今日は円満離婚に欠かせない3つの要素についてお伝えします。争わずに早期に離婚問題を解決したい方は是非お読みください。
事前準備(計画性)
納得のいく離婚をするためには、事前の準備が欠かせません。
離婚理由に関する証拠
例えば、DVを主張したい場合、口頭で主張するのと、写真や診断書があるのとでは大違いです。また、モラハラや暴言なども同様です。日々の言動を日記につけたり、怒鳴られている場面を録音しておくことで、客観性を担保することができます。
こういった証拠は、裁判所で利用することだけが目的ではありません。相手に離婚を決断してもらうために使うこともあります。また、自分自身が現状を把握したり、客観的に考える材料にもなります。
経済的離婚条件のための準備
財産分与に関しても、「もっとお金があったはず」と主張するのと、「〇〇銀行の△△支店にこのくらいあったはず。」とか、「数年前に〇〇証券から取引明細が送られてきた」と指摘できるのとでは大違いです。
最近は、銀行口座も証券口座もネット上で取引が可能ですので、なかなか本人以外が把握するのが難しい状況ではありますが、まずは何か資料がないか探してみましょう。
また、相手の収入が分からない場合も同様です。例えば、保育園の学童保育の申込の際に提出した収入証明にはいくらと記載されていたでしょうか。もしくは、地域によっては、配偶者であれば課税証明が取得できるところもあるようです。
まずは、そういった経済的な資料を集める努力をしてみましょう。
子どもへの説明
もし、あなたにお子さんがいるなら、一番大切な準備はお子さんへの説明かもしれません。別居や離婚に至る前に、まずはお子さんに年齢に応じた説明をしてあげましょう。説明内容は以下のようなことです。
別居や離婚に至った理由
小さいお子さんであれば、「パパとママは、一緒にいると喧嘩をしてしまうから、別々に住むことにしたよ」という程度で構いません。
年齢が大きくなると、ある程度具体的な理由を伝えざるを得なくなりますが、相手を誹謗中傷するような言い方ではなく、あくまで客観的事実のみを伝えましょう。
今後の生活の見通し
子どもが一番心配なのは、今後の生活のことです。誰とどこに住むのか、転校や転園はあるのか、いつものお友達とは遊べるのか、習い事を続けることはできるのか、そういった身近な生活の変化が一番気になります。
まずは、変わることと変わらないことを丁寧に説明してあげましょう。
別れて暮らす親にも会えること
親から別居や離婚を告げられて、子どもが一番悲しいのは、一方の親と一緒に過ごせなくなることです。ですので、別居や離婚をしても、親であることは変わらないし、いつでも合えることを伝えてあげましょう。
専門家への相談
多くの人にとって、離婚は初めての経験です。そのため、まずは、様々なキーワードでネット検索をする方もおられるのではないでしょうか。
今の時代、ネットで調べれば、たくさんの情報が出てきますが、情報があふれて過ぎているとも言えます。そのため、玉石混合の情報の中から、確からしいものを取捨選択し、正しい知識を得るのはそう簡単ではありません。
そのため、まずは、以下のような専門家に相談しましょう。
弁護士
弁護士は、法的知識が豊富な上、代理人としてあなたの代わりに交渉をしてくれます。一方で、費用が高額ですし、紛争性も高まります。そのため、正式な依頼となるとよく考えることが必要です。
しかし、法律相談であれば、無料の法律相談を行っている事務所もたくさんありますし、行政の法律相談などもあります。
まずは、そういった法律相談に複数出掛けてみて、正しい知識を獲得することから始めてみましょう。
離婚カウンセラー
離婚するかどうか迷っていたり、気持ちの整理がしたい、もしくはとにかく気持ちを聞いてもらいたい、そんなときは離婚カウンセラーが最適です。
離婚カウンセラーは数多くの離婚相談を受けていますし、メンタルケアの専門家です。あなたの気持ちをケアしながら、離婚や夫婦関係についてのアドバイスをしてくれます。
当センターでも離婚カウンセリングをお受けしております。一人で悩まず、お気軽にご相談ください。
行政書士
離婚公正証書を作成するには行政書士が最適です。養育費や財産分与の分割払いなど、継続給付の離婚条件が見込まれる方は、離婚公正証書の作成が必須です。まずは、離婚専門の行政書士に相談してみましょう。
長期的・多角的視野を持つ
離婚の問題を考えるとき、「今」の状況や気持ちをもとに考えてしまいがちです。しかし、3年先、5年先、10年先の未来も想像してみましょう。
養育費
例えば、「今は子どもが小さく、お金もそんなにかからない。養育費はいいから、とにかく早く離婚したい。」と考え、何も決めずに離婚したとします。
これは、「たいして子どもにお金がかからない。」という現状と、「とにかく早く離婚したい」という今の気持ちを重視した結論です。
しかし、一番大切なのは、その先のことを考えることです。離婚から数年経ち、子どもが大きくなってくると、食べる量も増え、塾や学校などの教育費もかかってきます。本当に「養育費はいらないから、とにかく早く離婚」という結論を出したことを後悔しないでしょうか。
離婚協議はつらいかもしれませんが、大切なことはしっかりと決めておきましょう。
面会交流
相手への嫌悪感から、「子どもには会わせない」と主張するとどうでしょうか。片方の親に会えないままに育つ子どもは健全に成長するでしょうか。
子どもは、両親二人からできています。自分の半分である片方の親に会えない、愛情を感じられないというのは、子どもにとってつらいことです。また、そんな風に育った子どもは、自己肯定感が育ちにくかったり、不登校や引きこもりといった問題を抱えやすいという側面もあります。
そうなれば、子どもだけのマイナスではなく、育てている親の大変さとして跳ね返ってきます。5年先、10年先の親子関係を見据えて、面会交流の要否を判断しましょう。
一方で、離れて住む親の立場の人にも長期的な視野が求められます。離婚による孤独感を埋めるため、「せめて、子どもとはたくさん会いたい」と主張するとどうでしょうか。
別居直後の一人暮らしの状況、それによる寂しいという気持ち、そのような目の前の状況や気持ちにとらわれすぎると、将来が見えなくなってしまいます。
再婚して家族が増えるかもしれません。その時、いまと同じエネルギーと頻度で面会交流を実施することが可能でしょうか。
成長した子どもにとって、頻回な面会交流は負担になっていないでしょうか。
将来にわたって、良好や親子関係が築ける面会交流を目指していただければと思います。