離婚一般

離婚で後悔したくない人に読んでほしい離婚にまつわる様々な後悔⑴

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誰しも、後悔しない離婚を目指しています。しかし、準備が足りなかったり、間違った情報を信じてしまったり、いろいろな理由で離婚を後悔している人もいます。今日は、離婚テラスのカウンセリングで語られる離婚にまつわる様々な後悔を事例にアレンジしてお届けします。

   1親権を譲ったことを後悔しているAさん

1-1 軽はずみな不貞を後悔

Aさんは、40代の女性です。年齢よりやや若く見える清楚な雰囲気の美人です。Aさんは、離婚の際、6歳の長女の親権を夫に譲り、一人で家を出ました。離婚原因はAさんの不貞です。Aさんによりますと、特に夫に大きな不満があったわけではないけれど、何の変化もない日常生活に埋没していくのが怖かったとのことです。不貞相手は大学時代の同級生です。同窓会で再会したのをきっかけに、というありきたりの理由でした。

Aさんとしては、まさか離婚という結末になるとは夢にも思わず、軽い気持ちでした不貞でした。今となっては、後悔しかないとのことです。

1-2 すぐに離婚を受け入れたことに対する後悔

ある日、突然、夫から離婚を切り出されました。夫は、不貞を激しく罵るでもなく、「理由はおまえが一番分かっているだろう。」と言うだけでした。不意を突かれたAさんが、何も反論することができず、言葉を発せずにいると、夫は、「〇〇(長女)の親権は俺が取る。俺の両親も手伝ってくれるから大丈夫だ。もう同居のための準備も進めている。慰謝料は請求しないが、財産分与もしない。既に弁護士にも相談してこの内容で負けることはないと確認している。不貞の証拠も持っている。もしこの離婚条件で納得いかなければ、俺は徹底的に戦う。そうなれば、〇〇(長女)にお前の不倫のことをどこまで隠せるか保証はできない。」と続けました。

Aさんは、自分には選択権が与えられていないように感じました。長女にだけは不貞を知られたくない気持ちもあり、黙って離婚条件を受け入れるしかありませんでした。今になって思うと、不貞を詫び、離婚はしたくないと主張できたのではないか、なぜすんなり離婚に合意してしまったのか、後悔しかありません。

1-3 親権を諦めた後悔

ほんとうは長女の親権を譲りたくはありませんでした。しかし、仕事が忙しい夫婦を夫の両親が全面的にサポートしてくれており、とても長女が懐いているのも事実でした。長女のことを考えると、住み慣れた家や夫の両親と引き離し、シングルマザーの自分が育てるのが必ずしもいいとは思えませんでした。また、長女に不貞がばれるのもとても怖かったのです。長女には、「よき母」の印象を持ったままでいてほしいと思いました。

しかし、今になって、親権を譲ったことを大変後悔しています。あの時は、突然のことで何も反論できませんでしたが、後になって、不倫をしたからといって親権者になれないわけではないと知りました。確かに、夫の両親にはよく頼っていましたが、夫かAさんかというと、断然Aさんの方が長女と接する時間は長かったのです。祖父母はあくまで監護補助者であるという話も聞き、あのとき自分が親権を主張して戦っていれば、今頃長女と一緒に住めていたのではないかと思うと、いくら後悔してもしきれませんでした。

1-4 ちゃんと長女の意見を聞かなかったことへの後悔

Aさんが家を出ることを長女に説明すると、長女は泣いてしまいました。Aさんと離れて暮らすのは嫌だと言うのです。ただ、長女としても、夫の両親が一緒に住んでくれるのも楽しみなようで、いつでもAさんに会えると言うと、渋々納得した様子を見せました。長女には、夫婦の離婚について、まだちゃんと説明しておらず、長女が「一緒に住めない」という事実をどこまで重く受け止めているのか分かりませんでした。もしかしたら、一時的なことと理解していたのかもしれません。

Aさんは、今でも長女に説明した場面を思い出します。あの時、長女が流した涙が、長女の本音だったのではないかという気がして仕方がないのです。もちろん、夫の両親のことを大好きだったのも事実ですが、何日かお泊りに来てくれるのと同じ感覚だったようにも思います。もっと、ちゃんと長女の気持ちを聞いておけばよかったと悔やんでいます。

1-5 面会交流の取り決めをしなかったことに対する後悔

離婚後、Aさんは、久しぶりの一人暮らしが寂しかったこともあり、長女が恋しくてたまらなくなりました。そのため、夫や夫の両親と顔を合わせるのは気まずかったものの、頻繁に会いに行きました。面会交流については、夫が「好きなときに会っていい。」と言っていたことから、特に取り決めはしませんでした。

長女は、Aさんが頻繁に顔を出すこともあり、心身ともに落ち着いて健やかな生活を送っていました。Aさんも、そんな様子の長女を見て、自分の選択は間違っていなかったと自分に言い聞かせる日々でした。

しかし、徐々に、「あまり家に来ないでほしい」という雰囲気を感じるようになりました。近所の手前、別れた妻が頻繁に出入りするのは都合が悪いというのです。Aさんにもその事情は理解できましたが、頻繁に長女に会おうとすると、自宅に行くしかないのです。Aさんの家で長女と過ごしたいという気持ちもありましたが、誰が長女をAさんのところに連れて来るのかが問題になります。Aさんは自分が送迎すると言いましたが、近所の目があると断られてしまいました。夫が送迎するしかありませんでしたが、そうなると頻繁に会うことは難しくなってしまいます。

結局、長女と会えるのは2,3週間に一回程度になってしまい、Aさんとしては寂しい限りでした。長女は元気そうにしていましたが、Aさんに甘えたい気持ちが募っているように思えました。「好きなときに会っていい。」と言っていた夫の言葉を簡単に信じ、面会交流に関する取り決めを何もしなかったことを後悔しました。

   2 親権を争ったことを後悔しているBさん

2-1 夫の言葉に耳を傾けなかったことへの後悔

Bさんは、夫と夫の両親、小学6年生の長男と小学3年生の二男と6人暮らしでした。子育てが一段落したBさんは、今度は自分に時間を使いたいと考え、社内の昇格試験受けるなど、キャリアアップに積極的でした。一方、Bさんの夫は、大学の教授でしたが、既にある程度の地位を築き、幾分余裕のある身でした。夫の両親は、同居の上、長男二男の育児を手助けしてくれていました。子どもたちと関わる時間は、夫の両親が一番長く、平日の日中も家にいることのある夫がその次でした。

最初は、夫も仕事に打ち込むBさんを応援してくれていました。しかし、ある時期を境に、「子育てがほとんどできないくらいなら、少し仕事をセーブしてはどうだ。」と言うようになりました。また、家事・育児を全面的に担ってくれているBさんの両親に対する態度についても、改善を求められました。確かに、Bさんは、ずっと専業主婦で家のことしかできない夫の母親を少し下に見ているところがありました。しかし、既に安定した地位を築いている夫からあれこれ言われることに納得できない気持ちもありました。

今思えば、夫の言うことももっともです。この段階で夫の言うことに耳を傾けていれば、まだまだ引き返せたのではないかと後悔しています。

2-2 簡単に離婚を考えた後悔

それからも、少しずつBさんと夫の関係は悪化し、会話らしい会話もなくなってしまいました。Bさんの平日の帰宅時間はどんどん遅くなる一方で、子どもたちが寝てから帰宅するこもしばしばでした。せめて休日は家にいようと心掛けていましたが、平日の疲れもあり、昼近くまで寝ていることもしばしばで、起きると既に家には自分だけ、ということもありました。子どもたちはサッカーに打ち込んでいましたが、週末の練習や試合の引率はすべて夫が担っていました。

そんなとき、夫から「この状況が改善されないなら、離婚したい。」と言われました。夫の言う「この状態」とは、育児・家事を放棄し、夫や夫の両親との関係が改善されない状況を指すようでした。Bさんは、仕事を頑張っている自分を認めてくれないことに悲しくなると同時に、この際、夫との離婚もやむを得ないという気持ちになってきました。

しかし、最後通告とも思える夫のこの言葉を真に受けてしまったことを後悔することもあります。もしかすると、夫はBさんに気付いてほしい思いで厳しいことを言ったのかもしれません。ほんとうに離婚意思があったのかどうか、Bさんの気持ちを試しただけなのかもしれないと、今でもいろいろと考えてしまいます。

2-3 当然に親権が取れると考えたことに対する後悔

離婚したとしても、決して親権を譲るつもりはありませんでした。ここのところ、あまりお世話ができていないとはいえ、自分がおなかを痛めて産んだ子どもたちです。子どもたちが幼少のころ、数時間おきに授乳をしたり、病気のときに寝ずに看病したのは自分だという自負もありました。

夫には、離婚には同意するけれど、親権は譲れない旨を伝えました。夫は、今の生活状況を考えれば、Bさんに子どもたちを任せられるわけがないと激怒し、真向から対立することになりました。Bさんは、子どもたちを連れて別居したいと考えましたが、今のままでは難しいのも事実でした。そのため、まずは、一人で家を出て、仕事をセーブしながら監護養育ができる環境を整えていきました。その間、家庭裁判所で離婚調停が開かれましたが、親権で折り合いがつかず、裁判になっていました。子どもたちとはときどき会えていましたが、よそよそしい態度を取ることも増え、会ってもあまり会話が弾みませんでした。

今、冷静に考えると、自分が親権を取れるはずがないと分かります。しかし、あの時は、子どもたちを幼少のころに世話した記憶にとらわれ、夫や夫の両親がやってくれていることを正しく評価せず、感謝も怠っていたのです。母親である自分が親権者になってしかるべきだという考えを今となっては後悔しています。もし、あの時、自分の監護能力や子どもたちの現実の生活を冷静に考えることができていれば、無責任に親権を主張できなかったでしょう。しかし、あの時は、依頼した弁護士も、「Bさん、母親は有利ですからがんばりましょう。」と励ますばかりで、自分の考えを訂正してくれる人は誰もいませんでした。

2-4 子どもたちを中心に考えなかったことへの後悔

裁判の結果、夫が親権者と指定されました。Bさんは、既に仕事もセーブしていたことから、出世の道も断たれており、ワンルームマンションで一人寂しく生活するしかありませんでした。子どもたちとの面会交流は認められていましたが、共通の話題もなく、よそよそしい親子の交流があるだけでした。

Bさんは、面会交流をするようになって気付いたことがあると言います。それは、同居当時、子どもたちと同じ空間に住んでいただけで、同じ喜びや悲しみを共有してこなかったということです。子どもたちがサッカーに夢中になっていることは知っていましたが、試合の勝ち負けで一喜一憂したり、親友とレギュラー争いをしなければいけない厳しさを体験したりしていることに目を向けていませんでした。子どもの目線で物事を考えることを怠っていたのです。

もし、子どもの視線で離婚問題をとらえることができていれば、結論が違っていたのではと感じることがあります。子どものことを考えれば、容易に離婚するべきではなかったし、自分の思いだけにとらわれ、親権を主張することもなかったと思います。

   3 まとめ

今回は、親権をテーマとして、いろいろな「後悔」を事例に盛り込みました。これらの後悔は、実際に離婚カウンセリングで聞かれるよくある後悔です。

ほとんどの人にとって、離婚は初めての経験です。相手と感情的にぶつかったり、すべてを失ったような気持ちになったり、精神的なダメージもとても大きいのですが、そんな大変な状況のなかで、複雑な離婚条件を冷静に考えて決めていくという作業はそう簡単ではありません。

そのため、100%大満足な離婚はなく、だれしもどこかに後悔が残っていたりするものです。しかし、離婚の初期段階で専門化に相談するなどしていれば、その後悔が少なくて済んだかもしれません。離婚問題は、一人で抱え込まず、早い段階で専門化に相談するのが大切です。

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