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家庭裁判所調査官のお仕事

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カサイチョウサカンって火災調査官?

以前、友人に「カサイチョウサカンって、火事の出火元とか調査するの?」と聞かれたことがあります。 家裁調査官の仕事はそれほど有名ではないので、このような面白い間違いをされるわけです。

また、当センターにご相談に来られる方の中には、家裁の調停委員と家裁調査官の区別がついていない方もおられたりします。そこで、今日は少し家裁調査官のお仕事を紹介したいと思います。

まず、裁判所は、最高裁判所、地方裁判所、家庭裁判所など、いろいろな種類があります。そして、そこで働いている人たちの職種は「裁判官」と「書記官」とよばれる人たちが主です。みなさんもご存知のとおり、裁判官は判決を下す人です。そして、書記官は、裁判事務のほとんどを担っている法律のプロフェッショナルです。

一方、家裁調査官は家庭裁判所だけに配置される職種で、仕事の種類は少年事件と家事事件の2つがあります。

少年事件

まず、少年事件とは、14歳以上(原則)20歳未満の少年・少女たちが起こした犯罪をいいます。例えば、神戸の連続児童殺傷事件の「酒鬼薔薇聖斗」も少年事件ですし、駅に放置されていた自転車を乗って帰ったとか、バイクで暴走行為をしたというのも少年事件の対象になります。

家裁調査官は、実際に犯罪を犯した少年と面談したり、その両親や学校の先生、職場の雇い主等に話を聞かせてもらったりしながら、少年がなぜ犯罪行為をするに至ったかを考え、その結果、どのような処分(保護観察とか、少年院収容とか)がいいかを考えるお仕事です。

もちろん、決めるのは裁判官ですので、家裁調査官のお仕事は、調査によって明らかになったことと処分に対する意見を裁判官に提出することです。

家事事件

離婚などの夫婦問題や遺産分割などの相続問題について、調停に立ち会ったり調査をするのが、家事係の家裁調査官のお仕事です。

離婚案件についていえば、親権でもめているときなどに子どもの生活状況を調査したり、面会交流に対する子どもの気持ちを聞いたりします。また、精神的に不安定だったり、「自分でもどうしたらいいか分からない。」といった人から話を聞き、調停の進行に役立てたりもします。

また、「子どもが精神的に不安定だから父親(母親)には会わせられない。」という主張がされた場合に、子どもの主治医に話を聞きに行ったりもします。

かかわり方は様々ですが、離婚案件につき、当事者双方の話し合いだけでは解決しそうにない場合、特に子どものことが問題になっている場合に調査や調停・審判への出席という形でかかわるのが調査官のお仕事です。

興味のある方は最高裁判所のHPでの家庭裁判所調査官の紹介ページパンフレットをご覧になっていただければと思います。

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