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親の離婚、子どもには悪影響?-対象喪失編ー

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離婚は、大人である親にとっても大変な問題ですが、親の離婚を経験する子どもにとっても、大きな大きな問題を抱えることになるのです。 今回は、離婚が子どもに及ぼす影響の一つである「対象喪失」について書きたいと思います。

   1 対象喪失とは

対象喪失とは「近親者の死や失恋をはじめとする、愛情・依存の対象の死や別離」をいいます。
子どもにとって、親の離婚は2つの対象喪失を意味します。一つは、言わずもがな片方の親を失います。これはもう説明の必要はないですよね。
もう一つは、住みなれた生活環境や友人関係です。特に思春期を迎える子どもにとっては、友人関係のしめる割合は質的にも量的にも大きいものです。中高生の子どもをお持ちの方なら想像に難くないと思いますが、この年代の子どもの一日は、親と過ごすよりも友人と過ごす時間の方がはるかに長く、会話量も多いでしょう。関心事も親より友人や恋人、悩みや楽しみも友人や恋人に起因することが多いと思います。
実際に、離婚時の子どもの年齢が上がれば上がるほど、子どもの住環境を変えないことを最優先する傾向が強まるように思います。子ども自身からそのようなことが語られることも多く、「どちらかというと母(父)と暮らしたいけど、学校を変わりたくないので今の家にいます。どうせ後〇年で成人するし。」となるわけです。
しかし、友人関係に重きが置かれるのは、家族間の安定が土台にあってのことです。親が離婚し、子どものケアができていないという状況であれば、その土台が「グラグラ」ということになるので、慎重に考える必要があります。

   2 死別による対象喪失と離婚による対象喪失の違い

対象喪失の話に戻しますと、本当に片親が死んだ場合、残された親と傷つきや悩みを共有し共に語り合い回復への道を模索することができます。冒頭写真の猫のように、まさに身を寄せ合って辛い時期をやり過ごすわけです(写真の猫は幸せそうにも見えますが・・)。しかし、離婚により片親を喪失した場合、もう片方の親は「せいせいした。」と思っており、子どもと喪失体験を共有できないこともありますし、親が自分自身のことが精一杯で子どもの悩みにまで気が回らない場合もあります。
場合によっては、親自身のストレスを子どもにぶつけてくる親もいます。ですので、離婚の場合、死別と違って会おうと思えば会えるかもしれないけど、残された親と片親喪失の悩みを共有できない、という複雑な状態に陥るわけです。
離婚する際に気を付けなければならないことは、「親は離婚によって得るものがあるが、子どもは失うばかりである。」ということです。離婚を考えている親御さんにお願いしたいのは、片方の親を喪失したことによって子どもが傷つくことを忘れないでほしいということです。ですので、「完全な喪失」とならないよう、できるかぎり子どもと別居親の面会交流を実現してほしいと思います。面会交流をまったく実施していないお子さんは、「親から捨てられた。」という感覚を持ちやすく、自己肯定感の低さにつながります。そうすると思春期の問題も大きくなったりと、同居親に負担がかかることにもなります。円満な面会交流は子どものためであり、双方の親のためでもあるのです。
これを最後まで読んでくださったということは、みなさんがお子さんを気遣っている証拠だと思います。ご自身に自身を持って頑張ってください!
「親の離婚が子どもに与える影響が心配。」、「子どもの気持ちを聞いてあげたいけど、自分にはその余裕がない。」など、離婚に際してお子さんに関する悩みがある方は、是非、離婚テラスの子どもサポートをご利用ください。親の離婚に面した数多くの子どもたちと会ってきた元家庭裁判所調査官がみなさんの相談に乗ります。

 

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