面会交流

面会交流をサポートする第三者機関とは?

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今日の話題は面会交流の際に利用される第三者機関についてです。第三者機関というととても堅苦しい感じがしますが、要するに親だけで面会交流ができない場合にお手伝いをしてくれる人たちです。 では、親だけで面会交流ができない場合ってどんな場合でしょうか。

    1 どんなときに第三者機関を利用するのか

1-1 両親での受渡しが困難な場合(受渡し型、送迎型)

子どもが幼いと(小学校低学年程度以下)、面会交流の際には必ず双方の親による引渡しが必要ですが、それが無理な場合があります。例えば、夫婦間にDVがあり、DV被害者である親が加害者側の親と接触できない場合や、DVまではいかなくても、浮気その他の婚姻中の様々な耐え難い出来事が原因で「相手の顔を見るだけで体調を崩す。」なんていう場合です。第三者援助機関利用の理由として一番多いのはこのパターンのように思います。 この場合は、第三者援助機関の職員が子どもを迎えに行き、別居親のもとに連れて行き、終了時間にはまた迎えに行ってくれます。いわゆる「送迎型」、「受け渡型」と呼ばれるサービスです。

1-2 別居親と子どもとの面会交流について同居親に不安がある場合(付添型、見守り型)

一方、「付添型」、「見守り型」と呼ばれるサービスもあります。面会交流の間ずっと職員が傍で見守ることになります。あくまで見守りなので、積極的に介入したり、一緒に遊んだりはしませんが、最近は、援助的な声掛け程度なら応じてくれる機関もあるようです。では、どのようなケースで利用されるのでしょうか。

連れ去り:別居親が子どもを連れ去るおそれがある場合、第三者援助機関を利用することになります。この「おそれ」ですが、一度連れ去った前科があるとか、連れ去ろうとしたことがあるとかという程度が必要になります。ただ何となく心配だというだけではだめでしょう。

面会交流中の問題行為:例えば、面会中に子どもに対して同居親の生活状況(異性関係等)を詮索するとか、次に会う約束を勝手してしまうとか、高価すぎるプレゼントをあげるなどの問題行為があると、同居親から「信じられないから見守り型のサービスを利用したい。」と言われることになります。(面会交流中のルールは同居親が守るべきものも含めて裁判所で作っているパンフレットにも書かれていますので、参考に見てみてください。)。そのほかにも突拍子もないことをやってしまう別居親もいます。例えば、発育に不安を感じる別居親が面会交流中に突然子どもを健康診断に連れて行ったり、(その結果が思わしくない場合は「ちゃんと育てられてないじゃないか。」という同居親に対する攻撃材料として使われます)、爪がのびているのを証拠写真みたいに撮ってみたり。

・別居親に健康問題があるとき:例えば、別居親がうつ病やパニック障害等の問題を抱えているときです。これは「うつ病だからダメ」とか「パニック障害だからダメ」と一律に病気の人を問題視するわけではなく、結果として出てきた言動を問題視されることがあるということです。まだ小学校にも上がらない息子とショッピングセンターに遊びに行っている際、突然パニック症状が出て息子が怖い思いをしたとか、薬の副作用でぼーっとしていて子どもが話しかけても反応が鈍いといった場合です。また、アルコール中毒(もしくは酒癖の悪い人)の人も酔っぱらった状態で会いにくるんじゃないかと心配されたりします。

1-3 両親間で連絡ができない場合(連絡型)

面会交流をするためには、親同士の連絡が欠かせません。「毎月第2土曜日の10時から17時まで、待ち合わせは〇〇駅の改札で」等と細かく決めていても、子どものことですから、突然体調を崩したりと緊急の連絡が必要になってきます。また、あらかじめ日時を決めておくのが不便だということで、「月に1回程度」と決めた上で、事前に日時の調整をするのがほとんどです。しかし、中には、直接会わずとも、連絡さえできないという親がいますので、その場合は第三者援助機関の「連絡型」というサービスを使うことになります。このサービスは第三者援助機関のスタッフが二人の間に入って日時や場所の調整をしてくれます。連絡の援助だけですので、価格も比較的抑えられています。

   2 第三者機関の選び方

このような事情で利用される第三者援助機関ですが、どこを選べばよいのでしょうか。最近は、面会交流そのものが広く知られるようになり、離婚の際に面会交流について取り決めることが増えきたので、それに伴って援助機関の数も増えてきたように思います(地方と都市部の格差は大きいと思われますが・・。)。家庭裁判所調査官OBの団体、NPO法人、行政サービスの一環としている自治体など団体の性質も様々です。

2-1 規模の大きさ

職員の数によっては、サービスを受けられる日が制限され、面会交流の日程調整が困難になることがあります。それでなくても最近の子どもたちは、習い事や塾で忙しいわけですから、これに援助機関スタッフの日程まで考慮するとなると大変です。ですので、対応できるスタッフが多いにこしたことはありません。

2-2 利用費用

費用については、思っている以上に高額なところが多いかもしれません。サービスの内容によって異なりますが、スタッフの交通費なんかもいるわけですから、連絡型以外は1万円前後は覚悟した方がいいでしょう。スタッフの拘束時間や手間を考えると、仕方のない値段だと思います。ただ、例外もあります。自治体の行政サービスの場合などは、月一回、一時間に限って無料、なんてところもあります(結構厳しい所得制限がありますが・・)。

2-3 利用可能な条件の違い

子どもの年齢制限、利用期間の制限など、機関によって異なります。また、「調停中ではだめ」といった条件を課す機関もあるようです。事前によく説明を聞き、ニーズに合う機関を選びましょう。

   3 本当に第三者機関の利用が必要かどうかの検討

第三者援助機関を利用するスタンスは大きく分けて二つあります。一つは「どうやっても無理なときだけやむを得ず利用する。」というスタンスです。もう一つは、「利用した方が面会交流が円滑に進むならば、軽い気持ちで利用してみよう。」というスタンスです。この両者のスタンスは、どちらも間違いではないと思います。しかし、個人的には、前者のスタンスに賛成です。DVや婚姻中の耐え難い事情で精神疾患を患ってしまったなんて場合を除いては、やはり親同士で頑張ってほしいのです。子どもにとっては、自分の親に会いに行くのに同居親は送り迎えもしてくれず、見ず知らずの他人に連れて行かれるわけです。いくら「楽しんできてね。」と送り出されても、同居親の別居親に対する負の感情はビシビシ伝わるでしょう。 以前かかわった男の子(8歳)がこんなことを言いました。「ママはパパが嫌いなのに、僕はパパが好きでもいいの?僕がパパと会っても、ママは僕を嫌いにならない?」と。この子はとても言語表現が上手で、思ったことを適切に言葉にできる子でした。こんなに上手に表現できないにしても、同じような心配をする子どもは多数いるでしょう。子どもにとって、生命線であり一番の拠り所である同居親が嫌っている人を好きでいることは難しく罪悪感を感じるものなのです(これを忠誠葛藤とよんだりします。)。
スタンスはどうあれ、第三者援助機関を利用することで最初のハードルを下げ、まずは面会交流を実施する。その後、父母のみで実現できるよう努力していく姿勢が求められるのだと思います。そのためにも、費用は折半にしておいた方がいいでしょう。

今のところ、ネット上で得られる第三者機関の情報は個別情報が主で、まとまった一覧の形で紹介されているページは多くありません。また、第三者機関が別居親に寄りすぎていると、結局支援がうまくいかなかったりしますので、公平な支援が期待できる第三者機関のみを選定した一覧表となると、かなり少ないのが現状です。そんな中、私がお勧めしたいのが日本ファミリービジテーションさんが作成した面会交流支援団体mapです。このマップは二宮周平先生も作成にかかわっておられるそうで、かなりの数の支援団体が紹介されています。是非参考にしてくだいさい。

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