親の離婚によって子どもに悪影響を及ぼしたくないと心配されている方もおられると思います。このコラムでは、どんな変化や影響があり得るのかを年齢別にお伝えします。
乳幼児期0~3歳
子どもの年齢が小さいと「まだ何も理解できないし、言葉も分からないから大丈夫」と子どもへの配慮を忘れてしまっていませんか。
しかし、まだ0歳の赤ちゃんであっても、親の離婚の影響を受けることがります。
不機嫌になりがち
まだ言葉を理解しなくても、子どもは親の表情や声のトーンから、「トゲトゲした嫌な雰囲気」を感じとります。その結果、夜泣きをしたりかんしゃくを起こしたり、負の感情表出が増えたりします。
体調を崩しがち
親が離婚問題で心身ともに落ち着かないと、子どもの生活リズムが狂いがちです。
例えば、離婚手続きのことで調べものをしたり、仕事や育児の合間に役所に出向いたり、はたまた弁護士と打ち合わせをしたり、裁判所の調停に出席したりと、やることが増えます。
その結果、いつもと同じ時間に食事や睡眠がとれず、身体的不調が現れることもあります。
幼児期~就学前
言葉にできない不安が身体症状に
4歳~6歳くらいになると、少し周囲の状況が理解できるようになりますが、まだ正しく理解する力はありません。そのため、何となく不安に感じるけれど、その不安を言葉にできず、体調不良という形で表出する子どももいます。
おねしょをしたり、赤ちゃん返りをしたり、発達が逆行することもあります。
離婚は自分が悪いの?
大人は他罰的ないきものですが、子どもはそうではありません。親が喧嘩しているのは、自分がお片付けをしないからだ、などと自分のせいにしたりします。
小学校前半6~8歳
不安が攻撃に転じる子どもも
小学生になるとぐっと世界が広がり、理解できることが増えます。その分、不安も増えますが、まだまだその不安を明確化し、解決する力は備わっていません。
そのため、漠然とした不安や無力感を感じたり、逆に攻撃的になって学校で問題を起こしてしまったりする子どももいます。
小学校後半9~11歳
無理して大人びた言動をとる
少しおとなっぽくなってくるのが小学校の後半です。親を励まそうとお手伝いをしたり、大人な素振りを見せようとします。また、親に合わせて、その親の肩を持ったり、もう一方の親の悪口を言ったりもします。
もちろん、家庭の状況を理解し、お手伝いを頑張ってくれるのは子どもの成長でもあり、喜ばしい側面もあります。ただ、親の顔色を窺い、過剰に「いい子」になってしまうのは要注意です。
好きなことに夢中になれない
過度に大人びたふるまいは、子どもに精神的な無理を強いることになります。その結果、何となく無力感を抱き、学校生活で集中できない、好きなことに夢中になれないといった問題を抱えることもあります。
中学校以降12歳~
将来への不安を感じる
家庭より友人との関係が大切になり、自立が進んできます。そのため、親もついつい子どもに甘え、相談相手になってもらったり、丁寧な説明を怠ってしまったりします。
しかし、まだまだ親の愛情や支えが必要な時期です。また、長期的な思考ができるようになるが故に、「大学には行けるのだろうか」などと、将来の経済面について不安を感じたりもします。
親への反感が強くなる
それでなくても思春期の難しい時期です。そんな時期に親の離婚を経験することで、「親は勝手だ」、「自分の気持ちは親には分からない」と反発や怒りを感じたり、不登校や引きこもりといった問題を抱えることもあります。
以上のように、お子さんには様々な変化や影響があり得ます。もちろん、全てのお子さんに変化があるわけではありませんが、こうした変化の可能性を知っておくことで、正しく対処することが可能です。
カウンセリングやADR(仲裁)のお申込みは以下のフォームよりお願いいたします。
[contact-form-7 id=”7098″ title=”conditional_form”]