ADR調停

ADRによる調停 ー成立事例集ー

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こちらでは、ADRによる調停で話合いをされたご夫婦の成立事例を更新中です(ご本人の了解を得た上で、修正を加えております)。「他の方の道しるべになるなら」と快く記載を了解してくださったみなさま、ありがとうございます。

事例1 離婚条件の協議   
事例2 スカイプを利用した協議 
事例3 夫婦関係の修復 
事例4 離婚調停後のADR 
事例5 夫と対等に話せない妻
事例6 離婚したくない夫

事例 1

離婚条件の協議

夫 :48歳 会社役員
妻 :50歳 専業主婦
長女:12歳 小学6年生

夫からの申立て。夫は、けんかの絶えない日々が嫌になり、また、子どもにも悪影響だと考え、妻に離婚を切り出した。

仲は決してよくなかったが、妻にとって、離婚は青天の霹靂であった。そのため、夫が離婚の協議をしようとすると、話を変えたり、部屋にこもってしまったりと、協議そのものができない状態であった。

夫としては、数年の別居を経て、家裁の調停や裁判で離婚をするよりも、円満な離婚を望んでおり、弊社の調停を選択した。

当初、妻はADRによる調停に拒否的だったが、夫が、「今、離婚協議に応じてくれるならば、財産分与や子どもの養育費を上乗せする。」という経済的メリットを提示し、妻を説得した。

期日では、妻が「(財産分与や養育費といった経済的条件が)このくらいないと将来が心配だ」と主張し、それに夫がどこまで応じられるかという形で協議が進んだ。最終的には、長女の進学時の上乗せ金など、算定表上の養育費よりも相当程度妻に有利な条件で合意した。

期日を重ねる中で、妻の「やはり離婚はしたくない」という心の揺れが見え隠れし、過剰な金額を要求する場面もあった。しかし、その気持ちにも寄り添いつつ、夫の「そうは言っても、こちらにも生活費がかかる」という現実的な主張も加味しながら、合意点を探っていく話合いとなった。

事例 2

スカイプを利用した協議

夫 :35歳
妻 :32歳
長女:4歳
二女:2歳

当初、夫の海外赴任に帯同し、妻と子どもたちも一緒に異国での生活をスタート。しかし、幼い子どもを抱えての異国の生活は、妻にとって大変ストレスフルであった。夫婦げんかも増え、妻には次第にうつ症状が見られるようになった。妻は、子どもの検診を理由に日本の実家に身を寄せることにした。

当初、一ヶ月程度で夫のもとに戻る予定であったが、そのままずるずると半年が過ぎた。夫からは、何の連絡もなく、妻もそんな夫に対して気持ちが冷めていった。

まず、夫から弊社に離婚相談。相談の内容としては、この現状をどうすればいいのか、離婚か修復か、それさえも迷っているとのことであった。具体的には、子どもとの関係をどうすればいいのか、再度の同居が可能なのか、妻の気持ちが分からない、などの悩みがあった。

一方、妻も現状に不安を抱いていた。少しずつ事情を分かり始めている長女にどう説明すればよいのか、父子の関係をどう保てばよいのか、といった子どもに関する悩みが多かった。

また、現在は夫の給料から十分な生活費が振り込まれているが、これがいつか止められてしまうのではないか、との不安もあった。

そこで、弊社のADRを利用して協議をすることとなった。申立人は夫である。申立人が海外在住であることから、スカイプにて調停を進行。夫は海外で発展していきたい気持ちが強い一方、妻は日本を離れたくないと考えていたため、同居が難しいことが明らかになった。その時点で、夫婦関係の修復が難しいことがはっきりしたため、離婚条件の話合いへと進んでいった。

最終的には、財産分与、養育費、面会交流、年金分割の4点について合意。

事例3 

夫婦関係の修復

夫:52歳 会社員
妻:38歳 会社員

妻の不貞行為が発覚したことから、夫より離婚相談。夫としては、自分より一回り以上若い妻が不貞行為に及んだことが許せない反面、まだ妻を愛しているため、離婚にも踏み切れないとのことであった。

そこで、不貞を謝罪し、再度不貞行為をした場合の離婚と慰謝料を明記した公正証書を作成することになったが、妻にどう切り出してよいか、また、金額についてもどのように協議すれば分からないとのことであったため、ADRによる調停を利用。

妻としても、夫との関係を継続したいと考えていたため、積極的にADRに参加。夫の気持ちを十二分に酌んだ内容で成立した。

事例4

離婚調停後のADR

夫 :45歳 会社員
妻 :43歳 パート
長女:14歳 中2

夫婦は性格の不一致から、妻が長女を連れて実家に帰る形で別居を開始。妻から離婚調停が申し立てられた。しかし、夫が長女の親権を主張したことから、調停は2回で不成立となり、訴訟に進まないまま、2年が過ぎていた。

そんな折、夫から「そろそろけじめをつけたい」とのことでADRの申立て。夫としては、当時は、長女の親権を諦めることができなかったが、2年の別居を経て、長女のためにも夫婦関係をきれいに清算したいと考えるようになったとのことであった。しかし、前回の調停において、調停委員から頭ごなしに「子どもは女親が一番」と説得されたことを覚えていたため、家裁の調停とは違う協議の方法を選ぶこととした。

もともと、妻も夫と離婚したかったため、ADRに応じた。調停では、財産分与、養育費が決められた。

事例5

夫と対等に話せない妻

夫 :38歳 会社員
妻 :38歳 会社員
長男:8歳
長女:2歳

夫のモラハラに我慢できないとのことで妻から離婚相談。夫婦は既に別居しており、妻が子ども2人を連れて家を出ていた。

妻としては、きちんと離婚条件を協議した上で離婚をしたいと考えていたが、夫を目の前にすると言いたいことが言えなくなってしまうこと、かといって弁護士に依頼する金銭的余裕もないことから、家裁の調停を考えていたという。

そんな折、たまたま弊社HPを見てADRの制度を知り、専門的な第三者に仲介してもらえるならと申立てに至った。夫は、家を出て行った妻とまともに話し合いができない状態であったことから、協議ができるならとADRに応じた。

期日では、夫から妻に対する不満も多く語られたが、結局、常識的な条件で成立した。

事例6

離婚したくない夫

夫 :40歳 自営業
妻 :42歳 専業主婦
長女:3歳

夫から「妻から離婚を言い渡された」と相談。夫としては、夫婦関係がギクシャクしていることは理解しているが、子どものためにも、夫婦関係を修復したいとのことであった。

しかし、しばらくして、妻は長女を連れて実家に戻ってしまった。夫は、長女と会えなくなってしまったことから、家裁への面会交流調停の申立てを考えていたが、早期解決を望んでいたことから、ADRによる調停を実施することとなった。

妻は、家裁の調停に乗り気でなかったことから、離婚も含めて協議できるなら、ということでADRに応じた。結局、夫が離婚にどうしても踏み切れなかったことから、別居中の婚姻費用、面会交流、離婚に向けての再協議時期などを決めて成立。

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