家庭裁判所調査官について

家庭裁判所調査官のお仕事 その2

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「離婚テラス」を立ち上げてからまだ1年もたっていませんが、ありがたいことに、「元家庭裁判所調査官」ということでいろいろな方からご相談をいただけるようになりました。

そして、ご相談の中には、離婚問題だけではなく、「家庭裁判所調査官」に関するお問い合わせもあります。中でも一番多いのが、家庭裁判所調査官を目指している、もしくは目指そうか迷っているという学生さんや社会人の方から「家裁調査官ってほんとのところどうですか?」という質問をいただくことです。また、面会交流の第三者機関でアルバイトしている学生さんから、このまま支援の道を進むのか、家裁調査官を目指すのか、どっちがいいですか、というご相談をいただいたこともあります。

今日は、そんなみなさんにお応えする形で、家裁調査官についてお伝えしたいと思います。

   1 家裁調査官は最初は「補」がついている

家庭裁判所調査官は、最初は「補」がついていて、一人前ではありません。2年間の研修期間を経て、晴れて「家裁調査官補」から「家裁調査官」に任官します。

それでは、研修期間は何をしているかというと、埼玉県は和光市にある研修所で、全国の同期50名程度(?)と寝食を共にしながら法律や心理学などの学問や、調査官の実務など、一人前として働くために必要な知識の習得をしています。また、それぞれの所属庁に戻って、指導してくれる上司のもと、OJTのようなこともします。研修所と所属庁を行ったり来たりしながら、家裁調査官になる準備をしていきます。

学生さんからの質問で、「私は法律が全然分からないのですが、大丈夫でしょうか。」とか、「人の前に出ると緊張してしまうのですが、家裁調査官には向いていないのでしょうか。」という質問を受けることがあります。

そういった質問には、いつも、「まったく問題ありません。」とお答えしています。家裁調査官は、とても研修制度が充実しているので、やる気さえあれば、調査官補になってからでも十分キャッチアップが可能だと思います。

   2 向いているのはどんなタイプ

どんなタイプが家裁調査官に向いていますか、という質問もよく受けます。私は、いつも、「このサイトを見て連絡をくれている時点で、あなたは家裁調査官に向いていると思います。」とお答えしています。

家裁調査官の中には、法律が苦手な人や、人と話すのが苦手な人、文章を書くのが下手な人、いろいろな人がいます。どれも、家裁調査官としては、必要な能力ですが、すべてを完璧に備えている必要はないのです。

家裁調査官に興味があって、家族や親子の問題にかかわりたいと思っている時点で、既に家裁調査官に向いていると思います。

   3 一番のやりがいは何ですか

仕事のやりがいについてもよく聞かれますが、やりがいというとなかなか難しいところがあります。

以前、家裁調査官をモデルにしたテレビドラマや漫画があったと思いますが、そこで描かれているような劇的な展開というのは、あまりありません。

そもそも、人の役に立ちたいと思って家裁調査官を目指す方が多いと思いますが、そう簡単には人の役には立てません。ましてや、その人の何かを変えたりすることは、もっと難しいと思います。

日々、報告書を書いたり、調停に出席したり、子どもの調査をしたり、同じことの繰り返しです。

ただ、家裁にやってくる人たちにとっては、人生の一大事であり、大変な思いをして離婚問題やその他の問題に立ち向かっているわけです。

そんな人たちとの出会いそのものが、家裁調査官の醍醐味かもしれません。

   4 家裁調査官ってどんな人たち?

これから家裁調査官を目指すかどうか迷っている人たちにとって、一緒に仕事をする同僚や上司がどんな人たちか、とても興味があるところだと思います。

家裁調査官をしているということは、基本的に「人」が好きだということです。もちろん、個性的な人やとっつきにくい人もいるかもしれませんが、大抵は、人間味のある暖かい人たちです。

私は、どちらかというとドジな家裁調査官でしたので、周囲の先輩や上司、ときには後輩にもたくさん助けられてきました。本当にいい職場だと思います。

   5 まとめ

今回の記事は、家裁調査官に興味を持ってくれている学生さんなどを対象に書きましたが、実際には、「家裁調査官とは何者だ」と否定的な気持ちでこれを読んでいる当事者の方々もおられると思います。

家裁調査官を辞めて、この仕事を始めてから、「家裁調査官への文句」を耳にすることがたくさんあります。「ごもっともです。」と頭を下げたくなるようなご批判から、「うーん、そう言われても」と納得しかねるご意見まで、いろいろです。

ただ、どんなご意見であっても、そこから伝わってくるのは、「本気さ」や「必死さ」です。そのような気持ちの強さに応えるような仕事をしていくことが家裁調査官には求められるのだろうと思います。

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