離婚調停

離婚調停のデメリット、お伝えします

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今日は、調停のデメリットについてお伝えします。「調停はやめておいた方がいい。」と言いたいのではなく、調停のデメリットを知った上で、調停に踏み切った方がいい、ということです。

調停には、もちろん、いろいろなメリットがありますが、今日は「デメリット」に注目してみたいと思います。

   1 長期化する

調停をするデメリットは、何と言っても長期化することです。まずは、下のグラフを見てください(出典 最高裁判所「裁判の迅速化に係る検証に関する報告書」)。

このグラフは、離婚調停について成立した場合と、取下げの場合にかかった期間を表しています。

図によると、取下げで終わった事件は平均3.8カ月、最終的に成立した事件は5.6カ月の調停期間となっています。この数字だけ見ると、半年あれば調停が成立するかのように見えます。

しかし、ここで注意が必要なのは、この中には、子どもがいない夫婦や財産分与や慰謝料の取り決めがない夫婦も含まれています。

また、親権以外の離婚条件は、離婚が成立した後も話合いをすることができますので、まずは、離婚調停だけ成立させ、財産分与や養育費については、後から調停を申し立てることもあります。

さらに言うと、離婚はしないけど当面別居をするという内容で成立させた調停(別居調停)も一定数あります。

そのため、もしあなたが、親権や財産分与、慰謝料などの離婚条件を調停の場で解決するつもりであれば、調停成立までにかかる時間はもっと長くなります。1年はかかると思っておいた方がいいかもしれません。

   2 日常生活に差し障る

調停は、平日の日中に行われます。専業主婦にとっては、子どもが学校や幼稚園に行っている間だか大丈夫だと思われるかもしません。しかし、意外とそうではありません。

未就園児のいる母親にとって、そもそも、子どもをだれかに預けなければいけないというハードルがあります。近隣に身内がいればいいですが、そうでない場合は託児所やベビーシッターしかいません。

お子さんを育てたことのある人ならお分かりだと思いますが、未就園児をイレギュラーに預けるのは、とても大変です。いきなり行って預かってもらえるのは、デパートの託児所くらいです。大抵は、事前の入会が必要だったり、保険に加入が必要だったりと、お金と手間がかかります。

子どもが幼稚園に通っている場合も案外難しかったりします。というのも、午前の調停は午前10時からです。みなさんが家庭裁判所の近隣に住んでいるとは限りません。例えば、来庁に1時間かかるとしましょう。9時には家を出る必要があります。9時に登園完了のところが多いと思いますので、大変慌ただしい朝になるでしょう。

そして、午後の調停は、午後一時半からです。通常、2時間はかかります。場合によっては、午後5時くらいまでかかる場合もあります。そうなると、幼稚園のお迎えは絶望的です。そのため、幼稚園ママは、どんなに慌ただしくても、午前の調停を選ばざるを得なくなります。

小学校ママの事情も同じです。高学年のお子さんなら、一人でお留守番ができますが、まだ1年生や2年生のお子さんは、一人でお留守番ができなかったり、そもそも家の鍵を預けられないということもあります。そのため、幼稚園ママと同じく、午前中を選ぶしかありません。

   3 仕事に支障が出る

仕事をしている人にとっても、半日空けるのが難しいことに変わりはありません。しかも、会社の場所によっては、半日ではなく、結局一日休暇を取らなければならないという人もいます。

一度ならまだしも、1,2か月に1回程度、定期的に休む必要があります。特に、仕事を持ちながら子育てをしている人にとっては、調停のための休暇が命取りになったりします。それでなくても、子どもの病気や行事で休むことが多く、有給が足りなかったり、職場で肩身の狭い思いをしているわけです。「これから調停をするので、定期的に休ませてもらいます。」とはなかなか言いづらいものです。

中には、調停が終わるまで就職活動を控えている人もいます。最初から定期的に休ませてくださいとは言えないし、かといって、事情を話せばもっと採用してもらえないし、ということでした。

男性・女性にかかわらず、仕事を持っている人が定期的に平日の日中に予定を入れなければいけないというのは、なかなか大変なことです。

   4 精神的ダメージが大きいことがある

調停は、直接相手と会うわけではなく、調停委員を介しての話し合いです。そのため、自分が話している途中で相手から横やりが入るとか、感情的になってどなり合うといったような状況はありません。

しかし、これまでの辛かった経験を思い出しながら調停委員に説明をしたり、調停委員を介してとはいえ、相手の身勝手な考えを聞かされたりするのは、とても精神的にしんどいものです。また、調停委員から説得されているように感じたり、相手の味方をされているように感じたりすると、話しても話しても「分かってくれていない。」という思いにさいなまれたりします。

また、普通のカウンセリングや相談と異なり、「ここで失敗してはないけない。」、「下手なことを言ってはいけない。」、「調停委員を味方につけなければいけない。」などと考え始めると、緊張が高まり、気楽に話せなくなってしまいます。

調停が終わると、がっくりと肩を落とし、「これから家に帰って夕飯を作る気力がありません。」とか「会社に戻っても仕事になりそうにない。」という言葉をつぶやいて帰る人もいます。

何より、会社や家庭に戻った際、何もなかったように振る舞わなければならないことが大変なようでした。

   5 調停委員全員が離婚の専門家ではない

どんな人が調停委員を務めているかというと、地元の名士だったり、一流企業の退職者だったり、そういった人の奥様だったり、はたまた教育関連の仕事をしている人だったり、バックグラウンドは様々です。共通しているのは、「ちゃんとした経歴がある」ということです。

例えば、東京家裁で言えば、語学に堪能な方も多く、英語はもちろんのこと、ドイツ語やフランス語が話せるという調停委員もいました。また、会計関係の仕事をしておられということで、数字にめっぽう強い方もいました。

しかし、いかに素晴らしい経歴を持っていても、離婚話の仲裁に向いているかどうか、というとまた話は別です。

当事者の話をじっくり聞くというよりは、自分の考えを優先して話してしまう人もいます。逆に、当事者の言うことを聞きすぎて、なかなか話が前に進まないということもあります。

家庭裁判所では、調停委員の方の「調停力」を高めるため、いろいろな研修を実施しています。また、調停委員自身も、自主勉強会を開くなど、努力をされています。

調停委員の方々のお給料というのは、その方たちのバックグランドからすると、微々たるものです。そんなボランティア的なことのために、いろいろと勉強されていて、頭が下がる思いですが、調停委員に対する不満の声が後を絶たないのも事実です。

   6 まとめ

もちろん、調停や裁判でなければ問題を解決できない人たちもいます。しかし、軽い気持ちで調停を申し立て、後悔する人たちもいます。まずは、夫婦同士もしくは第三者を入れた協議を尽くし、それからの調停でも遅くはないのではないでしょうか。

弊社では、「公平な第三者に離婚協議の仲介をしてもらいたけれど、離婚調停まではしたくない。」という方のためにADR調停(民間調停)をお勧めしております。ご興味のある方はお問い合わせいただければと思います。

調停についてはこちらも参考にしてください。
これさえ読めば離婚調停の全てがわかる -申立編―
これさえ読めば離婚調停の全てがわかる ―期日編―

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