離婚カウンセリング

夫婦カウンセリングで分かる夫婦関係悪化のスパイラル

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夫婦カウンセリング

夫婦カウンセリングでたくさんのご夫婦の話を聞いてきましたが、すれ違ったり仲が悪くなっていく夫婦には1つの特徴があることに気付かされます。

それは、「自分のことは棚に上げて相手の悪いところしか見えなくなってくる。」ということです。

そんな夫婦から話を聞くと、「1つの事実が嘘なくして異なる2つの事実になる。」ということが起こります。今日はそんなお話です。

一つの事実が2つの事実になるからくり

よくあるパターンを架空の夫婦の例で説明します。

妻の言い分

「夫は、婚姻当初から生活費を家に入れず、パチンコやゴルフに消費してしまいました。ですので、家族の食費や子どもの教育費はすべて私が事務員として働いた給料でまかなっていました。足りない分は恥ずかしながら私の実家に援助してもらっています。
夫は子どもたちの世話もほとんどせず、平日は子どもが寝てから帰宅し、休日も時々公園に連れていってくれる程度で、「家にいても子どもがうるさいだけ」と言ってすぐ飲みに行ってしまいました。家族全員ででかけることはほとんどありません。更に、酔って帰ってきては、私に暴力をふるったり、物を投げてきたりします。夫が酔って帰ってくるのが怖くて仕方ありませんでした。」

これを読んで、みなさんどんな感想をお持ちですか? 「ひどい男だ!」という印象を受けませんでしたか? お金は家に入れない上に、自分の遊興のために子どもも顧みず、さらにはDVもある最低な男だと。

夫の言い分

では、次に夫の反論を見てみましょう。

「私の給料は手取りで20万円をきるので、家賃10万円と光熱費や家族の携帯代金を支払うと小遣いは2万円くらいしか残りません。家に入れないのではなく、入れたくても入れられないのです。逆に、妻は実家から好きなだけ援助を受け、ブランド物のバッグ等を買っていました。私の小遣いは2万円程度ですので、パチンコやゴルフをするといっても頻度は大したことありません。
子どもについては、平日は仕事が遅くあまり世話はできていませんが、土日にはなるべく公園に連れて行くようにしていました。妻の会社は水曜が休みで土曜が出勤なので、少なくとも土曜日は私の実家に連れていったり、子どもの相手をしていました。子どもたちが寝た後、時々友達に誘われて飲みに行くこともありました。でも、私が酔っ払って帰ってくると、妻は烈火のごとく怒りだし「稼ぎが少ないくせに生意気に飲んでくるな。」等と言ってくるので、ついつい言い返してしまったことがあります。あまりの暴言に物を投げたことも一度ありますが、落ちていた子どものぬいぐるみを足元に投げただけなので、大したことはないと思います。妻が怒りにまかせてつかみかかってきたことがあるので、払いのけたこともあります。そもそも妻は、私の稼ぎが少ないことを子どもの前でも罵り、「パパのお給料が少ないからTDLに行けない。」とか、「パパみたいな馬鹿な人と結婚しちゃだめよ。」と言ったりします。言葉のDVを受けているのは私の方です。」

さて、夫の反論を見てどうでしょうか。ガラッとこの夫婦に対する見方が変わったのではないでしょうか?

仲が悪い夫婦が陥る悪循環

このやりとりの興味深いところは、二人とも嘘はついていないということなのです。

では、なぜこれだけ違った事実のように聞こえるのでしょうか。

理由の1つは、「ほとんど、あまり、大したことはない」等のあいまいな頻度や程度を表す言葉が多用され、数字で明確化されていないことです。 後もう1つの理由は、「嘘は付いていないけど、自分に都合の悪いこと棚に上げておく。」という態度です。

仲が悪くなってしまったり、関係性がこじれてしまった夫婦というのは、こんな風に2人で同じ事実を体験していても、感じ方がまったく違ってきてしまうのです。相手に対する不満や嫌悪感が募ってくると、そればかりが頭の中を占拠し、自分のことを正しく顧みたり、自省したり、ということができなくなってしまいます。

夫婦関係が悪化すると簡単には抜けられない

いったんこの悪循環にはまってしまった夫婦がそこから抜け出すのは容易ではありません。

というのも、夫婦関係が悪化し、その関係が定着してしまうと、一方が善意で行ったことが、他方には悪意で捉えられてしまうからです。

例えば、夫が病気のときに妻が子どもを連れて家を空けたとします。 関係が良好な夫婦であれば、「夫がゆっくり休めるように、子どもたちを連れだしてくれた。」と感謝されます。 しかし、紛争中の夫婦であれば、「夫が病気で寝ているのに世話もせず子どもたちと遊びに行った。」となるわけです。

また、「夫は、土日のどちらかは子どもたちと遊んでやっていた。」というエピソードも、専業主婦の妻から見れば、「平日は働いて大変なのに、休みの日も子どもをみてくれてありがたい。」となるところを、キャリアウーマンの妻からしてみれば、「平日は自分が何とか仕事と育児をやりくりしているのだから、休みくらいは土日両日子どもの面倒をみてもらいたい。」と批判のタネになるかもしれません。

こうなると、「あの人は話が通じないから。」となり、もう相手とは話もしたくなくなってきます。

対人関係は偏見によってできあがる

このように、1つの事実が説明する方の都合によって、全く異なる事実になることや、両者の関係性によって事実の意味合いが異なってくるというのは、何も夫婦に限ってのことではありません。全ての対人関係に当てはまります。嫁姑関係なんていうのはその典型例です。

「あの人、何だか嫌いだわ。」という気持ちがあると、すべてのものの味方にバイアスがかかってきます。それだけ物事をフラットに見るのは難しいのだと思います。

みなさんも、誰かに悪い感情を持ち始めたと思ったら、意識的に、偏見のない目でその人の言動を判断するようにしてみてください。きっと、その人のいいところや今まで見えなかった部分が見えてくると思います。

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