思うし、どうして私が迎えに行ってないんだろうと焦ったと思う。」

「あなたの仕事の予定も崩れたし、おまけに、私がお迎えに行かなかった理由が飲み会じゃね。あなたが私に怒るのは当然だったと思うんだ。」

 今後はどう行動するかを話す

「これからは、スケジュール表にしっかり書いて間違えないようにするよ。忘れないようにする。もしできれば、ふたりの共有のスケジュール表に送り迎えの当番を書き込むようにできないかな。そうすれば、ふたりでチェックできて、行き違いを防止できると思うんだけどどう思う?」

 謝罪における4つのポイント

謝っても許してもらえないときもある

自分が反省して謝っても、期待通りパートナーが許してくれるとは限りません。パートナーにはパートナーの考えや思いがあり、自分とは違うタイミングの中で生きています。

ですので、パートナーの反応に過度な期待はせず、とにかく、「自分が悪かった」を誠実に伝えられれば良しとしましょう。

あなたを許す、許さないを決めるのはパートナーの自由です。自分が悪いことをしたのだと心から思うのならば、相手が許す気持ちになるまでじっと待ちましょう。待つことは、動くことよりずっとつらいものですが、パートナーのことは自分には変えられないのです。

心からの謝罪でなければ、関係が余計悪くなる

自分が悪いことがわかっていればいるほど、素直に謝れないという経験をした人もいるのではないでしょうか。

相手が自分を労わってくれる言葉をかけてくれたら、そこが糸口になって謝れたかもしれないのに、自分のプライドが邪魔をして「ごめんなさい」が素直に言えない。

それどころか、少し相手を馬鹿にしたような言い方で、口先だけで「ああ、悪かったよ。ごめん、ごめん」などと言った経験はありませんか。

そうすると、ふたりの関係は更なる亀裂が入ります。パートナーは、あなたから見下されたと感じ、更に怒りを増幅させます。

中には、「自分のため」に謝罪をする人もいます。例えば、DV夫が離婚されないために「悪かった」と謝ることがあります。また、このまま喧嘩をしていては、生活に支障が出るから仕方なく謝罪する人もいます。

そうした謝罪は、相手の嫌だった気持ちに共感し、心から反省した上での謝罪ではありません。いい加減な謝罪をするくらいなら、謝らない方がましかもしれません。

時間は解決しない 

自分にも非があると気づいていながら、謝ることを先延ばしにしていませんか。そうする理由の中に「そのうち、忘れてくれるかも」と願っていませんか。

自分が信頼していた人との間に起こった、くやしかった、つらかった、悲しかった出来事は忘れたいのは山々ですが、残念ながら忘れられないものです。傷ついた心の傷は消えません。

心の中にモヤモヤが残り、いつまでもいつまでも尾を引きます。しかし、相手からの謝罪があって、自分にも悪いところがあったと思えれば、傷は消えなくともふたりの新しい関係を始めることができます。

例えば、離婚協議の場では、「あなたは、産後の辛い時期に何も手伝ってくれなかった」等と、十数年前の出来事が離婚理由のひとつとして語られます。既に子どもが大きくなっていても、過去の傷は癒えていないのです。

どちらにも非があることが多い 

夫婦喧嘩の場合、「100対0」、「どちらか一方だけが悪い」ということはほとんどありません(もちろん、一方のみが悪い場合もまれにありますが)。お互いに何かしらの足りなさがあり、ぶつかっています。

喧嘩をすると、自分がいかに正しく、パートナーがいかに間違っているかという思考に陥りがちですが、そこへの焦点付けは、お互いが疲れるだけです。自分の悪かったところに気づくことができ、そこにだけ焦点を当ててパートナーに謝罪すれば、パートナーも自分自身に目を向けやすくなります。

 夫婦生活は異文化のぶつかり合い

これから「夫婦の距離を近づける方法」をコラムにしてお知らせしていきたいと思っています。皆様がそれをお読みになって色々感じ、ご夫婦の距離を近づけるために役立てて頂けたら嬉しく思います。

違う文化で育ったふたりが人生を共にすることはぶつかることの連続です。考えや思いがぶつかっても、それに上手く対応できればそのぶつかりがプラスの意味をもたらします。

ふたりの絆がより深いものになるためにこれまでの自分の謝罪の在り方を見直してみてください。

また、ふたりだけでは関係性の改善が難しいとお感じであれば、ぜひ夫婦カウンセリングもご検討ください。

夫婦カウンセリングについては以下のページよりご確認いただけます。
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