面会交流

面会交流支援団体わらびのご紹介(対談)

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小泉(以下、「小」):今日は、面会交流支援団体である一般社団法人沖縄共同養育支援センターわらびの代表新垣さんにお話をお聞きしたいと思います。まずは、沖縄県初の面会交流支援団体ということですが、沖縄では、面会交流やその支援に関する知識やニーズはどんな感じなのでしょうか。

新垣(以下、「新」):そもそも「面会交流」という言葉がほとんど認知されていませんでした。例えば、「面会」と言うと、「犯罪者の面会?」と聞き返されることもありましたし、当事者のみなさんだけではなく、行政関係の方も同じく知りませんでした。

小:そこまで知られていないというのがかなり驚きなのですが、その理由には沖縄の文化的背景などがあるのでしょうか。

新:私の意見ですが、沖縄では、離婚したら子どもを連れて実家に戻る同居親が多いことが関係していると思います。沖縄は親族や地域の結びつきも強いですし、実家のコミュニティーに入ったら最後、「同居親一族の子ども」のような位置付けになり、別居親とのかかわりを断つことがとても自然なのだと思います。一方、別居親にとっても、面会交流は別れた配偶者のテリトリーに入っていくような感覚で、敷居が高いのだと思います。

小:なるほどですね。確かにそれは沖縄の特徴的な傾向かもしれませんね。そんな逆風の中、なぜ面会交流支援団体を立ち上げることになったのかを教えていただきたいのですが、そもそも新垣さんの本業は全く面会交流と関係のないお仕事だとお聞きしました。

新:はい、本業は消防士(救命救急士)です。確かに、面会交流とは何の関係もないように思えますが、孤独死の現場を経験し、離婚後の孤独の問題も目の当たりにしました。また、そもそも社会問題への関心から子ども食堂でボランティアをするなど、とにかく地域とつながって活動する、という基盤はあったように思います。

消防士なので平日に活動できるという点も大きかったですね。たくさんの人に会いにいきましたし、話もさせてもらいました。

小:そんな行動派の新垣さんと、同じく面会交流に関心があった琉球大学の草野先生が出会って、わらびが誕生したのですね。そして、ここからは、わらびの特徴について教えていただきたいのですが、まずは、どんな方が実際の支援を担当されているのでしょうか。

新:まさにここがわらびの特徴なのですが、支援員の半数以上が臨床心理士や公認心理師です。ただ、もともと専門性の高い心理職ではありますが、面会交流支援に関しては、知識や経験がない方がほとんどです。そのため、まずは、研修動画で基礎を学んでいただき、その後、シミュレーション訓練や補助員として支援に入り、ようやく独り立ちとなります。

小:確かに、支援員の半数以上が心理職というのはとても贅沢ですね。また、HPで拝見したのですが、ガイダンスやカウンセリングも重視されているのでしょうか。

新:はい、まずは、受理面談の際にガイダンスを受けていただきますし、心理的なサポートとしてカウンセリングをお勧めすることもあります。また、令和4年8月1日に沖縄県より面会交流支援事業を受託したのですが、その事業の中にはカウンセリングも含まれています。

小:受託内容にカウンセリングも含まれているというのはあまり聞いたことがないのですが、やはりそれだけわらびさんがカウンセリング的なかかわりを大切にしておられるということでしょうか。

新:まさにそのとおりです。立ち上げの当初から、別居親と同居親の両者に寄り添い、共に進んでいくイメージを持っていました。そのため、ただ単純に面会交流そのものを支援するだけでなく、ガイダンスやカウンセリングを織り交ぜながら、その人自身にも寄り添いたいと考えています。

小:県内初の面会交流支援団体ということで、関係者のみなさんの期待も大きいのではないでしょうか。

新:そうですね、弁護士さんをはじめ、様々なところから問い合わせも激増していますし、実際の支援数も増えています。支援員の数も増やし、受け皿をしっかり作っていきたいと思っています。

小:今日は沖縄ならではの事情や新垣さんの熱い想いを聞かせていただきありがとうございました。

一般社団法人沖縄共同養育支援センターわらび

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