DV

DVの3つの特徴と望ましい離婚決断の時期

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   1 DVに対する認識の増加

今やDVと言えばほとんどの人が「ああ、夫婦間の暴力ね。」と了解可能な言葉になっているのではないでしょうか。しかし、このDV、意外と新しい概念なのです。いわゆるDV防止法が施行されたのが2001年で、その数年前からDVという言葉が使われたり、夫婦間の家庭内暴力が主張されるようになりました。
もちろん、それまでにも夫婦間の暴力は存在していました。しかし、一つの概念として確立されたのがこのくらいの時期だったということでしょうか。今では、「DVで接近禁止命令(保護命令の一種)を受けた。」なんていう話も珍しくなくなってきました。 シェルターや母子寮等も増えてきています。10年前に比べたら明確にDVを主張する人が増えたなあという印象です。

   2 DVの特徴

2-1 DV被害者とDV加害者の距離の近さ

DVの恐ろしいところは、被害者と加害者が心理的にも物理的にも近いということです。離れている時間が長ければ、もしくは距離的にも離れていれば、DV被害者は冷静になって考えたり逃げ出したりできます。 しかし、DV加害者はそのすきを与えません。そのため、支援団体は病院の女子トイレの個室にシェルターの電話番号等が書かれたパンフレットを配置したりしています。 例えば、DV夫にかぎって、かいがいしく妻を職場まで送迎したりしているものです。これは、妻に一人になってじっくり考える時間を与えないためです。買い物も一緒、通院も一緒です。妻は、夫が実家に帰ったとき、夫が検査入院したとき、夫が社員旅行にいったとき、など冷静になれる時間と場所が与えられてはじめて、相談機関に行ったり、シェルターに逃げ込んだりできるのです。こうしてDV夫から逃げられた妻たちは、会うたびに表情が明るくなっていきます。「体調が良さそうですね。」と声をかけると、「だんだん恐怖心が薄れて、自由に物事が考えられるようになってきました。」と返答がかえってくることもあります。

2-2 徐々にエスカレートするDV

そしてもう一つのDVの恐ろしさは、段々エスカレートすることと、繰り返されることです。これにより、被害者は「学習的無力化」と呼ばれる状態になっていくのです。 例えば、いきなりものすごい暴力を振るわれることは少なく、「どなる→物を投げる→ちょっとした暴力→激しい暴力」といった具合に段階を追ってひどくなるのです。暴力を振るわれる方も、いきなり激しい暴力を振るわれれば驚いて逃げ出すことができるかもしれませんが、ちょっとずつ、そして断続的に暴力を振るわれると、それに対して相応な感情が生じなくなってくるのです。これが学習的無力化です。ですので、「口にパンを無理やり押し込まれて窒息するかと思いました。」とか「頭を壁にぶつけられて泡を吹いて失神しました。」なんてことを淡々と語ったりする人がいるのです。おかしいことをおかしい、危険なことを危険だと感じる力が鈍くなってしまった結果です。

2-3 DVサイクル

DVの大きな特徴として「DVサイクル」という概念があります。「DVサイクル」とは、「蓄積期→爆発期→ハネムーン期(安定期)」の3つを繰り返すことをいいます。 要するに、「最近、何をやっても怒鳴られる。不機嫌みたい。」→「友達と飲みに行きたいと言ったらキレて暴力を振るわれた。」→「その結果怪我をしたら病院に連れて行ってくれて、もう絶対しないと謝ってくれた。」という具合です。これは、かなりの確率で表れている現象だと思います。 みなさんの相談に乗っていると、「夫がこんなメールを送ってきました。」と謝罪のメールを見せてくれることがあるのですが、それはそれは「反省してる感」が半端ないのです。これは「もう一回信じてみようかな・・・。」という気になるなぁ、という内容なのです。しかし、残念ながら、そう簡単に人は変わりません。個人的な意見ですが、DV加害者はそれ専門のカウンセリングを受けない限り、自然と反省していい夫もしくは妻になることはありません。

   3 DV被害者にならないために

では、DV被害者にならないためにはどうしたらいいでしょうか。

一つは、DV配偶者を選ばない、という簡単な方法です。これまで見てきたDV被害者の方たちの多くは、婚姻前に既にDVのにおいが匂ってきているのに、それに気づかないふりをしたり、「結婚すれば変わってくれるかもしれない」、「でも好き」など、色々な理由をつけて婚姻に至ってしまっています。
また、「結婚して同居するまで分からなかった。」というパターンもあるかと思いますが、こういった人たちも「結婚したからにはそうそう簡単に離婚はできない。」と婚姻生活を継続させる選択をしてしまいがちです。
しかし、DVのにおいは気のせいでも何でもなく、現実に自分の心身の健康を脅かす暴力に成長します。DV臭がしたら、鼻をつまむのではなく、嗅覚を鋭敏にして身の振り方を早期に決定しましょう。
う一つは、配偶者のDVを治すことです。これは、先ほど専門家の治療と書きましたが、これも一つの方法です。しかし、そもそもDV加害者が自分の非を認めて治療に同意するか、同意したとして、治療効果がどの程度上がるか、といったことを考えるとそう容易ではありません。

これらを踏まえると、DV被害者にならないためには、「学習的無気力」になる前に、早期離婚するというのが一番かもしれません。

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